【映画プロデューサー千葉善紀の“コレやってます!”】『レインボーシックス シージ』で、特殊部隊の空気にビビりまくり!

日活千葉P

映画『冷たい熱帯魚』『ヤッターマン』『片腕マシンガール』『凶悪』『極道大戦争』など、プロデューサーとして数々の話題作を手がけた鬼才・千葉善紀は、実は日本映画界有数のゲームファンだった!
家庭用ゲームを中心にプレイする千葉Pと、ゲーム雑談をしてみよう、というこのコーナー。あくまでもひとりのゲームファンとして、千葉Pが言いたい放題!
今回は『レインボーシックス シージ』! 千葉Pは特殊部隊のチームに馴染めるのか!?

千葉レインボーシックス シージ

千葉善紀
 日活株式会社 プロデューサー

(敬称略)

◆オンラインマルチは新時代の接待ゴルフ!?

――今回のお題ゲームは『レインボーシックス シージ』(PS4用ほか、ユービーアイソフト)ですね。

千葉 これは、僕がお世話になっている取引先の人から勧められたゲームなんですよ。「人から勧められたゲームはやろう!」というのが今年の僕の課題なので、すぐに買って、僕の知り合いの僕が全然知らない人と一緒にやることになったんです。

――千葉さんは、オンラインプレイはなるべく知り合いとしたい派なんですよね(笑)。

千葉 全く知らない人とゲームするのって、なかなか勇気が要りますよ。で、僕、これは接待ゴルフと同じだな、と思ったんですよ。あまり知らない人と一緒に出かけて遊ぶわけですから。この間、その全然知らない人を後ろから撃ち殺しちゃったけど(笑)。メールで「昨日はありがとうございました」って来たんだけど、「僕、昨日殺しちゃいましたよね?」って返したりして(笑)。ゴルフも下手過ぎると迷惑ばっか掛けますからね。
 この『レインボーシックス シージ』は、味方から撃たれても死んじゃうんですよ。

――シビアですねぇ。

千葉 ひとりずつ、ジックリとテロリストを殲滅していくゲームなんです。ミッションはいろいろあって、一箇所に立てこもったテロリストを殲滅したり、人質を奪還したりを、5人のチームでやっていきます。役割もいろいろ分かれていて、チーム内でボイスチャットで相談しながら、戦略的に攻めていくFPSなんですよ。

千葉レインボーシックス シージ

――『レインボーシックス』シリーズは、けっこう歴史がある、特殊部隊のゲームですものね。

千葉 当然、『レインボーシックス シージ』は、オンラインのチームプレイに特化してます。ちゃんとやらないと、チームにご迷惑をおかけしちゃう。特攻なんて、なかなか許されないです(笑)。最近『ジャストコーズ3』でイケイケのブッコミばっかりやってたので、このジックリ感に慣れなくて困りました。(笑)。

――『ジャストコーズ3』の南国をバイクでブッ飛ばしてた身からすると、ゆっくりしゃがみ歩きするのは難しいですね(笑)。

千葉 そうなんですよ! あのゲームは「しゃがむ」という概念すら無かったですからね!あまり知らない会社の人とゆっくり歩きながら一緒に同じことに取り組むのは、ホントに接待ゴルフに近いなと(笑)。
 サラリーマンの、新しいオトナのつきあい方(笑)。

――新時代感ありますね(笑)。

千葉 実際にオフライン(笑)で会ったときに「この間はどうも」なんて言うわけですよ。新しいサラリーマン同士の付き合いを『レインボーシックス』で学んでます(笑)。

――しかも『レインボーシックス』は少人数の特殊部隊だから、一般的なオンラインゲームよりチーム感が濃密ですよね。

千葉 そう、はしゃいだ感じがない。黙々と進んで、静かに「じゃ、右お願いします」なんてボイスチャットするんです(笑)。
 だから、味方を殺しちゃったときは、ちょっと申し訳ないな……って本気で思いました(笑)。「うわっ、やっちゃった……すみません……」って。

――いまどき、味方を殺しちゃってそこまで申し訳ない感じになるゲームも、なかなかないですからね。

千葉 だから、これはオトナのゲームです。オトナの人から「実はやってます」なんて話も聞きますよ。僕も、それで誘われましたから。

千葉レインボーシックス シージ

◆軍事ゲームの大物、トム・クランシー

――それと、トム・クランシーの名前が冠についているゲームなので、リアル寄りなのも特徴ですね。トム・クランシーは、アメリカでは大変に有名な軍事小説家ですから。

千葉 有名ですよね。『レインボーシックス シージ』の次には『ディビジョン』(PS4用ほか、ユービーアイソフト)もありますし。こっちもとんでもなくて、無法地帯になったニューヨークを解放していくゲームなんです。予告編からしてすごいので、あれもかなり来ると思いますよ。

