メディアドゥ、電子書籍の需要増加で増収増益 営業利益15億円 2021年2月期第2四半期決算

メディアドゥ

巣ごもり消費や電子書籍市場の拡大により電子書籍流通事業の収益が大きく増加。グループの収益拡大や成長促進に向けた積極的な投資も実施。

株式会社メディアドゥは、2021年2月期第2四半期決算短信(連結)を10月13日(火)に発表した。当第2四半期連結累計期間の売上高は417億3400万円(前年同期比30.9%増)、営業利益は15億2900万円(同64.8%増)、経常利益は15億8300万円(同85.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は9億1000万円(同88.0%増)となった。

メディアドゥ 決算

経営成績に関する説明

当第2四半期連結累計期間の経営成績は、主力事業領域である電子書籍流通事業において、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、在宅勤務や外出自粛に伴う可処分時間の増加で、「巣ごもり消費」としての娯楽需要の増加傾向が継続している。それに加えて、紙本から電子書籍への移行がより一層進展したことなどから、電子書籍市場の拡大は想定を上回って推移し、売上と利益がともに増加したとのこと。

セグメント毎の業績は以下。

電子書籍流通事業
電子書籍市場の拡大を支援する「Legacyを作る」と、ブロックチェーン技術を用いた新市場創出を目的とする「Legacyを創りに行く」のふたつを、事業方針として掲げている。

「Legacyを作る」においては、引き続き「LINEマンガ」「Amazon Kindle」などの電子書店へのディストリビューションや電子書籍配信ソリューションを提供した。2020年8月末時点で、取引先としての出版社は2200社以上、電子書店は150店以上、取扱稼働コンテンツ数は200万点以上、出版社や電子書店とのキャンペーンは1万件以上展開し、当社グループは国内最大の電子書籍取次事業者として出版業界の発展に貢献している。

また、With/Afterコロナ社会を見据えて、在宅勤務等による事業継続を実現させながら電子書籍流通を支えるインフラとしての役割を務めることで、巣ごもり消費による電子書籍市場拡大に貢献した。

今後も引き続き、業務効率化に向けた、新電子書籍取次システムへの移管と統合を進めるとともに、東京で担っているオペレーション業務についても、株式会社メディアドゥテック徳島への移管を推進したとのこと。

上記に加えて、拡大する電子書籍市場に寄与するとともに、中小出版社のDX推進に貢献するべく「電子書籍の売上/印税」および「紙の印税」を統合的に管理するSaaS型サービスを株式会社光和コンピューターと共同で開発中だ。

さらに、電子書籍流通における一層のシェア拡大を目指し、新電子書籍取次システムの追加機能開発や自社書店「コミなび」の広告投資を進めるだけでなく、アマゾン傘下のAudibleへのオーディオブックの提供に向けて、出版社の音源制作の支援業務もスタートしたそうだ。

「Legacyを創りに行く」においては、電子書籍市場のさらなる拡大を促すために、電子と紙の本それぞれの利点を生かした「安心・便利」を感じられる仕組みを提供するため、ブロックチェーン技術を用いた新流通プラットフォームの実現に向けて研究開発を行なった。当期中のサービスリリースを目指し、5つのプロダクトの開発が進行している。

上記の結果、売上高は412億600万円(前年同期比32.0%増)、セグメント利益は14億4200万円(同61.0%増)となった。

その他事業
収益拡大や成長促進に向けた積極的な投資を行なった。

ビジネス書の要約配信サービス「フライヤー」は、新たなテレビCMなどのプロモーションを継続実施し、会員数が順調に増加している。

そのほか、世界最大級のアニメ・マンガのコミュニティサイトである「MyAnimeList」において、日本のコンテンツIPホルダーとの連携強化などの取り組みを進めてきた。

インプリント事業では新型コロナウイルスによる紙本流通の停滞を受けて、電子書籍を軸とした制作プロセスに変更したとのこと。

いずれの事業も新型コロナウイルス感染症によるトレンド変化を捉えた事業展開を進めているとした。

上記の結果、売上高は5億2800万円(前年同期比21.5%減)、セグメント損失は9700万円(前年同期はセグメント損失1億7700万円)となった。

関連サイト

株式会社メディアドゥ公式サイト
2021年2月期第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

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