アニメ業界におけるDXを推進し、アニメーターの労働環境改善やハイクオリティな作品の素早い提供を目指す。
コミックスマート株式会社(以下、コミックスマート)は、アニメ制作部門を分社化し、デジタルアニメスタジオ Qzil.la株式会社(読み、クジラ 以下、Qzil.la)を設立したことを発表した。
株式会社帝国データバンクの「アニメ制作業界動向調査(2020年)」によると、アニメ制作の市場規模は、2019年に2400億円を超えて過去最高を更新し、アニメ需要と作品に求められるクオリティが年々高まっているという。それに伴って、アニメ業界では、制作スタジオやクリエイターなどのリソース不足により、制作期間が長期化し、納品まで数年待ちというケースが発生したり、ハイクオリティな作品の制作体制の構築が困難になっているという課題があるそうだ。
こうした課題に対して、Qzil.laでは、アナログな部分が残る制作体制の生産性をテクノロジーの力で高めるなど、アニメ業界におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、アニメーターの労働環境の改善をはかりながら、ハイクオリティな作品をスピーディーに提供することを目指していくという。
アニメ制作における生産性向上の取り組みのひとつとしては、株式会社アカツキと、アニメ制作工程管理におけるDX化の研究開発を進めているとのこと。
その第1弾として、制作管理工数削減を目的とした制作管理効率化ツールを開発しているそうだ。
また、株式会社ラディウス・ファイブの技術を活用したキャラクターデザインの生成なども行なっており、AI技術の活用による業務の効率化と表現の可能性の拡大をはかるとのこと。
コミックスマートは、Qzil.laとの連携を通じて、コンテンツプラットフォーマーとしても自社IPのメディア展開を推進し、IPの価値向上を目指すとともに、様々なテクノロジーを活用したDX推進により、マンガとアニメ業界の発展に貢献することを目指していく。