かわいらしいイラストに、ボイスやアニメーションによる演出、独自楽曲による音ゲー実装など、日々進化が止まることを知らないアイドル育成ゲーム。そんななか、この『アイドルクロニクル』はさらにステップアップし、なんと3Dモデルによるステージ、衣装の着せ替えなどを実現した意欲作になっています! 技術の進歩ってすごいですな~。
◆華やかさと遊びごたえが両立したライブステージ
ゲームを開始すると何の前置きもなく、シンプルな画面でのリズムゲームのチュートリアルが始まります。案外無愛想なゲームだなぁ……と小首をかしげつつ説明を終えたところで画面が一転! アイドルたち3人による華やかなステージが開始されます! スマホの画面の中で、かわいらしい3Dモデルが歌い踊る……! まずこの衝撃を味わってほしいという意気込みが感じられる、心憎い仕掛けになっています。
ゲームのメインである、このライブステージのリズムゲームは、画面中央から出現するオブジェが左右のバーに重なった瞬間にタップ/長押しするというもの。四方八方に飛びだすオブジェを追いかけるのは、リズムゲームがさほど得意ではない筆者には正直ちょっと厳しめ! しかし判定、クリアの基準は甘めで、進行に詰まることはそうありませんでした。
独自の要素で面白いのが「ライブアイテム」です。花火、紙吹雪などのアイテムを開始前にセットし、好きなタイミングでタップして使えます。各アイテムは得点をアップしたり、ミスをリカバーしたりする効果と同時に、ステージにエフェクト演出をもたらすものになっています。プレイヤーによって、どこでどう使用するか判断が分かれるところですね。
最終的なスコアはアイドル、ステージ衣装の能力にも大きく依存するため、進めるだけならリズムゲームの腕前にはそこまで神経質にならずとも大丈夫。上を目指そうと思うと、単純にリズムゲームをこなすだけでは収まらないという内容になっており、なかなか遊びごたえがあります。
◆千里の道も一歩から! 幅広い育成要素!
ゲームの基本的な進行は、時間で回復する行動ポイントを消費して育成メニューをこなしていく形です。メニューは大きく分けて「レッスン」、「営業」、「ライブ」の3種類の内容が存在し、レッスン、営業では、アイドルのパラメータを育成、資金を稼ぐことができ、ライブでは前述のライブステージをこなすことでサポーターを獲得できます。
そしてサポーターが増えることでアイドルとしてのランクがアップ。より多くの種類のレッスン、仕事ができるようになっていくほか、育成を行なっていくことで、アイドルたちとの信頼度が上がります。これが一定値まで達すると、各アイドルごとに固有の会話イベントが発生し、ライブで使用できる新たな楽曲や、ヘアスタイルが追加されていきます。
さらに楽曲自体にやりこみ要素が存在するのがユニークなところ。ライブで繰り返し使用すると「熟練度」の上昇と共にダンスランクがアップ、ランクが上がっていくごとに進化するアイドルたちのダンスを見ることができます。さらにレッスンで上げた表現力や団結力とアピール値の高い衣装の掛け合わせなどにより、曲の途中でアピールタイムが発生し、普段と異なった演出やスコアボーナスが発生します。こうしたボーナスのおかげで、単純な繰り返し練習や、スコアアタックにも力がはいるというものです。
◆君色にコーディネート! 3人のアイドルと豊富なステージ衣装!
登場するアイドルは、ユニットを構成する里見陽奈(CV:M・A・O)、松平ユリア(CV:五十嵐裕美)、京極瑠璃(CV:遠藤ゆりか)の3人です。豊富なキャラクターが登場するタイプのアイドルゲームに比べると少なく感じるかもしれませんが、その分、それぞれのグラフィック、シナリオにはしっかりとしたボリュームが用意されており、イベント以外でもスケジュールの合間にちょっとした会話劇が挿入されるなど愛着が湧きやすいです。
そして、彼女たちを華やかに着飾るステージ衣装がこのゲームでのコレクション要素になっています。ガチャやゲーム進行で手に入る衣装は3人共通で着用できる「トップス」、「ボトムス」、「シューズ」、個別に装着する「ヘッド」、「フェイス」、「バック」の種類に分かれており、その総数は700超! 豊富なコーディネートが可能かつ、各衣装にはステージのスコアに影響するパラメータ、属性、スキルが存在するため、衣装の収集、組み合わせは攻略のうえでも楽しい要素になっています。
こうした育成やコーディネートの幅広さを考えると、自分のアイドルを見せびらかしたくなるのが人情というもの。プレイヤーのそんな気持ちを察してか、本作品ではコミュニティサービスの「Lobi」に対応。そのため、ほかに機器など使う必要なく、アプリ単体だけでライブステージの録画や共有までできてしまいます。
総じて「単に3Dモデルを取り入れました!」というだけに終わらない作り込みが魅力の『アイドルクロニクル』。新たなスタンダードを感じさせる内容になっていますので、ぜひアイドルゲームファンにはチェックしてほしい1本です。