海洋堂、造形作品の魅力をテーマとした新ブランド「海洋堂EXCLUSIVE」を発表

海洋堂EXCLUSIVE

海洋堂公式ECサイトと直営アンテナショップ限定で展開する新フィギュアブランド。2019年中にグローバル対応予定。

株式会社海洋堂(以下、海洋堂)は、「造形作品の魅力」をテーマとした新ブランド「海洋堂EXCLUSIVE」を、1月30日~2月3日の期間、ドイツのニュルンベルクで行なわれたイベント「シュピールヴァーレンメッセ」で発表した。

海洋堂EXCLUSIVE

「海洋堂EXCLUSIVE」は、海洋堂造形作家陣の「とにかくこれを作りたい!」という強い想いから生まれ、80年台初頭から続いている“ガレージキット スピリッツ(つねに圧倒的であろうとする造形精神)”を原点とする新ブラント。

「ライセンスタイトル本位」ではなく、元ネタを誰も知らないようなマニアックなキャラクターや造形作家による創作デザインキャラクターなど、「造形作品の魅力本位」で製品化するというもの。

ガラモン

ART MASTER 3D ディケイド ガラモン(大山 竜)

本ブランドは、問屋経由のマスマーケットではなく、海洋堂の公式ECサイト「海洋堂オンラインストア」と直営アンテナショップ「ホビーロビー東京(以下、HLT)」だけで販売する予定。

販売に関しては、通常商品とは異なり、受注期間を長めに設けると同時に、「実物をじっくりと眺めてから購入を決めたい」という人のため、HLT内に設置する「海洋堂EXCLUSIVEコーナー」に製品のサンプルを展示する予定だ。

ウルトラマンティガ

ART MASTER 3D ウルトラマンティガ(木下隆志)

また、「海洋堂EXCLUSIVE」専用サイトを2月10日(日)に開設。サイトでは、原型製作から造形作家の個性や特徴などを掘り下げた内容を掲載予定。もちろん、サイト経由で商品の予約や新製品の発表、発売前商品の追加情報なども確認できる。

専用サイトは、2019年中にアメリカやEU圏、中国でのグローバル対応を目指しており、海外ではディストリビューターを介して購入ができるほか、各国のニーズにあわせたオリジナル商品も展開する予定だ。

本件に関して、海洋堂代表取締役社長の宮脇修一氏が以下のコメントを寄せた。

株式会社海洋堂 代表取締役社長 宮脇修一氏
「海洋堂は、今年で創業55年目となります。

創業者である海洋堂館長(宮脇 修)は創業時の1964年からのスローガンとして、「創る楽しみをすべての人に」という言葉を掲げてきました。

海洋堂の仕事は、「ものを作る楽しさすばらしさ、そしてそこから産み出されるすばらしい作品を多くの方に見てもらい、造形と言う物作りのスタイルを広めていきたい」……というのが、いまも変わらないテーマです。

その造形活動のひとつとして1980年代初頭からはじまった「自分たちがほしいものは自分たちの手で生み出そう」というガレージキット スピリッツという考えで、怪獣やアニメキャラクター、特撮ヒーロー、恐竜、動物と、ありとあらゆるものを立体物にしていくという、それまでプラスチックモデルの世界にはなかった作家性のある模型、原型製作者の名前の入った製品というジャンルの確立を行いました。

そして1999年の『チョコエッグ』からはじまる“お菓子のおまけ=食玩”大革命により。それまで数百数千単位でしか作られることがなかった海洋堂のすばらしい造形作品が中国で安くて大量に作られると言うシステムになったことにより、世の中に何億個という単位の立体物を展開することができたのです。海洋堂が当初より掲げてきた目的は、ある意味ここで果たすことができました。

……が。そのお菓子のおまけバブル=食玩バブルも終って早10数年……いまは思考を食玩バブル以前に戻し、海洋堂の本来の姿である「造形作家のすばらしい作品をできるだけそのままに提供する」という目的を、ガレージキット(レジンキャストキット)とは別の製造方法を突き詰め世に送り出すことを考えました。

「そんな神々しい志だけで商売が成り立つわけないだろう?」

そうした疑問には「ごもっとも」としかご返答できません。このニューブランドを立ち上げることで、企業としての海洋堂を支えるほどの利益が出ない旨は百も承知の上です。

ただし、本当にすばらしい造形物だけが持つ真実を多くの人たちに伝えるためには、それらをどんな手段を駆使してでも商品化し、露出を高めないといけない──。

これが、我々海洋堂が拙くも長い時間をかけ導き出した単純明快な解答でした。」

関連サイト

株式会社海洋堂公式サイト

海洋堂EXCLUSIVE