はてな、広告単価の下落で売上減少 営業利益は前年比38%減の2億円 2020年7月期決算

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コロナ禍の影響でアフィリエイト広告の利益が減少。マンガビューワ「GigaViewer」は好評で、9社11サービスで稼働中。

株式会社はてな(以下、はてな)は、2020年7月期決算短信(非連結)を9月11日(金)に発表した。当期の業績は、売上高25億4200万円(前期比0.9%増)、営業利益2億7600万円(同38.8%減)、経常利益2億7900万円(同37.9%減)、当期純利益1億9000万円(同41.8%減)だった。

はてな 決算

経営成績に関する説明

コンテンツプラットフォームサービス
「はてなブックマーク」や「はてなブログ」などのサービスを展開している。

主力サービスの「はてなブログ」の登録ユーザー数や、月間ユニークブラウザ数が順調に推移し、「はてなブログ」の有料プランである「はてなブログPro」などの課金売上も好調だった。

アフィリエイト広告については、一部の広告配信ネットワークへの接続が停止される状況が発生し、第2四半期会計期間中に解消され、広告配信取引が順調に再開したが、広告配信取引の再開までのビハインド(広告枠に対する入札参加広告主数の減少等)により、平均広告単価が回復の途上であるため、広告売上が軟調に推移した。

上記の結果、売上高は5億2134万円(前期比10.3%減)となった。

はてな 決算 アフィリエイト

コンテンツマーケティングサービス
BtoB向けストック型ビジネスとして、「はてなブログMedia」を活用したオウンドメディアの構築及び運用支援サービスや、「はてなブログ」などを活用したネイティブ広告、バナー広告、タイアップ広告を展開している。

「はてなブログMedia」では、使いやすい操作画面や高いシステム安定性、検索エンジンから評価されやすいサイト構造を実現するため、機能強化につとめた。Googleが業界各社と協力して開発を進める「モバイル環境でWebコンテンツの表示を高速化するプロジェクト」であるAMP(Accelerated Mobile Pages)にいち早く対応し、大手企業、ベンチャー企業を問わず、幅広い企業層に対してサービス提供実績を積み上げている。

はてな 企業メディア

また、提供サービスプランに「レギュラープラン」「ライトプラン」の2プラン制を導入し、販売機会の更なる獲得につとめたことで、当期のメディア運用数が104件(前期末は74件)に到達した。

2019年11月には、TRENDEMON JAPAN株式会社のアトリビューション解析ツール「TRENDEMON(トレンデーモン)」と連携し、オウンドメディアの効果の可視化や効果向上のための改善ポイントの把握が可能な「TRENDEMON」が使えるようになるなど、「はてなブログMedia」を活用する企業のコンテンツマーケティング支援のさらなる強化を行なっていく計画だ。

さらに、ネイティブ広告、バナー広告等の広告売上についても、「はてなブログMedia」の運用媒体数の増加に伴い、堅調に推移した。

上記の結果、売上高は8億939万円(前期比5.0%減)となった。

テクノロジーソリューションサービス
受託サービスとして、顧客独自のネットワークサービスに関する企画、開発、運用の受託と、ビッグデータサービスとして、BtoB向けストック型ビジネスであるサーバー監視サービス「Mackerel(マカレル)」を展開している。

当期のWebマンガサービスに特化したマンガビューワ「GigaViewer」が、「MAGCOMI(サービス提供者:株式会社マッグガーデン)」「webアクション(サービス提供者:株式会社双葉社)」の2サービスに搭載された。

その結果、「少年ジャンプ+」「となりのヤングジャンプ(サービス提供者:株式会社集英社)」「マガジンポケット」「コミックDAYS(サービス提供者:株式会社講談社)」等、合計9社、搭載累計11サービスとなった。また、ユーザー向けの各種機能に加え、サービス提供者のサービス運用コストの削減に貢献する管理機能の継続的な機能開発や、マンガビューワに掲載する広告の販売と運用に注力したことで、売上が堅調に推移した。

はてな マンガ はてな マンガビューワー

受託サービスにおけるシステム開発について、2016年にサービス企画・システム開発協力した株式会社KADOKAWAが運営するWEB小説サイト「カクヨム」において提供される、クリエイターに収益を還元するための決済及び送金プラットフォームの開発や、はてなが運営する日本最大級のガールズエンターテインメントサイト「魔法のiらんど」のリニューアル開発の納品及び検収が完了、その他複数の納品及び検収が完了したことで、収益認識にいたった。

保守運用サービスにおいては、運用案件数の積上により、売上が成長した。

「Mackerel」については、AWS(アマゾンウェブサービス)のパートナー制度「AWS パートナーコンピテンシープログラム」において、「AWS DevOps コンピテンシー」認定を、国内企業で初めて取得した。さらに、「AWS Partner Network(APN)Award2019」において、「Mackerel」を通じたAWSへのビジネス貢献が評価され、「APN Technology Partner of the Year 2019 – Japan」を受賞した。また、各新機能としてリリースした「Mackerelコンテナエージェント」「ロール内異常検知」が好評を得た。それにより、潜在顧客のサービス需要に対して、効果的にアプローチした結果、売上が堅調に推移した。

2019年10月には、ソニービズネットワークス株式会社が提供しているAWS導入・運用支援サービス「マネージドクラウド with AWS」のオプションサービスとして「Mackerel」が採用された。

上記の結果、テクノロジーソリューションサービスの売上高は12億1199万円(前期比11.5%増)となった。

関連サイト

株式会社はてな公式サイト
2020年7月期決算短信〔日本基準〕(非連結)
2020年7月期決算説明資料

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