コンテンツ、放送、技術の3つのセグメントで売上伸長。「釣りビジョン」の架空取引被害は和解成立で大幅増益。
ブロードメディア株式会社(以下、ブロードメディア)は、2020年3月期決算(連結)を5月15日(金)に発表した。当期連結経営成績は、売上高115億687万円(前期比3.4%増)、営業利益は5億510万円(同202.1%増)、経常利益6億2783万円(同208.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4億1129万円(同145.2%増)だった。
経営成績に関する説明
売上高については、放送とネットワーク営業セグメントが減収となったが、コンテンツ、スタジオ、技術の3セグメントが増収したことで前期比増となった。
営業利益は、スタジオとネットワーク営業が損失を計上した一方で、コンテンツと放送、技術が増益となった。また、前期に発生した連結子会社の株式会社釣りビジョン(以下、釣りビジョン)の架空取引被害に関連する費用約1億5000万円を計上したが、それがなかったことになり大幅増益となった。
経常利益は営業利益の増加に加え、持分法による投資利益や受取保険金を計上したことなどで増益となった。
親会社株主に帰属する当期純利益については、子会社における税金費用が増加した一方、釣りビジョンにおける架空取引被害に関する損害賠償請求訴訟の一部について和解が成立し、特別利益1億2270万円を計上したこと、過年度地方税の還付があったことなどから増益となった。
セグメント毎の業績は以下。
コンテンツ
クラウドゲームサービスやデジタルメディアサービス、教育サービスでセグメントが構成されており、テレビやPC向けの動画配信、スマートフォンやタブレット向けのコンテンツ配信、広域通信制高校にいたるまで、広範な事業を展開している。
教育サービスは、入学生徒数が過去最高となったことで増収増益となった。
デジタルメディアサービスは広告収入やVODサービスが好調に推移したことで売上が増加し、黒字に転換したとのこと。
クラウドゲームサービスについては、売上の増加に加え販管費の抑制などで営業損失が縮小した。
上記の結果、売上高は31億8010万円(前期比28.3%増)、営業利益は3億8532万円(同162.3%増)だった。
放送
釣り専門番組「釣りビジョン」の制作、BS・CS放送及びケーブルテレビ局などあての番組供給事業を行なっている。
視聴料収入が減少傾向にあることなどから減収となったが、継続して取り組んでいるコスト削減効果により利益は増加した。
上記の結果、売上高は28億248万円(前期比3.4%減)、営業利益は2億9264万円(同80.2%増)だった。
スタジオ
映画やドラマ等の映像作品の調達、日本語字幕・吹替制作、作品の配給、販売を行なっている。
制作事業は受注が増加し、増収増益となった。
一方、番組販売事業はテレビ局向け番組販売が増加したが、原価が大幅に上昇し損失を計上した。
映画配給事業は赤字幅が拡大し、それにより、セグメントの損失が拡大した。
上記の結果、売上高は24億492万円(前期比5.9%増)、営業損失は1億8792万円(前期は営業損失3650万円)だった。
技術
デジタルシネマサービス、CDN(コンテンツ・デリバリー・ネットワーク)サービス、ホテルの客室、会議室へのインターネットサービス、その他ソリューションサービスを提供している。
CDNサービスの既存顧客向けの新たなソリューションやサービスが拡大したことなどから増収増益となった。
上記の結果、売上高は29億5934万円(前期比11.3%増)、営業利益は5億1031万円(同10.8%増)だった。
ネットワーク営業
ブロードバンド回線(SoftBank 光、SoftBank Air)やISPサービス、携帯電話サービスなどの販売代理店として、通信回線販売業者などを通じて販売活動を行なっている。
ブロードバンド回線の販売の苦戦が続いていることから、売上高は大幅に減少し、営業損失を計上した。
上記の結果、売上高は1億6001万円(前期比80.4%減)、営業損益は1866万円(前期は営業利益644万円)だった。