
映画『冷たい熱帯魚』『ヤッターマン』『片腕マシンガール』『凶悪』『極道大戦争』など、プロデューサーとして数々の話題作を手がけた鬼才・千葉善紀は、実は日本映画界有数のゲームファンだった!
家庭用ゲームを中心にプレイする千葉Pと、ゲーム雑談をしてみよう、というこのコーナー。あくまでもひとりのゲームファンとして、千葉Pが言いたい放題!
今回は映画『フォースの覚醒』も話題のシリーズから、『スター・ウォーズ バトルフロント』! 千葉Pはフォースのダークサイドから抜けられるのか!?

千葉善紀
日活株式会社 プロデューサー
(敬称略)
◆千葉Pを襲ったハン・ソロ冷蔵庫ショック!
――今回が新年一発目の更新ということで、よろしくお願いします! 改めて2015年を振り返ると、千葉さんの好きな映画ゲーム的にも、なかなかの当たり年でしたね。
千葉 そう、僕はもともと映画ゲームや映画っぽいゲームをずっとやってきましたけど、まさに当たり年でした。
――以前の回で紹介していただいた『マッドマックス』(PS4用ほか、ワーナー・エンターテインメント・ジャパン)もありましたし、年の暮れには、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015年の映画)公開に先駆けて『スター・ウォーズ バトルフロント』(PS4/Xbox One/PC用、エレクトロニック・アーツ)も発売されました。
千葉 そうなんです! 『スター・ウォーズ バトルフロント』は、映画ゲームの中でも、かなりの話題作ですからね。何しろ僕はアメリカに注文して、ハン・ソロの冷蔵庫つきの限定スペシャル版を買ったんですよ。わざわざアメリカにいる後輩に頼みましたから。
――なかなか本腰が入ってますねぇ。
千葉 で、注文していた品が、ついに来たんです! いきなり家だと、家庭的にハードルが高いから(笑)、会社に届けてもらいました。現物はさすがに重いので、写真を撮ってきましたよ。

――おお、冷蔵庫のドアがカーボナイト漬けのハン・ソロになっているわけですね。この商品写真はビリビリ来ますね。
千葉 これ見たらいいな、と思うでしょ。で、箱を開けてみたわけですよ。それがこの写真。

――パッと見では、なかなかいい感じじゃないですか。
千葉 だけど……これ、触ってみると、シールなんですよ! 立体じゃなくて、シールが貼ってあるだけなの!(笑) 衝撃ですよ!
――えーっ! レリーフじゃないんですか!(爆笑)
千葉 冷蔵庫として機能しないくらいのほうがまだ良かったですよ! まさかのまっ平らなシール! 買ったことを会社でさんざん自慢してたから、開けてみたときの衝撃といったら。見事なオチでした。
だから、ゲームのほうも……正直言って、これは映画グッズ扱いでいいかな、という気分で。『スター・ウォーズ』グッズは世の中にいっぱい出てますけど、これもそれでいいかと。正直言って、オンラインにほとんど手をつけてないんですよ。キャンペーンモードも、なんだか薄くて……。
――かなりマルチプレイゲーム寄りですからね。
千葉 まあ、何しろ、この冷蔵庫に衝撃を受け過ぎちゃったんですよ……。みんなに「この冷蔵庫はバレないうちにヤフオクで売ったほうがいいんじゃないか?」って言われてますよ(笑)。
それにしたって、これをシールにするってどういうことなのか……。いまどきこんなにキレイにダマされるとは(笑)。ゲームやる前にダメージがデカすぎましたね。
――千葉さん、ショックを受けすぎてゲームを楽しむところまでたどり着けてない(笑)。
◆知り合いが『スター・ウォーズ』に出演!?
――そういえば映画『フォースの覚醒』には、なんと千葉さんプロデュースの『極道大戦争』(2015年の映画)にも出ていた、いわば千葉組のヤヤン・ルヒアンさんが出てるじゃないですか。
千葉 出てます。だから、今回の『フォースの覚醒』を観る最大のモチベーションは、知り合いのヤヤンさんがちゃんと出ているかを確認することなんですよ(※編注:収録の時点では、千葉Pは『フォースの覚醒』を未見)
――ヤヤンさんと言えば、インドネシア映画のアクションマスターですよね。
千葉 “マッド・ドッグ”としておなじみのヤヤンさんですからね。ヤヤンさんと一緒に、出世作の『ザ・レイド』(2011年の映画)に出ていたイコ・ウワイスも出ているらしいですね。ウワサではちょっとだけらしいですけど、何しろ自分の知り合いが『スター・ウォーズ』に出たってのは、ちょっとした自慢ですよ(笑)。
――しかも、順番としては、『スター・ウォーズ』キャストを招聘したのではなくて、千葉組の役者が『スター・ウォーズ』に出たわけですからね。
千葉 だから、もしヤヤンさんのキャラクターが生き残っているのなら、その先も出られるんじゃないか、とか、期待も膨らみます。インドネシアの俳優が、顔出し出演ですからね。みなさんもぜひ注目してみてください。

