マンガ翻訳技術開発会社Mantra、ディープコアなどから計8000万円の資金調達を実施

Mantra Engine

マンガに特化した機械翻訳技術「Mantra Engine」の開発提供会社。調達した資金でサービスの研究開発や人材採用を強化。

Mantra株式会社(以下、Mantra)は、株式会社ディープコアや合同会社DMM.com(DMM VENTURES)、株式会社レジェンド・パートナーズ、および個人投資家らを引受先とする第三者割当増資により、合計約8000万円の資金調達を実施したことを発表した。

Mantra

新型コロナウィルス感染症拡大の影響を受け、フルリモートで開発を行うMantraのチーム

Mantraは、マンガの多言語展開を可能にする法人向けサービス「Mantra Engine(2020年7月公開予定)」の開発及び提供を行なっている企業。

Mantra Engineは、マンガ専用の画像認識技術と外国語組版の自動化技術を組みあわせたもので、手で描かれた特殊なフォントや独特な話し言葉、ストーリーの背景にある複雑な文脈などのマンガ翻訳を、これまでよりも素早く行えるようになるという。

これにより、多くのマンガの多言語同時連載を可能にし、出版社の海外市場への進出の支援となる。

Mantra Engine

「Mantra Engine」による高速なマンガ翻訳 (C)︎朽鷹みつき

今回調達した資金は、「Mantra Engine」や基盤技術の研究開発、人材採用の強化などに使用し、多くのマンガが世界中のファンにはやく、正しく届くようサービスを開発していくとのこと。

Mantra 代表取締役 石渡祥之佑氏のコメント
「新型コロナウィルス感染症拡大を受け、世界中で『巣ごもり消費』が注目されています。中でも、マンガは国内外で広く愛されるコンテンツです。しかし、海外において日本マンガは海賊版サイトで読まれることも多く、制作者が適切な利益をマンガファンから得にくい状況にあります。私たちは、正規に翻訳されるマンガがごく少数の作品に限られること、そして翻訳版が制作されるまでの時間が長いことがこの問題の主要因と考えています。そこで、出版社等と連携し、海賊版よりも早く、リーズナブルに翻訳版を提供することで、海賊版ユーザを正規版に誘導することを目指しています。私たちが大好きなマンガが世界で同時配信され、世界中のマンガファンが毎週(あるいは毎日)、リアルタイムに最新話を自分の母語で楽しむことができる。世界中のファンからの声援はもちろん、収益も制作者たちにしっかり届く。そんな未来を実現するため、私たちは今回の資金調達で、AI特化型インキュベーター兼VCであるDEEPCORE、エンタテイメント領域に強みをもつDMM、そして、元オプト代表でエンジェル投資家である海老根智仁が会長を務めるレジェンド・パートナーズの他、多くの経営者・技術者・研究者の支援を得ました。このたび調達した資金は、『Mantra Engine』や基盤技術の研究開発および人材採用に充て、多くのマンガが世界中のファンに早く、正しく届けるお手伝いをしてまいります。」

DEEPCORE, Senior Investment Director 左英樹氏のコメント
「マンガの多言語・自動翻訳は、マンガに特殊なフォントや話し言葉が使われている点、また複雑な文脈を汲み取る必要がある点など、技術的な難易度が高く、これまで誰も解決することができなかった課題でした。その難易度の高い課題にあえて取り組む姿勢をDEEPCOREが運営するインキュベーション施設KERNEL HONGOで間近でみて、”技術で世界を変える志を持つ、起業家の挑戦を応援する”という、DEEPCOREのコンセプトに強く合致すると感じ、今回支援することを決めました。コロナウイルスの影響に伴う人々の生活様式の変化や、企業へのビジネスモデル変革の要請が、同社の成長を加速させていくものと強く信じています。」

DMM VENTURES 森弘慶氏のコメント
「DMM VENTURESは若手起業家支援の取り組みを行っており、代表石渡氏の「世界の言葉で、マンガを届ける」というビジョンに共感し、支援を決定しました。石渡氏は若手ながら機械学習・情報処理分野における優れた才能を持つ優秀な起業家だと感じています。その才能を存分に発揮し、リアルタイムに世界中の漫画が読める世界観を実現してほしいです。弊社としても、エンタメ領域で事業を行なっている知見も生かしながら最大限バックアップしていくつもりなので、全力で駆け抜けてほしいと思っています。」

レジェンド・パートナーズ 取締役会長 海老根智仁氏のコメント
「我々は『日本に残された潜在的な競争力を発掘し、世界に発展させたい』をビジョンに掲げた、全国単位で起業家を応援する専門家集団です。今回、石渡氏及び経営チームの熱意や人柄、画像処理の専門家である東京大学相澤先生も認める卓越した知見と技術等に魅了され、支援を決めました。是非、貪欲さと執念を持って、マンガという日本の素晴らしいコンテンツを、withコロナ・afterコロナ時代の巣ごもり消費(エンタメ)の一つとして、世界中のマンガファンがいつでも楽しめるようにしていって欲しいと思います。我々も、これまでの事業経験や起業家を応援してきた知見を活かして、全力で支援していきたいと考えています。」

関連サイト

Mantra株式会社公式サイト

Mantra Engine