新作映画の公開延期や座席の間引き販売などの影響で映画館運営の映像事業が11億円の営業損失を計上。不動産事業は入居率の維持につとめたことで収益増。
株式会社東急レクリエーション(以下、東急レクリエーション)は、2020年12月期第3四半期決算(連結)を11月11日(水)に発表した。売上高は142億7300万円(前年同期比43.4%減)、営業損失は13億8400万円(前年同期は営業利益16億100万円)、経常損失は14億7900万円(前年同期は経常利益15億2400万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は13億9200万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益9億5400万円)だった。
経営成績に関する説明
当第3四半期連結累計期間の東急レクリエーショングループは、利用者や従業員の安全を第一に考え、政府による緊急事態宣言と自治体の休業要請を受けて、大部分の施設において臨時休業などを行なった。
緊急事態宣言解除後は、政府や自治体、関係団体からのガイドラインにもとづき、適切な感染対策に取り組んできたが、営業上の制約や感染不安による外出自粛などの影響で、映像事業やライフ・デザイン事業の売上が大きく減少した結果になった。
セグメント毎の業績は以下。
映像事業
3月以降、新型コロナウイルス感染症の拡大による外出自粛や新作映画の公開延期といった影響により、映画館の動員が大きく落ち込み、4月の政府による緊急事態宣言と自治体の休業要請などを受けて、全映画館において臨時休業を余儀なくされた。
緊急事態宣言解除後は、換気やアルコール消毒、サーモカメラによる体温確認などといった感染対策を講じるとともに、映画館の安全性を伝える啓蒙活動を行なった。
しかしながら、洋画を中心に新作映画の公開延期が継続していること、感染対策のために座席の間引き販売を行なったことから、大きく減収減益という結果になった。
上記の結果、売上高は66億2400万円(前年同期比59.3%減)、営業損失は11億1400万円(前年同期は営業利益16億7700万円)となった。
ライフ・デザイン事業
コロナ禍による外出自粛の影響を大きく受け、事業環境は厳しい状況で推移した。
ボウリング事業、スポーツコート事業、フィットネス事業、コミュニティカフェ事業では、政府による緊急事態宣言と自治体の休業要請などを受けて、すべての施設で臨時休業を行なった。
緊急事態宣言解除後は、適切な感染対策に取り組んできたが、営業時間の短縮などの営業上の制約や、感染不安による外出自粛の影響により、売上が大きく減少した。
ホテル事業では、感染対策を行ないながら営業してきたが、入国制限措置や都道府県をまたぐ移動自粛により、インバウンドやビジネス、観光等の需要が激減し、非常に厳しい状況が続いた。
上記の結果、売上高は14億4200万円(前年同期比50.2%減)、営業損失は3億1500万円(前年同期は営業利益1億1800万円)だった。
不動産事業
新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を最小限にとどめるため、直営ビルやマスターリースビルの双方において、テナント個々の状況を踏まえて、賃料の支払い猶予などの柔軟な対応により、テナントとの協力関係を保ち、入居率の維持につとめた。
また、2019年取得した「道玄坂TRビル(東京都渋谷区)」と2019年リニューアルオープンした「南町田グランベリーパーク ワンダーシアター棟(東京都町田市)」が収益に貢献した。
上記の結果、売上高は51億100万円(前年同期比2.7%増)、営業利益は11億400万円(同24.6%増)となった。
その他
ビル管理事業におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、主要顧客であるホテルの稼働率
が低下したことから客室整備の受注が減少したものの、昨年受注したビルメンテナンス契約が売上に寄与した。
上記の結果、売上高は11億500万円(前年同期比2.4%増)、営業利益は8800万円(同16.6%増)だった。