MOG部門の売上減少や音楽ライブの原価率が改善していないことから利益率が低下。営業利益は前年同期比80%減の4.2億円。
株式会社ブシロード(以下、ブシロード)は、2021年6月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)を6月14日(月)に発表した。当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高271億5403万9000円(前年同四半期比7.7%増)、営業利益4億2361万9000円(同80.9%減)、経常利益5億2421万9000円(同76.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純損失1億6136万8000円(前年同四半期の親会社株主に帰属する四半期純利益12億2982万1000円)となった。
経営成績に関する説明
当第3四半期連結累計期間のブシロードグループは、リアルイベントの開催直前で延期・中止の判断を迫られるなど対応に苦慮する面もあったが、「IPディベロッパー」戦略のもと各事業部門や各IPプロジェクトにおいて活動を行なってきた。特に、コロナ禍においても復調・成長を見せるTCG(トレーディングカードゲーム)部門について、東・東南アジアを中心とした海外での売上拡大を念頭に置いた投資を進めてきた。
各セグメントの経営成績は次のとおり。なお、セグメント売上高につきましては、外部顧客への売上高を記載している。
1.デジタルIP事業
デジタルIP事業は、TCG(トレーディングカードゲーム)部門、MOG(モバイルオンラインゲーム)部門、MD(マーチャンダイジング)部門、メディア部門の4部門が属している。
①TCG部門
主力TCGである「ヴァイスシュヴァルツ」では「アイドルマスター シャイニーカラーズ」「転生したらスライムだった件」「アサルトリリィ BOUQUET」「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 feat.スクールアイドルフェスティバル ALL STARS」など人気IPの商品を多数発売し、引き続き好調に推移した。また、「カードファイト!! ヴァンガード」は10周年を迎え新シリーズ「カードファイト!! ヴァンガード overDress」の商品を国内・海外で販売開始した。
②MOG部門
「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」(自社IP・他社配信)では4周年を記念したゲーム内イベントを開催した。また、「D4DJ Groovy Mix」(自社IP・自社配信)では大型アップデートの実施や「ホロライブプロダクション」や「五等分の花嫁∬」とコラボをしたゲーム内イベントを開催した。
③MD部門
「ガルパ4周年記念 BanG Dream!×アニメイト ワールドフェア2021」や「ブシロード大展示会 in GalleryAaMo」を開催した。
④メディア部門
各電子書籍ストアで実施された販売促進キャンペーンが功を奏し、電子書籍の売上が伸長した。また、2021年3月より配信・放送を開始したTVアニメ「カードファイト!! ヴァンガード overDress」に係る償却費が発生した。
これらの結果、売上高202億9957万円(前年同四半期比11.3%増)、セグメント利益3億7685万7000円(同72.4%減)となりました。
2.ライブIP事業
ライブIP事業は、音楽部門、スポーツ部門の2部門が属している。
①音楽部門
音楽・映像ソフトについては、5本のシングルCDと2本のアルバムおよびTVアニメ「アサルトリリィ BOUQUET」のBlu-ray3本を含む映像商品を5本発売したことに加え、音楽配信の売上が伸長したことから、堅調に推移した。ライブ・舞台については、「バンドリ!」の音楽ライブ(Roselia×RAISE A SUILEN合同ライブ「Rausch und/and Craziness Ⅱ」、Poppin’Party×Morfonica Friendship LIVE「Astral Harmony」)を横浜アリーナにて2日間開催したが、「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」にもとづき収容人数を限定した形での開催が続いている。
②スポーツ部門
各自治体からの要請に沿って十分な感染対策を講じながら、収容人数を限定する形で各団体にて興行を開催した。新日本プロレスでは、全国各地でヘビー級選手によるシングルトーナメント戦を行う「NEW JAPAN CUP2021」シリーズを含む48回の興行を開催いたした。また、女子プロレスブランドのスターダムでは、日本武道館での初興行となる「レック Presents スターダム10周年記念~ひな祭り ALLSTAR DREAM CINDERELLA~」を含む24回の興行を開催した。
これらの結果、売上高68億5446万9000円(前年同四半期比1.8%減)、セグメント利益3694万6000円(同95.6%減)となった。