コンシューマ機のデジタル販売の成長が収益を後押し。開発への新型コロナウイルス感染症の影響は軽微。
株式会社カプコン(以下、カプコン)は、2021年3月期決算(連結)を5月10日(月)に発表した。当期の連結経営成績は、売上高953億800万円(前期比16.8%増)、営業利益345億9600万円(同51.6%増)、経常利益348億4500万円(同51.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は249億2300万円(同56.3%増)だった。
経営成績に関する説明
デジタルコンテンツ事業
シリーズ最新作『モンスターハンターライズ』が、2021年3月の発売から早々に全世界で出荷本数400万本を突破するなど好調に推移したほか、『バイオハザード RE:3』も390万本と順調に販売本数を伸ばした。
また、前期に発売した『モンスターハンターワールド:アイスボーン』や、前期以前に発売した『バイオハザード RE:2』など、採算性の高いリピートタイトルも根強い人気により利益を押しあげた。
さらに、次世代ゲーム機向けタイトル『デビル メイ クライ 5 スペシャルエディション』を発売した。
モバイルコンテンツでは、日本国内で『ロックマンX DiVE』のサービスを開始したほか、協業タイトル『街霸:対決(ストリートファイター:デュエル)』の中国でのサービス開始に伴うライセンス収益が利益に貢献した。
上記の結果、売上高は753億円(前期比25.6%増)、営業利益は370億200万円(同53.1%増)となった。
アミューズメント施設事業
2020年5月の緊急事態宣言の解除後、順次営業を再開し、回復につとめている。
当期は、カプコンの人気キャラクターグッズの物販専門店「カプコンストアオーサカ(大阪府)」の新規出店をはじめ、既存店「プラサカプコン高知店」の大型リニューアルを行なうなど、地域に根付いた店舗展開、運営を推進してきた。
上記の結果、施設数は41店舗、売上高は98億7100万円(前期比18.4%減)、営業利益は1億4900万円(同87.7%減)となった。
アミューズメント機器事業
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、ホールオペレーターの休業や旧規則遊技機の撤去期限が延長されたこともあり、全般的に新機種への需要が鈍化する中、『モンスターハンター:ワールド』が好調に推移した。そのほかにも、『リングにかけろ1 ワールドチャンピオンカーニバル編』と『バイオハザード7 レジデント イービル』も投入し、収益を下支えした。
上記の結果、売上高は70億9000万円(前期比8.5%増)、営業利益は24億700万円(同15.4%増)となった。
その他事業
カプコンのブランド価値向上に向けて、グローバルでの積極的な展開をはかり、「モンスターハンター」のハリウッド実写映画を2020年12月に海外で公開され、国内では2021年3月に『モンスターハンターライズ』の発売日と同日に公開するなど、主力IPを活用した映像化やキャラクターグッズなどの販売拡大に注力した。
eスポーツにおいては、コロナ禍の影響でオンライン形式のイベントに切り替えて実施した。2020年6月に開始した個人戦「CAPCOM Pro Tour Online 2020」と、2020年秋から開始したチーム戦「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2020」「ストリートファイターリーグ: Pro-US 2020」がともに、多くのプレイヤーが参加し熱戦が繰り広げられ、さらなるユーザー層の拡大につながった。
上記の結果、売上高は30億4500万円(前期比0.9%増)、営業利益は9億8700万円(同81.2%増)となった。