デジタルハーツHD、主力事業の好調に加え、第2の柱となるエンタープライズ事業も急成長 2019年3月期決算

デジタルハーツアイコン

エンタープライズ事業の人材への投資で減益も、各事業とサービスが確実に成長。今後はアジア進出に注力。

株式会社デジタルハーツホールディングスは、2019年3月期決算(連結)を5月13日に発表した。当期連結経営成績については、売上高は192億5461万円(前期比11.0%増)、営業利益は16億555万8000円(前期比7.5%減)、経常利益は16億5128万1000円(前期比7.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は15億7557万6000円(前期比31.3%増)となった。

デジタルハーツ

経営成績に関する説明

デジタルハーツホールディングスは「アジアNo.1の総合テスト・ソリューションカンパニー」となることを目指し、主力事業であるエンターテインメント事業のさらなる成長の追求及び成長ドライバーであるエンタープライズ事業の拡大に注力してきた。

当連結会計年度においては、事業基盤固めの年として、エンターテインメント事業主力のデバッグサービスを中心に、オペレーション体制の見直しや、収益機会最大化に向けたゲームメーカー向けのサービス提供体制の強化等をはかることで、競争優位性のさらなる向上に努めた。

第二の収益の柱にすべく注力しているエンタープライズ事業においては、システムテストサービスを中心に、専門人材の強化やアライアンス等も活用した新サービスの拡充をはかることで、強固な事業基盤の構築に努めた。

その結果、エンターテインメント事業、エンタープライズ事業ともに、前期比で増収を達成し、売上高は192億5461万円(前期比11.0%増)となった。一方、利益については、主にエンタープライズ事業において専門人材の確保・育成をはじめとする積極的な先行投資を行った影響等により、営業利益は16億555万8000円(前期比7.5%減)、経常利益は16億5128万1000円(前期比7.4%減)となった。親会社株主に帰属する当期純利益は、保有株式の売却に伴う特別利益を計上したことにより、15億7557万6000円(前期比31.3%増)となった。

セグメント別の経営成績は、以下のとおり。

① エンターテインメント事業
当セグメントでは、主に、コンソールゲーム、モバイルゲーム、アミューズメント機器のデバッグ、ゲームの受託開発、プロモーション活動支援等のサービスを提供している。

・デバッグ
デバッグサービスでは、主に、コンソールゲーム、モバイルゲーム、アミューズメント機器を対象に、ソフトウェアの不具合をユーザー目線で検出し顧客企業に報告するサービスや翻訳・ローカライズサービス等を提供している。

当連結会計年度は、規制強化の影響によりアミューズメント機器向けのサービスが大幅に減少した一方、モバイルゲーム向けのサービスでは増加するデバッグ需要を確実に獲得し、大幅な増収を達成した。

また、近年増加するグローバルサービスの需要への対応を目的に、ゲームの翻訳やローカライズに対応できる人材を強化するとともに、中国子会社の強化や、韓国においてデバッグ及び翻訳・ローカライズサービスを提供するOrgosoft Co., Ltd.を子会社化するなど、海外事業の基盤強化をはかってきた。

その結果、当連結会計年度のデバッグサービスの売上高は131億385万5000円(前期比0.6%減)となった。

・クリエイティブ
クリエイティブサービスでは、ゲーム開発や2D/3Dグラフィック制作等、コンテンツ制作におけるクリエイティブ領域全般にわたる制作サポートサービスを提供している。

当連結会計年度は、技術力の高い人材の確保・育成に注力し、サービス品質の向上に努めた結果、継続的なゲーム開発案件に加え、新規案件の獲得が順調に進んだ。

その結果、当連結会計年度のクリエイティブサービスの売上高は18億9109万1000円(前期比8.4%増)となった。

・メディア及びその他
メディア及びその他のサービスでは、日本最大級の総合ゲーム情報サイト「4Gamer.net」等の運営やカスタマーサポートサービス等を提供している。

当連結会計年度は、主に「4Gamer.net」において、独自取材による付加価値の高い情報のスピーディな配信に努め、メディアとしての価値の向上をはかってきた。また、前期より新たに開始したカスタマーサポートサービスでは、順調に案件を獲得し、好調に推移した。

その結果、当連結会計年度のメディア及びその他サービスの売上高は9億5683万8000円(前期比49.8%増)となった。

以上の結果、当連結会計年度のエンターテインメント事業の売上高は、159億5178万5000円(前期比2.5%増)、セグメント利益は、30億8639万7000円(前期比4.0%増)と前期比で増収増益を達成した。

デジタルハーツ2

エンタープライズ事業
当セグメントでは、主に、エンタープライズシステムを対象とするシステムテスト及び受託開発サービスや、ヘルプデスクをはじめとするITサポート、セキュリティ等のサービスを提供している。

・システムテスト
システムテストサービスでは、主に、エンタープライズシステムの不具合を検出するサービスを提供している。

当連結会計年度は、積極的な営業活動を展開し、新規顧客の開拓及び既存顧客との取引拡大に努めるとともに、案件進捗管理やマーケティング等を行うバックオフィス機能を強化し、強固なオペレーション体制の構築に努めた。また、新規案件の獲得に必要不可欠である、テストの要件定義や設計が出来る「テストエンジニア」の確保を目的に、業界スペシャリストの採用強化や、医療系システムのテストに強い株式会社エイネットの子会社化等をはかった。さらに、他社とのアライアンスを活用した教育プログラムの充実化や、日本におけるソフトウェアテスト技術者資格である「Japan Software Testing Qualifications Board(略称:JSTQB)」取得に向けた社内プログラムを新設するなど、当社グループに在籍する約8000名の登録テスターの中からテストエンジニアを育成するための社内体制の整備を推進した。

その結果、当連結会計年度のシステムテストサービスの売上高は13億9534万2000円(前期比28.7%増)と大幅な増収を達成した。

・ITサービス・セキュリティ
ITサービス・セキュリティサービスでは、システムの受託開発やITサポート、セキュリティ等のサービスを提供している。

当連結会計年度は、事業譲受等による人材獲得を積極的に行ない、社内システムの構築から保守・運用まで総合的にサポートできる体制の強化をはかった。さらに、システムテストと親和性の高いセキュリティ事業に本格参入し、最先端技術を活用したセキュリティ検査・監視サービスの提供を開始するとともに、専門人材による当社独自のセキュリティ監視チームを立ち上げるなど、今後の事業拡大に向けた取り組みを推進した。

その結果、当連結会計年度のITサービス・セキュリティサービスの売上高は19億757万9000円(前期比136.0%増)と好調に推移した。

以上の結果、当連結会計年度のエンタープライズ事業の売上高は、33億292万2000円(前期比74.5%増)と、前期比1.5倍以上の大幅な増収を達成。セグメント利益は、専門人材をはじめとする積極的な投資を実施したことにより、2億2649万8000円の損失となった。

デジタルハーツ3

関連リンク

株式会社デジタルハーツホールディングス
株式会社デジタルハーツホールディングス IRライブラリ

デジタルハーツアイコン