家庭用ゲームソフトの大型案件が複数進行していることで大幅増収。メタバースやNFTについても事業参入を検討中。
株式会社トーセ(以下、トーセ)が、2022年8月期第1四半期決算短信[日本基準](連結)を1月12日に発表した。当第1四半期連結累計期間の業績については、家庭用ゲームソフトの大型案件が複数進行中であることから、売上高は13億7000万円(前年同期比77.0%増)となった。利益面については、増収効果に加え、原価低減による売上総利益率の好転や販売費及び一般管理費が抑えられていることにより、営業利益1億2000万円(前年同期は営業損失1億1100万円)、経常利益1億3000万円(前年同期は経常損失1億900万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益7900万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失8500万円)となった。
経営成績の説明
当第1四半期連結累計期間のトーセグループでは、中長期的な企業価値と資本効率の向上に向けて、大規模・高度化開発に対応した開発体制の充実・強化、成長性の高い事業と様々なIP(Intellectual Property:キャラクター等の知的財産)を活用した事業への挑戦、人事・教育・採用の改革の継続、の3点に重点的に取り組んでいる。
ゲームソフト関連や非ゲーム分野での新事業に係る開発需要の高まりのなか、新型コロナウイルス感染症に対しては引き続き拡大防止対策を徹底し、開発・運営業務を遂行している。また、今般国内外で多数の企業が参入を発表しているメタバース(デジタル仮想空間)やNFT(ブロックチェーン技術を使用したデジタル資産の一種)についても、関連事業への参入を積極的に検討している。
セグメントの業績は次のとおり。文中の各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高を含んでいない。
デジタルエンタテインメント事業
当事業では、ゲームを中心とするデジタルコンテンツの企画・開発・運営などの受託を行なっている。
当第1四半期連結累計期間においては、新型ゲーム機である「プレイステーション5」や「Xbox Series X/S」にも対応したマルチプラットフォームの案件を含む、複数の開発案件を遂行するとともに、メタバースやNFTに関連した事業の調査や参入の検討も進めてきた。
製品別の内容は以下のとおり。
ゲームソフト関連の売上は、家庭用ゲームソフトの大型案件が複数進行中であることから、7億9300万円(前年同期比971.2%増)となった。
モバイルコンテンツ関連の売上は、運営売上が前年同期よりも減少し、4億8100万円(前年同期比5.7%減)となった。
パチンコ・パチスロ関連の売上は、ゲームソフト関連やモバイルコンテンツ関連に開発人員をシフトしていることから、1100万円(前年同期比79.7%減)となった。
この結果、当事業の売上高は12億8600万円(前年同期比101.3%増)、営業利益9700万円(前年同期は営業損失1億1600万円)となった。
その他事業
当事業では、SI事業、子会社の株式会社フォネックス・コミュニケーションズによるゲーム以外のコンテンツ事業、新規事業の創出に取り組んでいる。
当第1四半期連結累計期間においては、コロナ禍の巣ごもり消費拡大で売上好調が続いている家庭用カラオケ楽曲配信事業のロイヤリティ売上は、引き続き高水準で推移した。しかし一方で、SI事業において、前年同期と比べ開発中の案件は減少した。
この結果、当事業の売上高は8300万円(前年同期比37.9%減)、営業利益2300万円(前年同期比421.0%増)となった。