そういえば、長いことプロレスゲームで遊んでいないなぁ……なんてことを考えていたら、ふと視界にすべり込んできたのが、この『プロレスやろうぜ!』。
思えば、オンライン対戦の楽しさを初めて実感したのもプロレスゲームだった。プロレスというスポーツには、対戦相手と一緒に“最高の試合”を作り上げていくエンターテイメントショーの側面もあるから、同じ技の攻防でも、相手の度量――プロレスでいうところの“受け”の技量――によって試合の面白さが全然違ってくる。上級者同士の対戦ともなれば、相手が勝利を譲りたくなるぐらいの、高度な試合展開やフィニッシュの説得力が要求されることもある。
……とかなんとか、プロレス愛が強くなりすぎて、自分自身で遊べるゲームの幅を狭めていたことに気づいたので、今回は難しいことは全部忘れて、無心で――いや白目式(永田祐志選手の得意技「白目式腕固め」より。今風の技なのです)でこの新日本プロレスリング公認の新作アプリゲームをレビューする!
◆とりあえず魅力的なプロレスラーをつくろうぜ!
このゲームの目的はとてもシンプル。試合で稼いだ賞金(NJSコイン)で「技」や「コスチューム」を手に入れ、自分の選手を魅力的にパワーアップさせていく。選手のステータス強化は「ダンベル」や「ベンチプレス」といったアイテムを使って行なうため、トレーニングなどの育成モードはない。試合を重ねてレスラーとしての実績を積み、選手のレベルや名声(レスラーポイント)をアップさせながら、上位のステージへとのし上がっていく。
ゲームモードは5つある。いずれも試合形式で、試合を1回行なうごとに「FIGHTING SPIRIT」をひとつ消費する。試合中にダメージを受けて選手のコンディションが悪化したり、ケガをしてしまったりした場合も、この「FIGHTING SPIRIT」を消費する。選手の体調にはつねに気を配るべし!
選手には合計3つの技をセットできる。技の属性は投げ、関節、打撃の3種類で、基本的に攻撃力の高い技ほど試合中に使える回数が少ない。
また、技にはレベルが定められていて、ステージレベルに応じて使用制限が設けられている。ステージ1の「ヤングライオン」ではレベル1の技までしかセットできないが、ステージ5の「IWGPヘビー」では、レベル5までの技が使用可能になるという具合だ。
「実績報酬」や「レベルアップ報酬」でしか手に入らないレアな技やコスチュームも多い。勝利だけでなく“敗北”という実績を重ねないと手に入らないアイテムが用意されているのも、プロレスらしいところだ。
◆プロレスは高度な心理戦! 美しい流れで最高のフィニッシュを演出しよう!
試合ではロックアップ(ガッチリ組み合った)状態のときに技を選択し、技の数値(以下、攻撃力)が高いほうが攻撃を出すことができる。技の属性によって優劣(3すくみ)があるので、有利な属性の技を選んだ場合は、攻撃力が上昇する仕組みだ。
必殺技の発動チャンスは、ロックアップを3回行なうごとにやってくる。必殺技は最大で50%も攻撃力がアップするので、3すくみで不利な状況でも攻撃チャンスがあるし、大逆転にも期待できる。ただし、1試合に1回だけ無条件で相手の技を防ぐ「返し技」が使えるので、フィニッシュまでの試合展開をしっかり考えて技を出していこう。
◆レスラーの「格」は人気で決まる! 魅せる試合でチャンピオンをめざせ!
冒頭でも“受けの美学”について触れたけれど、プロレスというスポーツは、ただ試合に勝っただけでは賞賛されない。当然、このゲームでも一方的な勝利だと貰える報酬も少なくなる。面白い試合をした選手にだけ、富と名声が集まる世界なのだ。
とくに「ONLINE BATTLE」では、観客や対戦相手の評価で「人気ポイント」が決定するので、しょっぱい試合は禁物! 月間ポイントランキングで1位になると各ステージのチャンピオンに任命されるので、日ごろから“魅せる”試合展開を意識して、トップレスラーの座を目指そう!
さて、久しぶりにプロレスゲームをやって思ったのは、やっぱり「プロレスは楽しい」ってことだった。アングル(プロレスにおけるリング外の物語のこと)に対する強いこだわりをもった往年のプロレスファンや、面白いプロレスゲームが出ないと嘆いているゲームファン。最近ちょっとプロレスから離れてしまった皆さん! とりあえずゴチャゴチャ言ってないで『プロレスやろうぜ!』(笑)