患者に対して治療への積極的な参加の促しや残薬の解消など、医療課題への貢献が目的。バンダイナムコ研究所は服薬支援ツールの企画開発を担当。
東和薬品株式会社（以下、東和薬品）は株式会社バンダイナムコ研究所（以下、バンダイナムコ研究所）と、服薬支援ツールの開発に向けた基本合意書を締結したことを発表した。
このツールによって、患者の服薬アドヒアランス（服薬遵守など、決定した治療方法に対して、患者が積極的に参加すること）の向上や、薬の飲み忘れなどで増える残薬の解消を目指す。
近年、残薬の金額が年間約500億円（※1）にのぼるなど、医療費の観点や薬の適正使用が社会問題のひとつとなっている。残薬の理由としては67％が「飲み忘れが積み重なった」と回答していて、患者が意図せず服薬を忘れてしまうことが大きな要因（※2）としてあるとのこと。
薬は適切に服用されていないと十分な治療効果が得られないことに加え、治療期間の延長にもつながる要因となるだけでなく、手元に飲み忘れた薬があると、他の薬との飲み間違いなどの原因にもなる。
これらの医療経済課題の解消に向けて、東和薬品とバンダイナムコ研究所は、服薬アドヒアランス向上と残薬の解消への貢献のため、ゲームメソッドを取り入れた服薬支援ツールの共同開発を行なうことで合意した。
バンダイナムコ研究所は、服薬支援に関する東和薬品の立案に対して、ツール内のコンテンツやソフトウェアの企画と開発を行ない、東和薬品は、グループ会社のTスクエアソリューションズ株式会社が、服薬情報を管理するプラットフォームの構築及び服薬支援ツールを用いたサービス企画を行なう。
バンダイナムコ研究所は、ゲーム制作において、ゲームそのものの「楽しさ」はもとより、持続性（モチベーションを上げる仕組み）や達成感（ゲームバランスや目標設定など）、操作性（直感的に遊ぶことのできるデザインなど）を最重要課題にしており、このゲーム制作で培ったノウハウを大いに活用し、患者を笑顔にする服薬支援ツールの開発を目指すとのこと。
※1 参考：日本薬剤師会「後期高齢者の服薬における問題と薬剤師の在宅患者訪問薬剤管理指導ならびに居宅療養管理指導の効果に関する調査研究報告書」
※2 参考：平成25年度厚生労働省保険局医療課委託調査「薬局の機能に係る実態調査」