――トム・クランシーは、ゲームでもビッグネームですものね。『レインボーシックス』に加えて、『ゴーストリコン』シリーズ、『スプリンターセル』シリーズなど、何十本も冠タイトルが発売されてます。

千葉 2年くらい前に亡くなりましたけど、ゲームはいまでも発売され続けてるくらいですからね。軍事系のゲームでヒットしているものは、たいがいトム・クランシーのレーベルだったりする。
 僕はこれまであまりトム・クランシーのゲームはやってこなかったんですけど、今回誘ってもらってプレイして、初めてすごさを知りましたよ。そこにときめくのは、やっぱりオトナだと思うんです。

――『ディビジョン』は、トム・クランシー名義の完全新作になるわけですね。

千葉 『ディビジョン』は『コール・オブ・デューティー』などの雰囲気を三人称にアレンジしている感もあって、ホントに面白そうなんですよ。超絶話題沸騰中なので、僕も必ずプレイします(編注:収録時点では発売前)。

――『ディビジョン』の舞台は、実際のニューヨークなんですね。

千葉 そう、ニューヨークの街で、暴徒をバリバリに撃ち倒していくんです。トム・クランシーものはこれまでなかなか縁がなかったんですけど、『ディビジョン』も楽しみですよ!

◆特殊部隊、ひとりで戦うのは無理!

――さて、今日の本題の『レインボーシックス シージ』ですけど、完全にチーム戦なので、オンラインプレイには向いているゲームですね。

千葉 なので、今日ここでひとりでプレイしても、盛り上がらないことは確実ですよ(笑)。

――じゃあ、またオンラインで知らない人と野良チームプレイをやってみませんか?

千葉 えー……また俺にそれやらせるの??そういう勇気はないんだよなぁ……。

――千葉さん、野良マルチプレイを嫌いすぎです(笑)。

千葉 いやぁ、野良で裏切られたり、どうしても二の足を踏んじゃうんですよ。特に『レインボーシックス シージ』はチーム感が強いので、ちょっと不安なんですよね。

――先日プレイした『スター・ウォーズ バトルフロント』のように、わちゃっとしたオンラインプレイなら気が楽なんですね。

千葉 あれは雑で良かったですよね。あれと違って、このゲームは死ぬ時は一発で死にますからねぇ。ホンットに、難しいの。

――プレイヤーの操作キャラクター(オペレーター)には、職業というか、役割があるんですね。

千葉 ハンマーで壁を壊せるスレッジとか、爆発弾を撃てるアッシュとか、いろいろあるんです。この職種は、やればやるほど解除されて、使えるようになっていきます。

――さて、まずはソロで実際にプレイを始めてみましたが……壁に弾痕は残るし、銃弾が壁を抜けてくるしで、なかなかキツい仕様ですね。

千葉 あっという間に体力が50%を切っちゃいましたけど、これ、よくあるゲームみたいに待ってても回復しないんですよ。
 ……ああ来た! 僕らが“シューシュー”って呼んでるヤツ! あーもう終わりですよ。コイツ、よく自爆テロを仕掛けてくるんですよ……。正直、ひとりじゃ相手するのは無理。

千葉レインボーシックス シージ

――完全にマルチプレイ向きのゲームですね。

千葉 続いて、バリケードを張って籠城戦です。壁を打ち壊されないように内側から補強して、入ってきそうな場所に狙いを定めて待ちます。

――ゲームの中で籠城をするって、非常に珍しいですね。

千葉 普通は逆で、籠城してるヤツを撃ち殺しに行くヒーロー的な展開ですからね(笑)。……あー来るぞ来るぞ……来た、バカスカ撃たれてる!

――うわっ、怖い! これはひとりで戦うのは無理ですね。

千葉 それが分かってもらえたら充分です(笑)。だから、これだけ生々しい戦場ですけど、オトナがチームでやる一体感を楽しむ、スポーツのように爽やかなゲームとしてプレイするのがオススメです(笑)。

千葉レインボーシックス シージ

◆千葉Pが野良の特殊部隊を体験!

――いやー、せっかくだから野良でマルチプレイ、やってみましょうよ。編集者としては、やらせたくてしょうがないんです(笑)。

千葉 ここで無理やりやらされるパターン、多いですからね(笑)。『スター・ウォーズ バトルフロント』のときは意外に面白くて、覚醒しちゃいましたし。

――まあ千葉さんはずっと野良オンラインプレイに張り付くタイプではないですから、ひとプレイくらいの恥はかき捨てですよ!

