メディア工房、ゲーム事業から事実上撤退 営業損失900万円 2020年8月期決算

メディア工房

新型コロナウイルス感染症による売上減少から徐々に回復。ゲーム事業に関してはゲーム『コスプリ!!』の売上不振などから減損処理を実施。

株式会社メディア工房(以下、メディア工房)は、2020年8月期決算短信〔日本基準〕(連結)を10月9日(金)に発表した。当期の経営成績は、売上高17億9800万円(前年同期比7.5%減)、営業損失900万円(前年同期は営業利益3600万円)、経常損失1800万円(前年同期は経常利益4000万円)、親会社株主に帰属する当期純損失1億4900万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益2200万円)だった。

メディア工房 決算

経営成績に関する説明

メディア工房グループでは、収益を確保し事業を拡大するため、各事業を改めて精査し、選択と集中による経営資源の効率化に注力してきた。

売上については、新型コロナウイルス感染症の流行拡大による影響で、ユーザーの消費行動が消極的となり、一時的に落ち込む様子があったが、徐々に回復し、前年同期比10%未満の減少に収まった。

一方の利益面は、インバウンド事業が落ち込むなか、上海子会社を清算し中華圏の事業拠点を香港に集約したほか、売上不振となっていた子会社のゲーム『コスプリ!!』にかかる無形固定資産5200万円と、ゲームの運営会社である子会社の株式会社ルイスファクトリー(2020年7月27日付臨時株主総会において商号を株式会社ミックスベースに変更 以下、ルイスファクトリー)ののれん1600万円の減損処理を行ない、ゲーム事業から事実上撤退した結果、前年同期比で大幅に減少した。

セグメント毎の業績は以下の通り。

占いコンテンツ事業
占いコンテンツサービスでは、レコメンド機能の強化や共通ポイントの導入などの施策を投入したほか、日々の分析と運用の徹底により一定の利益を確保したが、売上収益ともに前年同期比で減少した。

One to Oneサービスに関しては、売上収益ともに前年同期比で10%以上の増加になったことから、占いコンテンツ事業を下支えする結果になった。

上記の結果、の売上高は15億9800万円(前年同期比3.0%減)、営業利益は4億9500万円(同7.0%減)となった。

ゲームコンテンツ事業
子会社の株式会社ブルークエストとルイスファクトリーの2社で、ゲーム配信と運営を行なっている。ブルークエストに関しては、収益性の観点から事業規模を縮小しており、収益のほとんどがルイスファクトリーによるもの。

当期においては、セカンダリー事業の収益性低下に伴い、新規タイトル『コスプリ!』の制作と配信に注力してきたが、『コスプリ!』に関してはリリース直後から売上不調となり、改修による収益改善を試みたものの、目標数値への到達は難しいと判断せざるを得なかった。

それに加えて、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う国内実体経済への影響もあり、グループ事業の投資分野の選択と集中のため、かかる無形固定資産5200万円について減損処理を行なった。

上記の結果、売上高は5700万円(前年同期比73.0%減)、営業損失は1700万円(前年同期は営業利益600万円)となった。

メディア事業
当期においては、既存メディアの運用強化による広告収入増加のほか、SEOへの依拠からの脱却を目指して、自社Webサイト内における課金コンテンツの充実をはかってきた。これにより、営業利益の黒字化には至らなかったが、前年同期比で売上が増加した。

上記の結果、売上高は1億4200万円(前年同期比88.6%増)、営業損失は2900万円(前年同期は営業損失2600万円)となった。

XR事業
セグメント資産の額が全ての事業セグメントの資産の合計額の10%以上になったことから、当期からその他事業から報告セグメントになった。

当期においては、リアルタイム実写立体動画撮影技術を活用したサービスの企画や協業に向けた協議、2021年8月期に向けた様々なシステム機能を搭載したサービスプラットフォームを開発してきた。

しかしながら、新型コロナウイルス感染症の流行により、撮影が困難な状態が続いたことから、当期は収益かに至らなかったとのこと。

上記の結果、売上高は0百万円(前年同期は売上高0百万円)、営業損失は3800万円(前年同期は営業損失2300万円)となった。

その他
中国を推進基盤とする医療ツーリズム事業及び越境eコマース事業においては、渡航制限をはじめとする各国の新型コロナウイルス感染拡大防止策により、現地法人の事業活動全般と集客に影響が発生した。

これに対して、事業内容を精査し、中華圏における現地法人の集約や人員の再配置により固定費の削減を行なうことで、事業の継続と推進につとめてきたが、事業環境の悪化による業績への影響を緩和するにとどまった。

以上の結果、売上高は400万円(前年同期比64.8%減)、営業損失は4100万円(前年同期は営業損失8200万円)となった。

関連サイト

株式会社メディア工房公式サイト
2020年8月期決算短信〔日本基準〕(連結)

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