コロナ禍で『欅のキセキ/日向のアユミ』の新施策が投入できず収益減。好評の『HiGH&LOW』ではさらに効率的な運営を目指して体制見直し中。
株式会社enish(以下、enish)は、2020年12月期第3四半期決算短信(非連結)を10月30日(金)に発表した。当第3四半期累計期間の業績は、売上高28億2500万円(前年同期比7.8%減)、営業損失7億2400万円(前年同期は営業損失10億5600万円)、経常損失7億6200万円(前年同期は経常損失10億6200万円)、四半期純損失11億万円(前期は四半期純損失10億6900万円)だった。
![enish 決算](https://otakuindustry.biz/wp-content/uploads/2020/10/82a2eb5e5d7d458b760a0130e311ea94-500x85.png)
![enish サマリー](https://otakuindustry.biz/wp-content/uploads/2020/10/2988b4cb8610f123e899c82cc053ed7f-500x344.png)
![enish 売上推移](https://otakuindustry.biz/wp-content/uploads/2020/10/f1a94fad984278aa61563b615a1f2dbe-500x343.png)
経営成績に関する説明
オリジナルタイトルのドラマチック共闘オンラインRPG『De:Lithe(ディライズ)~忘却の真王と盟約の天使~』の国内版において、人気アニメとのコラボレーションや大規模ギルドバトルなどを開催し、ゲーム内の活性化をはかった。海外版(繁体字版、韓国版)に関しては、売上不振であることから、撤退手続きを推進している。
![enish Lithe](https://otakuindustry.biz/wp-content/uploads/2020/10/68b839782ba525ec88645327ad443a6d-500x345.png)
欅坂46・日向坂46公式ゲームアプリ『欅のキセキ/日向のアユミ』に関しては、コロナ禍により素材撮影が行えない影響もあり、新施策が投入できなかったことから、売上収益の貢献は限定的なものになった。
「HiGH&LOW」シリーズ初の『HiGH&LOW THE GAME ANOTHER WORLD』については、「HiGH&LOW THE WORST」コラボ施策が好評だったことから売上高を維持し、効率的な運営体制の見直しを推進している。
![enish ハイロー](https://otakuindustry.biz/wp-content/uploads/2020/10/a88f7c0e89e02942ec25562a3b899c9e-500x343.png)
ブラウザタイトルの『ぼくのレストラン2』と『ガルショ☆』は、コラボレーション施策などが好調に推移し、売上収益に貢献した。今後も、よりきめ細やかな対応をはかり、ユーザーの満足度向上につとめていく。
![enish ぼくのレストラン](https://otakuindustry.biz/wp-content/uploads/2020/10/86d2c022d3b40094aaa54d975763a8b0-500x342.png)
また、2020年10月27日に、コミック累計1300万部突破のアニメ「五等分の花嫁」初のゲームアプリ『五等分の花嫁 五つ子ちゃんはパズルを五等分できない。』をリリースした。本作は、原作ストーリーに加え、週刊少年マガジン編集部完全監修の新作ストーリーをフルボイスで体験できるゲームで、リリース初日に100万ダウンロードを突破したことから、今後の収益付与を期待している。
![五等分の花嫁](https://otakuindustry.biz/wp-content/uploads/2020/10/86789ca6b6e65297c08bfb84a1b11bd1-500x343.png)
新規タイトルの開発については、IPタイトルの自社単独開発と中国企業との共同開発に分散することで、開発の長期化や開発費の高騰など各種リスクの低減をはかりながら、開発費が増加しないようにつとめていく。
![enish 新作ゲーム](https://otakuindustry.biz/wp-content/uploads/2020/10/cda52365cdfdee46f7e06c187876d44e-500x345.png)
なお、enishでは、収益構造の最適化の観点でリストラを行なっているが、当第3四半期累計期間において本店移転に伴う特別損失、人員の適正化に伴う特別退職金を計上した。
本社移転に関しては、コロナ禍による在宅勤務実施以降、恒久的在宅勤務に向け試行してきたが、テレワーク(在宅勤務)においても生産性が向上し、場所を問わずチーム体制が有効に機能したことが確認され、運用に支障がないことが証明できた。また、通勤時間の不要、ワーク・ライフ・バランスがはかられ、従業員のニーズもあることから、テレワーク制度の導入を決定した。
これにより、これまで六本木ヒルズ森タワーを本店、ラピロス六本木をサテライトオフィスとして利用してきたが、ラピロス六本木に集約できると判断し、2020年6月25日の取締役会において、六本木ヒルズ森タワーを閉じ、ラピロス六本木を本店とすることを決定した。
このことから当第3四半期累計期間において、六本木ヒルズ森タワーに対する残存賃料及びその他移転に伴う諸費用として本社移転損失、原状回復費用に関する減損損失を計上している。
関連サイト
株式会社enish公式サイト
2020年12月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)
2020年12月期第3四半期決算補足資料