DeNA、既存ゲームのユーザー消費額減少で収益減営業利益54億円 2022年3月期第1四半期決算短信 | オタク産業通信：ゲーム、マンガ、アニメ、ノベルの業界ニュース

収益構造の強化に向けて新規タイトルの開発を推進。コロナ禍の影響を受けるスポーツ事業の収益は回復傾向。

株式会社ディー・エヌ・エー（以下、DeNA）は、2022年3月期第1四半期決算短信（連結）を8月6日に発表した。当第1四半期連結累計期間の売上収益は340億5400万円（前年同期比13.4％増）、営業利益は54億7100万円（同56.5％減）、税引前四半期利益は176億2600万円（同21.9％増）、親会社の所有者に帰属する四半期利益は144億5500万円（同46.0％増）となった。

経営成績に関する説明

当第1四半期連結累計期間（2021年4月1日から2021年6月30日まで）においてDeNAグループは、中長期で企業価値を向上させるべく、エンターテインメント領域と社会課題領域のふたつの領域の特徴をいかした収益基盤の形成、および、両領域のシナジー形成を含めたIT企業の新しい進化の体現、また、一層強い事業ポートフォリオ実現に向けた非連続な成長のための挑戦に取り組んできた。

当第1四半期連結累計期間において、売上収益は、前年同期と比したスポーツ事業の回復や、ライブストリーミング事業の成長により、前年同期比で増収となった。

売上原価については、ライブストリーミング事業やゲーム事業の推移等に応じて変動する支払手数料等が増加し、前年同期比で増加した。

販売費及び一般管理費の前年同期比での変動は限定的となった。

その他の収益・費用（純額）は、6億6500万円と、前年同期の99億9400万円から減少している。前年同期においては、タクシー配車アプリ等に関する事業の吸収分割に起因する移転損益20億4500万円やSHOWROOM株式会社の当社保有株式の一部譲渡に伴う子会社株式売却益78億8900万円等を計上している。

持分法による投資損益は、94億300万円（前年同期は7億800万円の損失）となりました。当第1四半期連結累計期間においては、主な持分法適用関連会社である株式会社Cygamesや株式会社Mobility Technologiesの業績動向のほか、当該期間中に行った株式会社Mobility Technologiesにおける第三者割当増資による一時収益の計上が影響した。

セグメント別の業績は次のとおり。

ゲーム事業
ゲーム事業の売上収益は187億6200万円（前年同期比11.6％減）、セグメント利益は33億2300万円（同27.9％減）となった。

当第1四半期連結累計期間は、収益基盤の強化に向け、新規タイトルの仕込みが進捗したものの、既存のタイトルを中心とした事業運営となり、ユーザ消費額は前年同期比で減少し、前年同期比で減収減益となった。

スポーツ事業
スポーツ事業の売上収益は58億2000万円（前年同期比380.8％増）、セグメント利益は10億2400万円（前年同期は20億8200万円の損失）となった。

今シーズンのプロ野球の公式戦は、2021年3月26日に開幕し、観客動員の制約等、感染症対策を講じながらの興行となった。なお、昨シーズンのプロ野球の公式戦は、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、2020年6月19日からの開幕となり、前年同期に実施した試合は、すべて無観客での開催となっている。

ライブストリーミング事業
ライブストリーミング事業の売上収益は79億4500万円（前年同期比38.4％増）、セグメント利益は16億4000万円（同114.0％増）となった。

当第１四半期連結累計期間においては、国内の『Pococha（ポコチャ）』が好調に推移した。ライブストリーミング事業では、①『Pococha』の国内での更なる成長・強化、②ジャンルの多様化を伴った市場の成長・発展を見据えた新たなジャンルへの挑戦、③『Pococha』のグローバル版のサービス開発に注力し、市場成長機会を捉えるべく、成長投資も積極的に実施している。

なお、2020年6月30日を期日としたSHOWROOM株式会社の当社保有株式の一部譲渡により、同社はDeNAの持分法適用関連会社となり、前第2四半期連結会計期間より同社の業績はセグメント別の業績には含んでいない。