ゲーム事業は堅調に推移も減収減益。EC事業もDeNAトラベルの原価計上漏れ等の修正等の影響で収益が減少。
株式会社ディー・エヌ・エー（以下、DeNA）は、2018年3月期期決算を5月10日に発表した。当期連結経営成績は、売上収益1393億9000万円（前年同期比3.1％減）、営業利益275億300万円（同18.7％増）、税引前利益303億9000万円（同18.6％増）、四半期利益236億1600万円（同26.6％減）、親会社の所有者に帰属する四半期利益229億8100万円（同25.4％減）、四半期包括利益合計額385億7300万円（同11.3％減）となった。
経営成績の概況
中長期で企業価値を向上させるべく、主力のゲーム事業を継続的に強化しつつ、長期的には複数の収益の柱を育てるべく、さらなる成長へ向けた事業ポートフォリオの強化に取り組んでいると発表。
売上収益は、スポーツ事業で増加したが、それ以外の事業では減少。全社合計では、前連結会計年度比で減収となった。
売上原価・販売費及び一般管理費に関して、合計では、前連結会計年度比で増加。ゲーム内課金の決済に関する支払手数料は減少したが、販売促進費・広告宣伝費や業務委託費が増加した。
その他の収益については、海外子会社のDeNA Global, Inc. 及び ngmoco, LLC の清算手続きが完了したことに伴い、連結財政状態計算書の資本におけるその他の資本の構成要素に累積されてきた当該海外子会社に係る為替換算差額の累計額を、資本から損益に振り替えた結果、当連結会計年度において106億5600万円を計上。
前連結会計年度において、DeNA Global, Inc.等の欧米のゲーム事業に関わる海外子会社の解散・清算手続きの進捗に伴い、過年度の当社単体決算において計上した関係会社株式評価損に係る繰延税金資産を計上。それにより、法人税等調整額を通じ、前連結会計年度における親会社の所有者に帰属する当期利益を押し上げている。
以上の結果、グループの売上収益は1393億9000万円（前連結会計年度比3.1％減）、営業利益は275億300万円（同18.7％増）、税引前当期利益は303億9000万円（同18.6％増）、親会社の所有者に帰属する当期利益は229億8100万円（同25.4％減）となった。
セグメント毎の業績は、以下の通り。
ゲーム事業
ブラウザタイトルのユーザ消費額は、前連結会計年度比で減少したが、アプリタイトルにおけるユーザ消費額は、国内既存タイトルの堅調な推移や、任天堂株式会社との協業タイトルの貢献等により増加した。
一方、費用面で、アプリタイトルの運用体制強化等に伴い、販売促進費・広告宣伝費や業務委託費が増加。
上記の結果、売上収益は979億7000万円（前連結会計年度比3.4％減）、セグメント利益は251億1700万円（同12.2％減）となった。
EC事業
決済代行サービスにおいて、取扱高が堅調に推移。一方、旅行代理店サービスでは、当社子会社の株式会社DeNAトラベルにおいて判明した2017年3月期以前における一部取引に係る原価計上漏れ等の修正を当連結会計年度において行ない、オークションサービスでは利用が減少した。
また、2016年12月に「DeNAショッピング」「auショッピングモール」の名称で運営してきた事業を譲渡した。
上記の結果、売上収益は160億5000万円（前連結会計年度比16.3％減）、セグメント利益は4億8400万円（同77.3％減）となった。
スポーツ事業
株式会社横浜DeNAベイスターズは、主催試合の入場者数増加や日本シリーズ進出等により、好調に推移した。
上記の結果、売上収益168億8500万円（前連結会計年度比22.7％増）、セグメント利益18億2200万円（同66.2％増）となった。
新規事業・その他
当区分には、IP創出プラットフォーム事業、ヘルスケア事業、オートモーティブ事業、ネットサービスインキュベーション事業等、中長期での事業ポートフォリオの強化を目指した各種取り組みと、メディア事業を含んでいる。
当区分の売上収益は、メディア事業での減収により前連結会計年度比で減収。同事業の費用や組織体制の適正化に努めた。
上記の結果、売上収益は94億1600万円（前連結会計年度比9.8％減）、セグメント損失は54億8500万円（前連結会計年度は49億9400万円の損失）となった。
2019年3月期通期の業績予想は、売上収益1500億円（当連結会計年度比7.6％増）、営業利益
155億円（同43.6％減）、親会社の所有者に帰属する当期利益は110億円（同52.1％減）を見込んでいると発表した。
