【スマホ de レトロゲーム 第3回】至るところで生命の危険を感じるスリリングなアクションゲーム『まいにちスペランカー』を遊ぶ!

◆貧弱、虚弱、脆弱!『スペランカー』は弱さの象徴!?

 こんにちはトマソンです! 今回は、1985年(昭和60年)にアイレムから発売されたファミコン版『スペランカー』の移植+αソフト、『まいにちスペランカー』をご紹介します! 気づけば、ファミコン版としては30年前(ええっ!?)に発売されたゲームなんですよねコレ。今でも『スペランカー』と言えば弱さの代名詞的な形で話題にのぼることもしばしば。ゲーム内容を知らなくても、タイトル名だけはご存知のかたも多いかもしれません。

▲ファミコン版パッケージやカートリッジなどに使われていたイラストがそのままタイトル画面になってます。今見ても色あせないかっこよさがありますね!


 その『スペランカー』に登場する主人公(スペランカー)が実際にどのくらい弱いかをご説明しますと……たとえば自身の身長程度の段差を落ちたら即アウト。そりゃあ現実世界で1.5メートル前後の高さの不整地をジャンプしないまでも普通に歩く感覚で降りろと言われたら、日ごろ運動不足のワタクシなどは即アウトになるかもしれませんが……これゲームですからね!?

 まだありますよ! ゲーム内にはコウモリが登場するんですが、そいつが発する超音波(?)にスペランカーが触れたら即アウト。さらには幽霊なんかも現れ、こいつとスペランカーが接触しても即アウト。まぁ幽霊は怖いからわからなくもないかな~(寛容)。

 ほかにも、スペランカーがロープやハシゴの少し高い位置から飛び降りると即アウト、ちょっとした坂道の下りをジャンプしながら移動すると即アウト、爆弾の爆発時に遠くへ離れていないと即アウト……などなど、本作はとにかく即アウトとなる状況が多いんです><! アクションゲームの主人公、しかも探検家がこんなに貧弱である点が衝撃的すぎた結果、『スペランカー』はプレイヤー達の心に深く印象づけられ、今なお本作が伝説のゲームとして語り継がれているというわけなんですね~。

▲とにかく貧弱な主人公ですが、その弱さはゲームにほどよい緊張感をもたらしてくれます。そこを楽しめるようになると、本作が秀逸なアクションゲームだということもわかるはず。


◆『まいにちスペランカー』ってどんなゲーム?

 前置きが長くなりましたが、ここで本作品をご存知ないかたへ簡単に概要をご説明すると、地底洞窟が舞台のスクロール型アクションゲームです。道中は落とし穴や吹き出すガス、炎などを避けながら扉のカギを探し出し、地底洞窟の奥深くへと潜っていきます。目指すは最深部に眠る伝説のピラミッド!

 スペランカーにはエネルギーが設定されていて、画面上部にあるエネルギーメーターの針が「MIN」までいくとアウト扱いに。このエネルギーは攻撃(対幽霊用)を行なうと減るほか、時間経過でも徐々に減っていくので、洞窟内にあるエネルギーアイテムを獲得して補給をしながら進んでいかなければなりません。

 また、洞窟内にはエネルギーのほかにも、得点となるドル袋やコインをはじめ、岩を爆破するためのダイナマイト、コウモリを撃退するフラッシュなど、さまざまなアイテムが。なかでも、ダイナマイトやフラッシュはクリアに欠かせないものなので、見つけたら必ずゲットするのが鉄則です。

▲洞窟内には、特定の行動によってのみ獲得できる隠しアイテムも……?

▲数々のアイテムとテクニックを駆使して獲得したカギは、そのステージの最後に控える扉に触れれば自動的に使用してくれる。あとは前に突き進むのみ!


◆『まいにちスペランカー』は、ちょっぴり進化(?)した『スペランカー』だった!

 本作品のプレイフィールはオリジナルのファミコン版そのものと言ってもいいかもしれません。1ドットでもジャンプ位置がズレていたり、敵の対処法を間違えると即アウトになるハラハラドキドキ感は健在です。残念ながら通電中に発光ダイオードが光ったり、ネコにリセットボタンを踏まれたり、長時間プレイしすぎてアダプターをお母さんに隠されたりすることはないのですが、ゲーム性には何ら影響がありません!

