巣ごもり需要やeコマース購買の高まりがあったが、一部商品の販売や関連映画の公開の延期、イベントの中止・延期などで商品の出荷が減少。
株式会社タカラトミーは、2021年3月期第1四半期決算短信(連結)を8月13日(水)に発表した。当第1四半期の売上高は268億900万円(前年同期比24.0%減)、営業損失は5億8300万円(前年同期は営業利益5億5500万円)、経常損失は6億5600万円(前年同期は経常利益2億4300万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は11億7400万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益2億6500万円)だった。
経営成績に関する説明
当第1四半期は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、生産面では中国やベトナム、タイでの操業は通常通りだったが、商品によっては一部発売が延期になるなど販売機会の損失が発生した。
需要面では、一部商品の巣ごもり需要やeコマース購買の高まりがあったが、「外出自粛」や「店舗の臨時休業・営業時間の短縮」、海外におけるロックダウンに加え、「映画公開等の延期」「各種イベントの中止・ 延期及び縮小」により、商品の出荷が減少した。
日本
新型コロナウイルス感染症の拡大により、一部商品の巣ごもり需要やeコマース購買の高まりがあったが、「外出自粛」 「店舗の臨時休業、営業時間の短縮」に加え、「映画公開等の延期」「各種イベントの中止・延期及び縮小」「インバウンド消費の減少」などの要因で、商品出荷が減少するなど、総じて厳しい状況となった。
「トミカ」においては、4月よりテレビアニメ放送がスタートした「トミカ絆合体 アースグランナー」関連商品を市場投入するとともに、「トミカ50周年自動車メーカーコラボプロジェクト」や、バス会社及び菓子メーカーとのコラボレーションなど、50周年の各種マーケティング施策を進めた。
「ベイブレードバースト」については国内販売が減少傾向にあるが、北米を中心とした海外向け輸出はテレビアニメ放送の継続などにより伸長した。
トレーディングカードゲームにおいては、競争環境が激しさを増すなか、商品構成を見直したことにより「デュエル・マスターズ」が評価を得るとともに、ハイターゲット向けの「WIXOSS(ウィクロス)」が話題のバーチャルライバーグループとのコラボ商品を展開したこともあり、好調に推移した。
また、外出自粛により家の中で楽しめる商品に注目が集まり、「人生ゲーム」や「黒ひげ危機一発」など、ファミリーゲームが多くのメディアにも取り上げられるなど好評だった。
テレビアニメ『パウ・パトロール』の関連商品も、引き続き好調に推移した。
2019年12月にリリースした、スマートフォン向けカードゲームアプリ『DUEL MASTERS PLAY’S(デュエル・マスターズ プレイス)』は、ダウンロード数500万をこえ、2月、4月、6月には新カードパックを配信した。
上記の結果、売上高は230億5600万円(前年同期比24.3%減)、営業利益は2億1100万円(同85.0%減)となった。
アメリカズ
新型コロナウイルス感染症の拡大によるロックダウンが実施されたことから、巣ごもり需要eコマース購買が高まった。
また、家で過ごす時間が長くなったことにより、生活必需品に準じたベビー向け食器やトイレトレーニングに使用するおまるの需要が高まるなど、ベビー用品が好調に推移した。
さらに、ロックダウンにより自宅の庭で遊べる乗用玩具が人気を集めたとのこと。
上記の結果、売上高は31億8800万円(前年同期比4.7%増)、営業損失は8300万円(前年同期は営業損失8000万円)だった。
欧州
新型コロナウイルス感染症の拡大によるロックダウンにより、一時、店舗閉鎖などの影響があったが、巣ごもり需要eコマース購買の高まりがみられた。コロナ禍により家族で遊べるファミリーゲームに注目が集まり、ロングセラーパーティーゲーム「Pop Up Pirates(日 本商品名:黒ひげ危機一発)」、ボードゲームやアクションゲーム「Drumond Park」が好評だった。また、プリスクール関連商品も好調に推移した。
利益については、広告宣伝費などのコストコントロールにより、販売費及び一般管理費が減少した。
上記の結果、売上高は7億5900万円(前年同期比7.8%増)、営業損失は7700万円(前年同期は営業損失2億3500万円)だった。
オセアニア
新型コロナウイルス感染症の拡大によるロックダウンの外出制限により、巣ごもり需要の高まりがあった。家庭で楽しむファミリーゲームが人気となり、ロングセラーパーティーゲーム「Pop Up Pirates」などのゲーム関連商品が伸長するとともに、農耕車両玩具の販売も好調に推移した。
上記の結果、売上高は3億5200万円(前年同期比18.5%増)、営業利益は1100万円(前年同期は営業損失5200万円)だった。
アジア
新型コロナウイルス感染症の拡大があったが、生産面では4月以降、中国やベトナム、タイにおいて通常通り操業している。
需要面では、各国においてロックダウンが実施されたことにより、店頭の購買動向に大きな影響があった。「プラレール」の拡販を進めたが、各国のロックダウンにより商品の出荷が滞るとともに、イベントや店頭プロモーションの中止などによりマーケティング施策に影響が発生したことで、販売が減少した。
また、ボーイズ関連商品の販売が減少したことや、前期展開した映画関連商品の販売が一巡した影響もあったとのこと。
上記の結果、売上高は102億8300万円(前年同期比21.9%減)、営業利益は1億5500万円(同47.3%減)となった。