バンダイナムコHD、大人層向けホビーや既存ゲームのデジタル販売が好調営業利益846億円 2021年3月期決算

コロナ禍の影響でリアルエンターテインメント事業は苦戦も、トイホビー事業やネットワークエンターテインメント事業などは好調に推移。

株式会社バンダイナムコホールディングスは、2021年3月期決算短信（連結）を5月11日（火）に発表した。当連結会計年度の経営成績は、売上高7409億300万円（前期比2.3％増）、営業利益846億5400万円（同7.5％増）、経常利益876億1200万円（同9.8％増）、親会社株主に帰属する当期純利益488億9400万円（同15.2％減）だった。

経営成績に関する説明

トイホビー事業
当期の国内については、「機動戦士ガンダム」シリーズのプラモデルやコレクターズフィギュアなど、ハイターゲット層（大人層）向けの商品が、デジタルを活用した販売、マーケティングなどの効果があったことで好調に推移した。それに加え、「仮面ライダー」シリーズなど、定番IP商品や新規IPを活用した玩具、菓子などの玩具周辺商材も人気だった。

海外においては、小売店の休業による影響などを受けたが、アジア地域を中心にハイターゲット層に向けた商品などが安定的に推移した。

上記の結果、売上高は2960億1600万円（前期比16.7％増）、セグメント利益は382億2000万円（同43.0％増）だった。

ネットワークエンターテインメント事業
ネットワークコンテンツにおいて、ワールドワイド展開している「DRAGON BALL」や「ワンピース」、国内の「アイドルマスター」シリーズなど、主力タイトルがユーザーに向けた継続的な施策により好調に推移した。

家庭用ゲームでは、『リトルナイトメア2』などの新作タイトルに加え、「DRAGON BALL」や「DARK SOULS（ダークソウル）」シリーズ、『TEKKEN（鉄拳）7』など、既存タイトルのリピート販売が、ユーザーに向けた継続的な施策やデジタル販売需要の高まりから、海外を中心に人気だった。

上記の結果、売上高は3441億5000万円（前期比4.9％増）、セグメント利益は573億5600万円（同30.7％増）となった。

リアルエンターテインメント事業
当期は、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、国内外のアミューズメント施設などを休業したことで、施設運営や業務用ゲーム機販売がともに大きな影響を受けた。

一方で、環境の変化により、オンラインを活用したクレーンゲームの対応や、グループの商品、サービスの活用を強化するなど、バンダイナムコならではの取組みを推進した。

国や地方自治体からの要請を受けて臨時休業した施設などの休業期間中の固定費を、「新型コロナウイルス感染症に伴う店舗臨時休業等による損失」として計上したことに加え、事業の構造改革に伴う費用として117億円を減損損失などで、特別損失に計上したとのこと。

上記の結果、売上高は639億2300万円（前期比30.3％減）、セグメント損失は83億7900万円（前期はセグメント損失15億200万円）だった。

映像音楽プロデュース事業
「ラブライブ！」や「アイドルマスター」シリーズなどのIPの映像、音楽パッケージソフトの販売などを行なったが、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、ライブイベントの開催を中止したこと、映像や音楽作品の制作スケジュールの遅れたことなどで、作品の公開やパッケージソフトの発売が延期になったことが、業績に影響を与えた。

一方で、環境の変化を受けて、無観客ライブイベントの配信など、変化に応じた新しいライブイベントへ取り組んだ。

上記の結果、売上高は280億8900万円（前期比40.2％減）、セグメント利益は9億6900万円（同87.9％減）となった。

IPクリエイション事業
「機動戦士ガンダム」や「ラブライブ！」シリーズなどの映像作品の制作をはじめ、「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」によるIPの情報発信などで話題を喚起した。

また、前期に連結子会社になった株式会社創通が、第1四半期連結会計期間より本ユニットに所属したことにより、同社の収益を計上する一方で、のれんの償却が発生した。

上記の結果、売上高は282億1300万円（前期比20.1％増）、セグメント利益は27億4000万円（同56.3％減）となった。