▲この場でお伝えできないのが残念ですが、音もファミコン版そのまま。哀愁漂うオープニングテーマやプレイ中の軽快なBGMを、心ゆくまで楽しめます(^^)!


 ただ、ファミコン版ではパッド操作でしたが、スマートフォン版にはパッドがないため、操作系統は画面上に表示されたバーチャルパッドとしてまとめられています。画面左側には上下左右の方向キー、画面右側にはアクションボタン、ジャンプボタンの2種類のボタンという、オリジナルのパッドに近い形の配置です。

▲バーチャルパッドは画面にかぶせた形で表示されます。それぞれのパーツが横長画面の左右に配置されているので、タッチしていてもゲームのさまたげにはなりません♪


 じつはこのバーチャルパッドが意外にクセモノ! 何せ押した感覚がありませんから、タッチする場所を完全に把握するまでは、下へ行ったつもりが横へ、ジャンプしたつもりが何もしてない、といったような操作ミスが起こりやすいんです。おかげでオリジナル以上に残機の減るペースも早く、スリル感がググっと高まります。でもこれは慣れの問題なので、いずれはタッチする場所を指が覚えて普通に遊べるようになることでしょう。なお、操作性についてはゲーム制作サイドでも気にされていたのか、一部に関して後述のような救済措置があります。

 まず、ロープアシスト機能。通常の状態では、ロープにつかまっているときに方向キーを左右に入れつづけると、ロープから離れる(降りる)ことができます。これが、ロープアシスト機能をオンにしていれば、ロープ移動中の左右移動を無視してくれるんですね。この機能によって、ロープから落ちる際のアウトを防いでくれるというわけです。なお、ロープアシスト機能をオンにしていても、ロープからのジャンプは可能ですのでご安心を。

▲ロープアシスト機能は、ロープ上下移動時の操作ミスがなくなるため便利な反面、スコアのランキング登録はできなくなるので注意!


 もう1点はコンティニュー機能。これはもうスペランカー界の一大革命、常識破壊と言わざるを得ないでしょう! このコンティニュー、ステージの最初からやり直しになるとかそういった生ぬるいものではありません。何とその場でスグに復活します。つまりこれって残機は関係ないということですよね!?  しかもコンティニュー回数は無制限、いくらミスしても大丈夫! もちろん点数だけはゼロへと戻されますが、スコアさえ気にしなければどんどん先へ進めちゃいます。

 ただ『スペランカー』は、たとえ残機がいくらあろうとも、またコンティニューが何回できようとも、フラッシュやダイナマイトといったアイテムがなくなればどうやっても先へ進めなくなる、という可能性が残っています。そこだけはどうかお忘れなきよう……。

◆全国のスペランカー狂喜乱舞!? 別売の追加ステージもあるよ

 ワタクシのようなオジサンが昔を懐かしむため、または平成チルドレンが新手のアハ体験(違うかな)を味わうためには十分すぎるパワーを持ったアプリ『まいにちスペランカー』。そんな本作ですが、何と追加ステージとしてオリジナル版にはなかった新しいエピソードが3本も用意されています! これらはそれぞれ100円で購入可能。いずれも性質の異なるステージ構成なので、3本すべてを遊んでもマンネリ感はありませんし、それぞれ歯応えも十分。オリジナルステージに飽きたらこちらもオススメですよ!

▲「エピソード2:もうひとつの炭鉱の奥に」。坂道と行き止まりの多いマップ構成。軽い気持ちのジャンプが命取り!?


▲「エピソード3:新たなる挑戦」。リフトやトロッコといったギミックが随所に配置されている。ジャンプテクニックを磨いてから挑もう。


▲「エピソード4:地下水脈を辿って」。水に浮かぶゴンドラを多用しながら進んでいく。ゴンドラ乗降時のタイミングに気をつけたい。


 なお、プレイステーション4の話ではありますが、2015年3月にはスクウェア・エニックスから『みんなでスペランカーZ』の配信も開始される予定です。まずは本作でウデを磨いておき、いずれはそちらもプレイされてみてはいかがでしょうか(^^)?

この記事を書いた人

トマソン
ゲーム系フリーライター兼、宝くじプロ見習い。宝くじはもう20年以上買いつづけているが、一向に当たる気配がない。予定している生涯収入に宝くじ分も含まれているので、もういい加減に当たってくれないと困ります(真顔)。totoにも手を出してみようかなぁ……。