映像製作・販売事業の増収も、前年同期に好調だった版権事業の反動減や、商品販売事業の店舗営業自粛で減収減益。
東映アニメーション株式会社(以下、東映アニメーション)は、2021年3月期第1四半期決算短信(連結)を7月30日(木)に発表した。当第1四半期連結累計期間における売上高は126億7600万円(前年同期比9.0%減)、営業利益は39億8600万円(同11.0%減)、経常利益は41億6300万円(同11.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は31億9200万円(同5.5%減)だった。
経営成績に関する説明
当第1四半期連結累計期間の東映アニメーショングループでは、「ドラゴンボール」や「ワンピース」「プリキュア」シリーズといった主力作品群からの収益の安定的な確保と拡大をはかるとともに、海外事業に引き続き注力した。
また、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指すため、映像製作や販売事業にも積極的に取り組んだ。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の拡大による劇場作品の公開延期、テレビアニメの新作話放送休止、商品販売店舗の営業自粛などが、売上に大きく影響を及ぼした。
一方で、テレビアニメ作品の納品本数が減少したことから、売上原価が低下した。
セグメント毎の業績は以下。
映像製作・販売事業
劇場アニメ部門では、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響で「映画プリキュアミラクルリープ」と「東映まんがまつり」が公開延期となり、期初計画比では減収となったが、当期中に公開予定の「美少女戦士セーラームーンEternal」など、一部作品の製作収入を計上したことから、前年同期比では大幅な売上増加となった。
テレビアニメ部門では、「ワンピース」「ヒーリングっど プリキュア」「デジモンアドベンチャー:」「おしりたんてい」の4作品を放映した。新型コロナウイルス感染症により、新作話の納品本数が減少したことから、大幅な減収となった。
コンテンツ部門では、劇場版「ONE PIECE STAMPEDE」のブルーレイ及びDVDが好調に稼働したことから、大幅な増収になったとのこと。
海外映像部門では、中国向け大口映像配信権の売上計上が第2四半期へ後倒しとなったものの、サウジアラビア向け劇場作品の納品に加え、「ドラゴンボール超 ブロリー」の劇場上映権販売が北米で好調に稼働したことから、大幅な増収となった。
その他部門では、アプリゲーム『聖闘士星矢 ギャラクシースピリッツ』のサービス終了により、売上が大きく減少した。
上記の結果、映像製作・販売事業の売上高は51億3300万円(前年同期比16.5%増)、セグメント利益は15億900万円(同17.5%増)となった。
版権事業
国内版権部門では、「ドラゴンボール」シリーズのゲーム化権販売が、好調だった前年同期の勢いに届かなかったこと、前年同期好調に稼働した劇場版「ONE PIECE STAMPEDE」の劇場公開に向けたタイアップ・キャンペーン向け許諾の反動減などにより、大幅な減収となった。
海外版権部門では、「スラムダンク」の中国向けアプリゲームや家庭用ゲーム『ドラゴンボールZ KAKAROT』に加え、アプリゲーム『ドラゴンボール レジェンズ』が好調に稼働したが、前年同期に好調であったアプリゲームの更新契約や新規許諾の反動から、若干の減収となった。
上記の結果、版権事業の売上高は70億円(前年同期比14.7%減)、セグメント利益は33億9000万円(同12.7%減)だった。
商品販売事業
商品販売部門では、前年同期好調に稼働した、劇場版「ONE PIECE STAMPEDE」の劇場公開に向けたタイアップ・キャンペーン向けノベルティグッズなどの販売による反動に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大防止によるショップの営業を自粛したことから、大幅な減収となった。
上記の結果、売上高は4億1200万円(前年同期比63.9%減)、セグメント損失は7500万円(前年同期はセグメント利益2200万円)となった。
その他事業
その他部門では、催事イベントやキャラクターショー等を展開した。
当四半期は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止によるイベント及び催事の延期や中止などの影響を受けて、大幅な減収となった。
上記の結果、売上高は1億4300万円(前年同期比35.6%減)、セグメント損失は3400万円(前年同期はセグメント利益900万円)だった。
関連サイト
東映アニメーション株式会社公式サイト
2021年3月期第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
2021年3月期第1四半期決算資料