『シノビマスター』の堅調な推移も、長期運営タイトルの売上減や音楽映像事業のパッケージ販売の減少などが響き減収減益。通期連結業績予想数値についても下方修正。
株式会社マーベラス（以下、マーベラス）は、2020年3月期第3四半期決算を1月31日（金）に発表した。当第3四半期連結累計期間（2019年4月1日～2019年12月31日）の経営成績は、売上高185億4600万円（前年同期比8.2％減）、営業利益21億1100万円（同49.9％減）、経常利益21億3500万円（同50.2％減）、親会社株主に帰属する四半期純利益13億3600万円（同53.0％減）となった。
経営成績に関する説明
マーベラスグループは、多彩なエンターテイメントコンテンツをあらゆる事業領域において、さまざまなデバイス向けに展開する「マルチコンテンツ・マルチユース・マルチデバイス」戦略を基軸とした総合エンターテイメント企業として、強力なIPの確立に向けたブランディング戦略やアライアンス戦略、グローバル戦略を積極的に推進。話題性の高いコンテンツの提供とサービスの強化に取り組んできた。
セグメント毎の業績は以下。
オンライン事業
リリースから3年目に入った『シノビマスター 閃乱カグラ NEW LINK』が堅調に推移したが、12月で6周年を迎えた『剣と魔法のログレス いにしえの女神』をはじめとする長期運営タイトルの売上が減少した。
また、スマートフォン向けの新作タイトルとして、ログレスシリーズの最新作『ログレス物語（ストーリーズ）』を9月18日に、中国発の弾幕シューティングRPG『ガール・カフェ・ガン』を9月20日に配信したが、期待通りの収益を上げるに至らず、さらに、一部タイトルについては、将来の収益見込みを見直し、資産計上していた開発費を評価減した。
上記により、売上高は59億7500万円（前年同期比13.5％減）、セグメント利益は1億2000万円（同86.3％減）となった。
コンシューマ事業
ゲームソフト販売部門においては、シリーズ初のNintendo Switch向けタイトル『牧場物語 再会のミネラルタウン』を10月17日に発売し、好調なセールスを記録した。
また、「ノーモア★ヒーローズ」シリーズ最新作『Travis Strikes Again: No More Heroes Complete Edition』のPlayStation4版を10月17日に発売し、Windows PC版を10月18日から配信を開始した。さらに、海外アクイジションタイトル『CONTROL（コントロール）』をPlayStation4向けに12月12日に発売した。
アミューズメント部門では、キッズアミューズメントマシン「ポケモンガオーレ」が、引き続き堅調に推移した。しかしながら、前期第2四半期に実施したソフトウェア資産等の売却による一時収入からの反動減が、前年同期比において大きく影響したことで利益が減少した。
上記の結果、売上高は87億1400万円（前年同期比10.1％増）、セグメント利益は19億3600万円（同27.0％減）となった。
音楽映像事業
音楽映像制作部門については、劇場版プリキュアの最新作『映画スター☆トゥインクルプリキュア星のうたに想いをこめて』を10月に公開した。
ステージ制作部門においては、「ミュージカル『テニスの王子様』秋の大運動会2019」を10月に、「ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』コンサート Rails Live 2019」を10月と11月に開催した。今期の完全新作としては、テレビアニメ化された人気マンガ「血界戦線」を舞台化した「舞台『血界戦線』」を11月に、人気ゲーム「ペルソナ5」を舞台化した「PERSONA5 the Stage」を12月に公演した。
しかしながら、前期比でステージ公演のパッケージや関連商品の販売が減少したことで、減収減益となった。
上記の結果、売上高は38億7400万円（前年同期比28.1％減）、セグメント利益は11億2700万円（同32.8％減）となった。
また、2020年3月期（2019年4月1日～2020年3月31日）の通期連結業績予想の修正を発表した。オンライン事業において、今期にリリースした新作タイトルが当初想定していた収益を十分に上げることができていない状況とのこと。また、今期中に2つの新規アプリをリリースする予定であったが、配信時期の見直し及びクオリティ向上のため、開発を延長し、来期以降にリリースを延期した。
これらの要因により、収益ともに期初に発表した通期連結業績予想数値を下回る見込みになった。
関連サイト
株式会社マーベラス公式サイト
2020年3月期第3四半期決算短信〔日本基準〕（連結）
2020年3月期第3四半期決算説明資料