◆「一番アガるのはゲームを起動したとき」
――じゃあ、せっかくなので『スター・ウォーズ バトルフロント』、プレイしてみましょうか。
千葉 これ、最初はとにかくグッと来るんですよ。一番アガるポイントが、ゲームを起動したときです!(笑) さすがにこれは来ましたね。
あ、ちなみに冷蔵庫つきなので、僕のは英語版です。
――今回の『スター・ウォーズ バトルフロント』は、映画のエピソード4・5・6がベースなんですよね。
千葉 まさに我々、旧作世代の人間に向けたゲームなんですよ。Xウイングファイターもちゃんと操作できますしね。
タイトルバック来ますよ……ほら、ここ! これです!

――『スター・ウォーズ』の最初のファンファーレ「♪ジャン!」ですね!
千葉 この音楽なんですよ。この音楽が流れた瞬間、ウオォォッ!って家で声出ちゃいましたからね。
僕は『スター・ウォーズ』の一作目のときは小学生で、長野の田舎からわざわざ渋谷まで観に行ったんですよ。道玄坂にあった渋谷東宝で観て、劇場名入りのパンフレットも買いました。今回の『フォースの覚醒』も、一部劇場では日付入りのパンフレットがあったらしいですね。
――あれはなかなか心憎いサービスでしたね。さて、ゲームのほうは実際のプレイに入りました。
千葉 やっぱり、画面がキレイです。
視点が主観のFPS視点と、背中が見えるサードパーソンビューから選べるのもいいですね。FPSが苦手な人もいると思うので。
――自分のキャラクターがちゃんと描きこまれているので、『スター・ウォーズ』的にはサードパーソンビューもアガるところですね。
千葉 ……うーん、やっぱり、このキレイさで『スター・ウォーズ』やると楽しいかもな……みんなでやってみたいですよね。ただ、何となくマルチに踏み込めない何かもあるんですけど。
――マルチプレイの常として、ちょっとくらいは役に立てるようになってからオンラインに行きたい、という意識が働いてしまうのかもしれません。
千葉 迷惑かけちゃうのもイヤなんですよね。だから、ちょっとキャンペーンで鍛えておきたい。そこが、自分でハードルを上げちゃうところなんです。

◆千葉P、あっという間に意見変更!
千葉 じゃあ、トレーニングモードで、Xウイングで戦えるヤツをやってみましょうか。これはわりと好きです。
――『スター・ウォーズ バトルフロント』は、FPSだけじゃなくて、けっこういろいろなタイプのゲームとして遊べるんですよね。フライトコンバットだったり、AT-AT(スノーウォーカー)に乗って戦えたり。
千葉 Xウイングファイターを自分で操作できるなんて、幸せですよね。……おおお、怖い! キャニオンの中を飛ぶの、怖面白いわ!(笑)
――おっ、タイ・ファイター来ましたよ!
千葉 来た来た! よっしゃ! ……んー、これはこれで、やっぱり面白いですね。
――この爆発音もちゃんと『スター・ウォーズ』なのがイイですねぇ。
千葉 Xウイングファイターをこんなにグルグル飛ばせるんだから、いいですよね。……やっぱりスゲーなこのゲーム!

