松竹、映画館や直営劇場の休館などで赤字転落 営業損失14億円 2021年2月期第1四半期決算

松竹

新型コロナウイルス感染症の影響による映画館の休館や舞台公演の中止などにより、映像関連事業と演劇事業の利益が大きく減少。

松竹株式会社(以下、松竹)は、2021年2月期第1四半期決算短信(連結)を7月14日(火)に発表。当第1四半期連結累計期間は、売上高86億800万円(前年同期比63.2%減)、営業損失14億6900万円(前年同期は営業利益8億6300万円)、経常損失18億1000万円(前年同期は経常利益6億1400万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は43億7800万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益3億3400万円)となった。

松竹決算

経営成績に関する説明

松竹グループは、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、映画館が段階的に休館となり、演劇公演も中止または延期が相次いだなかで、より一層の経営の効率化につとめながら営業活動を展開した。

セグメント毎の業績は以下。

映像関連事業
配給は、3月公開の「Fukushima 50」「一度死んでみた」などの作品が好評だったが、同月下旬より休館となる映画館が増加し、公開予定日を延期せざるを得ない作品があった。

興行は、全国的に新型コロナウイルス感染症の影響で低調だったが、株式会社松竹マルチプレックスシアターズにおいても、各都道府県からの要請や緊急事態宣言の発令により、3月以降に順次、営業時間短縮や休館となった影響が大きく、厳しい結果となった。

CS放送事業については、松竹ブロードキャスティング株式会社において、計画通りに利益を確保した。

上記の結果、売上高は46億2300万円(前年同期比64.4%減)、セグメント損失は11億9600万円(前年同期はセグメント利益2億200万円)となった。

演劇事業
新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐため、政府要請を受けて3月以降も引き続き直営劇場である歌舞伎座、新橋演舞場、大阪松竹座、南座をなどで公演を中止した。

その間、営業再開に向けての準備を進めてきたが、緊急事態宣言の発令もあり、結果的に当第1四半期連結累計期間においては直営劇場を含むすべての松竹製作公演が中止または延期となった。

上記の結果、売上高は8億6800万円(前年同期比87.5%減)、セグメント損失は6億4200万円(前年同期はセグメント利益1億4400万円)となった。

不動産事業
不動産賃貸では、歌舞伎座タワー、築地松竹ビル(銀座松竹スクエア)、東劇ビル、新宿松竹会館(新宿ピカデリー)、有楽町センタービル(マリオン)、松竹倶楽部ビル、大船の松竹ショッピングセンター、新木場倉庫、浜松松竹ビルなどが満室を維持しており、全体でも高い稼働率で安定収入に貢献した。

また、各テナントとの賃料交渉にも誠実に対応し利益確保につとめたことに加え、効率的運営、経費削減を推進したことで、計画どおりに利益を確保した。

4月には浅草六区松竹ビルが竣工、5月より賃貸を開始し、日本ビューホテル株式会社にてホテル開業に向けた準備を進めている。

上記の結果、売上高は29億3000万円(前年同期比1.7%増)、セグメント利益は14億5800万円(同11.3%増)となった。

その他
プログラム・キャラクター商品販売、及び松竹歌舞伎屋本舗事業やイベント事業については、コロナ禍の影響を受けていずれも厳しい結果となった。

上記の結果、売上高は1億8500万円(前年同期比67.8%減)、セグメント損失は1億9400万円(前年同期はセグメント損失600万円)となった。

関連サイト

松竹株式会社公式サイト
2021年2月期第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

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