エンターテインメント事業は、コロナ禍で顧客企業の開発スケジュール変更などで苦戦。エンタープライズ事業は第二創業以降初の黒字化を達成。
株式会社デジタルハーツホールディングスは、2021年3月期第3四半期決算短信（連結）を2月9日に発表した。当第3四半期連結累計期間の売上高は163億1387万円（前年同期比4.1％増）、営業利益は11億8316万円（同11.0％増）、経常利益は12億4570万円（同18.0％増）、親会社株主に帰属する四半期純利益は7億9439万円（同21.7％増）となった。
経営成績に関する説明
エンターテインメント事業
デバッグサービスでは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、テスターが在宅でデバッグの一部が行なえる「リモートデバッグ」を開始することで、安定的にサービスを提供してきた。
また、2020年11月に発売された新型ハード「PlayStation5」を対象とした新規タイトルの獲得に向けた受注体制を整備するとともに、増加する翻訳やローカライズの需要を確実に獲得するため、国内外のグループ連携を強化した。
テストセンターであるLab.の統廃合や、経費削減等を通じた収益性の向上にもつとめてきたが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う顧客企業における開発スケジュールの変更やアミューズメント機器の厳しい市場環境の影響を受けて、業績は、売上高96億3343万円（前年同期比9.6％減）となった。
クリエイティブサービスでは、モバイルゲーム市場の環境が変化したことで、引き続き厳しい受注環境が継続するなか、営業力や提案力の向上につとめ、新規の大型案件を獲得した。各プロジェクトの採算管理を徹底することで、大幅な収益改善を実現したという。それにより、業績は、売上高10億5166万円（前年同期比11.8％増）となった。
メディア及びその他サービスでは、日本最大級の総合ゲーム情報サイト「4Gamer.net」などの運営やカスタマーサポートサービスなどを提供している。新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、国内イベント関連の案件受注が減少したが、顧客企業からの「4Gamer.net」への広告掲載は底堅く推移した。また、カスタマーサポートサービスにおいては、順調に案件を獲得したことで、売上高は8億5369万円（前年同期比0.0％減）となった。
上記の結果、エンターテインメント事業の売上高は115億3879万円（前年同期比7.3％減）、セグメント利益は21億5354万円（同9.5％減）となった。
エンタープライズ事業
システムテストサービスでは、第二創業期以降行なってきた先行投資の効果が発現し、行政関連システムや企業の基幹業務システムなど、専門性の高い案件の獲得が進み、取引規模の拡大と収益性の大幅改善を実現した。
また、これらの実績に基づく営業活動を強化するとともに、デジタルハーツグループのエンタープライズシステムのテストサービスに関する認知度向上をはかることで、新規顧客開拓にもつとめてきた。
さらに、新しく採用したChief Technology Officer（CTO）を中心に、グループの技術力向上や人材強化、顧客企業が抱えるソフトウェア開発の課題をエンジニアリングによって解決する体制構築に向けた取り組みを開始した。
前期連結子会社化したLogiGearグループの業績寄与の影響もあったことで、売上高は25億0306万円（前年同期比68.0％増）となった。
ITサービス・セキュリティサービスでは、システムの受託開発や保守、運用、セキュリティサービスすべてにおいて増収を達成した。
特に、セキュリティサービスに関しては、未経験者からセキュリティ人材を育成する独自の教育プログラム「DHサイバーブートキャンプ」の卒業生が100人を突破するなど、セキュリティ監視や脆弱性診断等の受注体制強化が進んだ。
また、クラウドソース・ペネトレーションテストサービスでは、金融機関3社から案件を獲得するなど、着実に実績を積んできた。その結果、売上高は22億7201万円（前年同期比30.7％増）となった。
上記の結果、エンタープライズ事業の売上高は47億7507万円（前年同期比47.9％増）、セグメント利益は3604万円（前年同期はセグメント損失1億6785万円）と、累計期間として第二創業以降初の黒字化を実現した。
関連サイト
株式会社デジタルハーツホールディングス
2021年3月期第3四半期決算短信〔日本基準〕（連結）
2021年3月期第3四半期決算説明資料
