緊急事態宣言解除後はクリエイティブ業界で人材獲得ニーズの回復がみえたが、当四半期は新型コロナウイルスの影響で減収減益。
株式会社シリコンスタジオ(以下、シリコンスタジオ)は、2020年11月期第3四半期決算短信(連結)を10月14日(火)に発表した。当第3四半期連結累計期間における業績は、売上高30億6200万円(前年同期比11.3%減)、営業利益900万円(同84.1%減)、経常利益1400万円(同77.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純損失7700万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益7200万円)だった。
経営成績に関する説明
当第3四半期連結累計期間に関しては、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を受けて、従業員とその家族の健康に配慮するため、時差出勤やテレワークを導入し事態の長期化に備えるとともに、シリコンスタジオが強みとするコンピュータグラフィックス関連ビジネスに多角的に取り組んできた。
開発推進・支援事業においては、大域照明とも呼ばれるグローバルイルミネーションをリアルタイムに処理するミドルウェア「Enlighten」のバージョン3.11を2020年9月にリリースし、今後需要が見込まれる次世代ゲームプラットフォームに対応した。
人材事業では、クライアント企業において従来より採用を厳選する動きがあるものの、緊急事態宣言の解除後は、クリエイティブ業界の人材獲得ニーズが回復傾向にある。
また、前年度より継続中の他社と協業しているコンテンツタイトルについては、若干の利益が発生しており、「その他」のセグメントに計上している。
なお、シリコンスタジオは「with コロナ」時代に対応するため、2020年6月より在宅勤務制度を本格的に導入した。それに伴い、事務所レイアウトの再配置を実施し、賃借している事務所の一部を2020年10月に解約することとし、解約の決定に伴い、減損損失3300万円を特別損失に計上した。それに加え、当期の業績進捗を踏まえて、繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、繰延税金資産を5600万円取崩し、同額を法人税等調整額に計上した。
セグメント毎の業績は以下。
開発推進・支援事業
当第3四半期連結累計期間におけるミドルウェアライセンス販売の売上高は、新型コロナウイルス感染症などの影響で、利用者からの評価に時間を要していることから減少した。
受託開発においては、見本市への出展取り止め等の影響により、非エンターテインメント領域の受注に苦戦していることから、売上高は減少した。
ネットワーク構築・運用等のサービスを提供するソリューション売上は、運用タイトル数の減少等により減収となった。
利益面においては、上記の減収に加えて、子会社において手戻りの発生などで、減益となった。
上記の結果、売上高は16億2500万円(前年同期比18.2%減)、セグメント利益は3700万円(同74.3%減)となった。
人材事業
当第3四半期連結累計期間における派遣先で稼働した一般派遣労働者数は、延べ2120人、有料職業紹介の成約実績数は235人となった。
上記の結果、売上高は13億6800万円(前年同期比0.2%増)、セグメント利益は3億100万円(同11.2%増)となった。