――さっきまでイマイチ乗り気じゃなかったのに(笑)。
千葉 いや、改めてやると面白い! もうちょっとやり込むべきですねこれは! この音楽を聴きながらやると、アガりますね。フルオーケストラな感じが最高。面白いですよ、これ。
――すっかり意見が変わっちゃった(笑)。
千葉 サラリーマンの人がプレイするには、ちょうどいいですよ。子どもと一緒にプレイするのもいいんじゃないですかね。前回紹介した『Bloodborne(ブラッドボーン)』(PS4用、SCE)とかは、子どもと一緒にやるもんじゃないですからね(笑)。
――あれ、CEROのレーティングで17歳以上対象ですよ(笑)。
千葉 おお、来た! この「キュキュキューン!」というレーザー発射音、たまらない! 40年経っていまだに『スター・ウォーズ』で遊んでるなんて、思ってもみなかったですね(笑)。まさに映画のワンシーン!
というわけで、友だち同士でやるには最高に楽しいと思いますよ!

◆『SWバトルフロント』はちゃんと遊べるグッズ
――せっかくなので、マルチプレイにも入ってみましょうよ。
千葉 えっ、マルチはまだ全然やってないから緊張するな……。
――大丈夫、死にゃしませんよ。せいぜいアメリカの中学生からボイスチャットでエライこと言われるくらいで(笑)。
千葉 じゃあ入ってみますか。おお、何がどうなってるのか全然分からない……あっ、もう撃たれた!
――対戦でクレジットを稼いで、装備や見た目を変えられるわけですね。
千葉 うおお、すごい、グラフィックがキレイだなぁ。おっ、来てる来てる! ヤバイ撃たれた! ……いや、面白いなこれ!
――最大40人でプレイできるからか、大して役に立たなくても気まずくならないのがいいですね(笑)。
千葉 確かに、気分的に重たくないのはいいですね。仲間の誰かがやられててもほとんど気にならないですよ。
……ああっ上にいた! これはやられた!
――マップも立体的なのがいいですね。千葉さん、明らかに楽しんでるじゃないですか(笑)。
千葉 これ、イケますね。最初にディスってすみません(笑)。みなさん、これ面白いですよ! マルチもハードルが低くていいです。そして何しろ『スター・ウォーズ』の世界で撃ち合えるのは楽しい! 近代戦のFPSだと、出た瞬間にスナイパーにやられたりするし、基本このゲームは血が出ないから、このライトな感じはいいですね。
ヤバい、逃げろ逃げろ! ……おぉ~、回復したぁ~。
――完全に満喫してる(笑)。
千葉 いやぁ、これはハマりそうな感じがしますね。やり込み要素もあって、面白いです。オンラインはあまりプレイできてなかったので、気づくのが遅くてすみません。
――何しろ、ハン・ソロ冷蔵庫ショックがありましたからね(笑)。
千葉 そう、冷蔵庫の恨みがちょっと(笑)。あまりの衝撃でゲームに入れてなかったですね。
こういう風に、わちゃっとしてるマルチは好きですね。初心者の人も、これだったらいいかもしれない。映画を観たあとで、みんなでやりたいですよ。
――千葉さんの言葉を借りれば、正しくファングッズでもあるわけですね。
千葉 そうかもしれないですね。これは正しいグッズです。ただ飾るだけじゃなく、ちゃんと遊べる、いいグッズ。
『スター・ウォーズ バトルフロント』は、いまが遊び時で、映画の『フォースの覚醒』を観た後に、いい歳こいた大人が皆でこれをやるのがオススメです!

(2015年12月収録)
Star Wars © & ™ 2015 Lucasfilm Ltd. All rights reserved. Underlying technology and game design © EA. All rights reserved.
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