千葉 じゃあやってみますかね。……おお、マルチには「カジュアル」ってモードがあるんですね。あっという間に5人チームが揃いました。暇人がいますねぇ(笑)。
 今回は拠点確保で侵入する側のミッションですね。攻めるときは、まずドローンのカメラで敵の状況を観察する時間があって、見てから攻めることができるんですよ。

――最初の一回には入れなかったので、味方チームの視線で観戦からスタートです。他の人のプレイ目線で見られるのは、最初の体験には良かったですね。

千葉 このプレイヤー、やっぱり上手いですね。いまお互いふたりずつ倒してて……あああ、上手くてもやられるときは一瞬なんですね(笑)。

千葉レインボーシックス シージ

――いやー、見るからにカラいゲームですねぇ(笑)。

千葉 あ、入れるタイミング来ました。ここはあえて役割を取らずに、新兵でいきましょう。素人丸出しをアピールしておかないと(笑)。

――まずは籠城ミッションです。あっ、千葉さんが何となく封鎖してみたドア、味方が破壊してます(笑)。

千葉 「そこ閉めるな!」ってことですね、すみません(笑)。おお、壁を補強してくれてますね。みなさん活躍してるなあ。僕は、とりあえずどこかで待ち伏せして確保でもしときましょう。

――おお、壁の下に小さな穴を開けて、そこから撃ってる人もいますね。

千葉 みんなスッゲーいろんなことやるんですねぇ。これは僕は新兵にしといて良かったわ(笑)。

――味方がブービートラップでふたりやりましたよ!

千葉 来た来た……ンガッ、やられた! 攻めてくる人も上手いよ!

――おっ、でもチームは勝った。味方チーム上手いですね。

千葉 ゲームが終わると、すぐに次のゲームが始まるんですよ。……あああっ、やられた、いまやれそうだったのに! 悔しいわー。
 ……これ、野良もイケちゃうかな?

――やっぱり楽しいんじゃないですか(笑)。

千葉 とはいえ、野良に慣れてる人はさすがに上手いです。僕が一緒にやっている人たちも、なかなか野良のマルチプレイには行きづらいって言ってますね。もうちょっと上手くなってから、って。まあ、そう言っててずっと行けないのかもしれないですけど(笑)。

千葉レインボーシックス シージ

◆千葉Pも応援、「SUSHI TYPHOON GAMES」

――改めて、これは仲間を集めて遊べれば、相当面白そうですね。

千葉 この間、初めて仲間内で5人揃ってプレイできたんですよ。あれはテンション上がったなあ。皆サラリーマンプレイヤーなので、5人集まるのはなかなか大変で(笑)。

――いちどこの世界に入っちゃうと、たまらないゲームですね。リアル系の極みのFPS。

千葉 この『レインボーシックス シージ』も、自分で選ぶゲームの選択肢に入ってこないんだけど、人に勧められてチャレンジしたら、新しい楽しさに気づいたパターンですね。
 これに続いて、トム・クランシーのゲームとして『ディビジョン』が来ますから、この次は、ニューヨークを荒らしているヤカラを殺しに行きます!

――『レインボーシックス シージ』のプレイを見る限りは、そこそこ殺されもするとは思いますけど(笑)。

千葉 最後に、お知らせしてもいい?

――もちろん。

千葉 ウチの会社で「SUSHI TYPHOON (スシタイフーン)GAMES」っていうゲームレーベルを始めたんですよ。日活として新たにゲームを作りたいということで、後輩が僕のところに「千葉さん、『SUSHI TYPHOON』の名前を貸してくれませんか」と相談に来たんです。『SUSHI TYPHOON』はもともと僕が作ったレーベルで、世界的にもライツを持っている名前だし、ちょうどいいかなと。
 という感じで、軽い気持ちでオッケーしたんですけど、この間発表したらYahoo!ニュースのトップになっちゃって(笑)。

――第一弾として『刺青の国』というタイトルが発表されて、反響を呼んでますね。

千葉 それで、いろいろな人から僕のところに問い合わせが来ちゃって(笑)。

――『SUSHI TYPHOON』といえば、当然、千葉プロデューサーを思い浮かべますからね。

千葉 しかも僕はゲームが好きだと公言してますから、「ついに千葉が日活でゲームを!」と話が独り歩きしちゃって(笑)。
 なので、僕は今回は応援する立場なんですけど、後輩が頑張ってますので、みなさんよろしくお願いします。これが大ヒットしたら、もしかしたら僕も自由にゲームが作れるかもしれないので(笑)。

千葉レインボーシックス シージ

(2016年2月収録)

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