『ファンタジードライブ』は、3Dグラフィックで展開される爽快なバトルをウリとしたRPGだ。通常のストーリーはもちろん、ほかのプレイヤーとの対戦も熱く、やりこみ度の高さも魅力的である。
◆アクション要素は少なめ、個性豊かなユニットの育成を楽しもう
ストーリーは夢の中で展開される。夢魔のせいで終末に近づきつつあるフェアリーランドを救うため、「ドリーマー」として戦うのがプレイヤーの役割だ。本作は章ごとに分かれており、クエストをひとつひとつこなしながらストーリーを進めていく。
▲ファンタジー世界が実際にあったらこうなるといった感じの、美しい3Dグラフィックに引き込まれる。
クエストを選択してバトルに入ると、画面からはMMORPGのような、ばりばりとアクションをこなすゲームの雰囲気が漂う。しかし実はそういった要素は移動くらいしかない。ほかには「奥義」の発動、敵のターゲッティングくらいで、「グラフィックやエフェクトが美しいRPGバトル」というのが適切な表現だろう。
▲左下のオートボタンを押しておけば、フィールド移動から通常攻撃、スキル使用まで自動でこなしてくれる。強敵でなければ戦闘終了まで任せっぱなしで攻略できる。
▲クエスト終了後、たまに乱入する強敵。このクラスになると、さすがにオートで戦うのも辛くなってくる。強力な攻撃の前に発せられるサインに目を配り、回避しながら戦おう。
▲パーティにゆかりのあるユニットを揃えるとステータスが上がる「縁」システムが面白い。たとえば貂蝉(ちょうせん)であれば『三國志演義』で縁のある呂布と同じパーティにセットすることで効果を発揮する。
ユニットの育成が本作の大きな楽しみ。本作ではレベルを上げたり、「ルーン」を集めてユニットをパワーアップさせたりしていく。単純といえば単純なのだが、「キャラクターがどんどん強くなっていく過程こそ楽しい」と考える人は一定数存在するだろう。たとえるなら、『ドラゴンクエスト』で獲得経験値の大きいはぐれメタルを延々と狩り続ける、あの感覚が理解できるかたなら楽しめそうな育成システムだ。
▲ユニットは世界の神々から日本、中国の有名武将などが登場する。私のお気に入りは初期選択ユニットの貂蝉。一定時間、味方のHPを回復し続ける奥義のおかげで戦闘が安定する。何よりかわいい!
▲自慢のパーティを戦わせる対人戦。ランキング制になっており、よい結果を残せば1日単位、週単位で上位に入賞すると報酬が与えられる。
簡易なバトルシステムながら、思わずやりこんでしまう『ファンタジードライブ』。美しいグラフィックと、育成の楽しみがそうさせているのだろう。過去にRPGで適正レベルなど関係なくレベル上げに没頭してしまった経験のあるかたは、ぜひ一度プレイしていただきたい。