◆ジョークのようなタイトルに込められた意味!
一見するとトランプゲームのようなタイトルに感じる『しろくろジョーカー』。しかしそこには、お城の「しろ」、年代記を意味するクロニクルの「くろ」、城下町の「ジョーカー」という3つの意味が込められている。そしてタイトル画面に登場しているかわいらしい織田信長とお市。そんなジョークのようなタイトルとコミカルなキャラクターに隠れているが、『しろくろジョーカー』はさまざまな魅力とギミックが詰まった一筋縄ではいかないシミュレーションゲームだ。
ゲームは大きく3つの要素に分けられる。自分だけの城下町を発展させていく「内政」、カードを収集、合成したり部隊を編成したりする「武将」、編成した部隊で戦いに赴く「合戦」だ。さらにそこにGPS機能による位置情報を使った特産品の収集と、ほかの城主と協力関係を結ぶ「盟友」が加わる。そのすべてが「日本一の城主」を目指すという『しろくろジョーカー』の目的に集約される。しかしすべてを均等に楽しむ必要はない。自分が楽しいと思った要素に注力してプレイしてもいいのだ。
◆簡単に城下町を模様替え! 武将コレクションも楽しい!
戦国城下町シミュレーションと銘打たれた『しろくろジョーカー』の中心となる要素は「内政」だ。城下に好きな建物を建てて自由に町を形成し、それぞれの建物から「両」と「食糧」を得て、それらを使ってさらに町を発展させていく。どんな建物を建てたらいいのかわからなくても、じいに提示された「依頼」をこなしていくだけで町は発展する。そこに自分なりの色を加えていけばいい。
建物をどのように並べるかも自分次第。実在した城下町を模倣してもいいし、斬新な街並みを表現してもいい。タップで建物を選択するだけで簡単に移動できるのも便利。模様替え感覚で街並みを変更可能だ。
戦国がテーマなので当然ながら「武将」は欠かせない。『しろくろジョーカー』には実在した武将たちがカードとなり、デフォルメされたかわいらしいイラストで登場する。プレイヤーは城主として、その武将たちに内政や合戦を任せられる。それぞれの武将にはスキルや能力パラメータが設定されているので、適材適所に人材を配置することが重要だ。
カードにはレアリティが設定されていて、これが高いほどスキルが高くなっている。なかにはノーマルカードは幼少時代の名前で、レアカード以上が改名後という武将も存在。すべてのコレクションを目指すことはもちろんだが、「合成」で強化する際に名前が異なる同じ武将を使うというマニアックな楽しさも味わえる。何やら自分の知識を試されているようで面白い。もちろん歴史ファン以外の人は、そこに固執する必要はまったくないが。
◆位置情報と城主仲間との協力で遊び方が広がる!
内政が『しろくろジョーカー』の中心と書いたが、タクティカル・シミュレーションである「合戦」は決してそのオマケではない。序盤こそ自軍とほかのプレイヤーからの「援軍」による力技で勝利できるが、ゲームが進むと的確な部隊編成と慎重な行軍、そして強力な援軍が必要になってくる。
しかし城下町の育成は好きでも戦闘は苦手という人はいるはずだ。そんな人に用意されているのが戦闘の「お任せ」機能。強力な部隊を編成して頼りになる「援軍」を得られれば、CPUによる自動戦闘でも十分に勝利をもぎ取ることができる。戦闘を楽しみたい人は自分でプレイし、苦手な人でもお任せで勝利を目指せるのが便利だ。
さらに『しろくろジョーカー』はGPS機能を使った位置情報も利用する。現実での移動距離によって両やガチャに使うポイントを獲得できるほか、訪れた場所によってゲーム内の特産品が手に入る。普通にプレイしているだけでは解放できない建物は、位置情報登録の特産品取得によって解放できるのだ。
しかし学校や会社といった都合で移動が難しい場合もある。そこで用意されているのが、ほかの城主と協力関係を結ぶ「盟友」だ。盟友になれば特産品の共有が可能になるため、各地の城主と盟友になることで特産品を次々と解放できる。実際に移動した場所で入手しても、ゲーム内を移動する感覚で盟友を探して共有してもいい。目的に対する手段が複数用意されてることがうれしい。
城下町の育成だけでなく、戦闘の本気度やモバイルならではの位置情報登録など、多岐にわたる特徴を持っている『しろくろジョーカー』。そのどれもが中途半端ではなく、相互補完しながらゲームの魅力を高めている。道化師の姿に隠されたジョーカーの恐ろしさ。『しろくろジョーカー』の本当の魅力もタイトルやかわいらしいイラストの後ろ側にあるのだ。