巣ごもり消費による電子書籍市場拡大に貢献。ブロックチェーンを用いた新プラットフォームの実現に向けて研究開発を推進。
株式会社メディアドゥ(以下、メディアドゥ)は、2021年2月期第3四半期決算短信(連結)を1月14日(木)に発表した。当第3四半期連結累計期間の売上高は620億700万円(前年同期比29.3%増)、営業利益は21億5100万円(同57.6%増)、経常利益は21億9800万円(同76.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は12億6400万円(同42.4%増)となった。
経営成績に関する説明
電子書籍流通事業
電子書籍市場のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を支援する「Legacyを作る」と、ブロックチェーン技術を用いた新市場創出を目的とする「Legacyを創りに行く」の2つの事業方針として掲げている。
「Legacyを作る」では、「LINEマンガ」「Amazon Kindle」などの電子書店へのディストリビューションや電子書籍配信ソリューションを提供した。2020年11月末時点で、取引先としての出版社は2200社以上、電子書店は150店以上、取扱稼働コンテンツ数は200万点以上、出版社や電子書店とのキャンペーンは1万件以上展開している。
メディアドゥは、With/Afterコロナ社会やSociety5.0といった社会構造変化、新たな潮流を見据えて、電子書籍流通を支えるインフラとしての役割をつとめながら業界のDX推進を支援することで「巣ごもり消費」による電子書籍市場拡大に貢献した。
2020年10月には、デジタルコンテンツ流通におけるバリューチェーンの相互補完をはかり、多様化するユーザーに最適なコンテンツを提供する新プラットフォームのリリースやビジネス開発を推進するため、マンガアプリなどの開発や保守、運営を行なう株式会社Nagisaを子会社化した。
また、今後の業務効率化に向けた新電子書籍取次システムへの移管や統合、中小出版社のDX推進への貢献に向けて紙書籍と電子書籍、双方の出版を支える基盤を構築するため、「電子書籍の売上/印税」および「紙書籍の印税」を統合的に管理するSaaS型サービスの開発も株式会社光和コンピューターと共同で進めている。
「Legacyを創りに行く」においては、電子書籍市場の更なる拡大を促し、電子と紙の本それぞれの利点をいかした「安心・便利」を感じられる仕組みを提供するため、ブロックチェーン技術を用いた新流通プラットフォームの実現に向けて研究開発を行なった。
現在は、電子書籍以外のマーケットへの対応も視野に、パフォーマンス性能向上や5つのプロダクト開発を進行させており、社会実装に向けた動きを加速させている。
上記の結果、売上高は611億6300万円(前年同期比30.4%増)、セグメント利益は20億9000万円(同49.2%増)となった。
その他事業
収益拡大や成長促進に向けた積極的な投資を実施した。
ビジネス書の要約配信サービス「フライヤー」では、テレビCMなどのプロモーションの継続や、法人会員獲得に注力しており、個人も含めた累計会員数は12月末現在で75万人となった。
そのほか、世界最大級のアニメ・マンガのコミュニティサイトである「MyAnimeList」を運営する株式会社MyAnimeListでは、10月にスマートフォンアプリの開発が完了、リリースした。
インプリント事業では、新型コロナウイルス感染症の拡大による紙書籍流通の停滞を受けて、電子書籍を軸とした制作プロセスへの変更を行なっている。
いずれの事業も新型コロナウイルス感染症の影響によるトレンド変化、中長期的な視座での持続的事業成長と価値創出を念頭に事業展開を進めている。
上記の結果、売上高は8億4300万円(前年同期比21.3%減)、セグメント損失は1億8300万円(前年同期はセグメント損失2億3800万円)となった。