シリコンスタジオ、非エンタメ領域で手応えを感じるも、主力がふるわず営業損失12億超。平成29年11月期決算。

主力の開発推進・支援事業とコンテンツ事業が赤字。来期以降で黒字転換を狙う。

シリコンスタジオ株式会社は、平成29年11月期決算を2018年1月15日(月)に発表した。当期売上高は61億1500万円(前期比12.7%減)、営業損失12億5100万円、経常損失12億200万円、親会社株主に帰属する四半期純損失は11億3700万円となった。

シリコンスタジオ

当期の経営成績の概況

開発推進・支援事業に関しては、既存及び新規ミドルウェアの開発期間延長によるサポート収入があったものの、ライセンス販売で開発の長期化や開発受託案件の需要が成約まで至らなかったこと、導入コストの低い他社製品との競争激化、案件規模の縮小化などにより期初計画を大幅に下回った。

受託開発においては、クライアント先の体制・予算見直し等の影響及び開発規模の縮小等により、期初計画を大幅に下回り、売上に貢献できなかったと発表。一方、新しく取り組んでいる非エンターテインメント領域の新規開拓について、案件数が大きく増加。技術力を活かし、非エンターテインメント領域(自動車業界、建築業界、セキュリティー業界等)の分野を中心に、より広範囲の製品と組み合わせて使えるようにミドルウェアに改良を加えるとともに、積極的に拡販活動を行い、業績回復及び業績安定に向けて全力を尽くすとした。

自動車分野に関しては、既に組込システムの先行開発から設計段階まで進み、実装も視野に入れるとした。また、データサイエンス(ディープラーニングの活用等)領域に関しては、ユーザー行動の未来予測等に成果が出始めており、今後の事業拡大に繋がるものと確信。

コンテンツ事業においては、各コンテンツにおけるユーザー数の減少並びに新規タイトルの開発遅延により計画未達。期中において、株式会社S&Mゲームスに『逆襲のファンタジカ』と『刻のイシュタリア』を譲渡。開発体制の再構築を図ったが、『テラバトル2』の開発遅延に加え、リリース後にサーバー不具合、システムエラー等が生じたことやユーザーの継続率、課金率等が当初の想定に届かなかったことから、サービス設計の見直しや戦略の変更が必要になり、売上への寄与は至らなかった。今後は、受託タイトルや協業タイトルを中心に開発を行うことで、業績変動の影響を抑え安定した利益を確保できるよう全力を尽くすと発表した。

さらに、変化する市場環境に対応したサービス提供を行えるように運営体制の効率化を図り、人材事業においては、昨年度からの順調な売上伸長が継続し、稼働率高まっていること、厳しい人材マーケットにもかかわらず、比較的順調に社員の採用及び求職者・派遣労働者の確保できたことから、業績は安定に推移したとのこと。

以上の結果、売上高61億1571万円(前期比12.7%減)、営業損失12億5153万円(前年同期は4億1100万円の損失)、経常損失12億275万円(前年同期は4億2800万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は11億3781万円(前年同期は4億9900万円の損失)となった。

セグメント毎の業績は、以下。

開発推進・支援事業
イギリスARM社の子会社であるGeomerics社から、全てのプラットフォームに対してリアルタイムのグローバルイルミネーション(大城照明、または間接光表現)を提供する技術「Enlighten」に関するソフトウェアライセンスの取得、全世界における開発、販売、サポートの権利を取得。しかし、全世界の販売体制の構築に手間取った関係で、期初計画を下回った。

受託開発においては、受託開発を行っている連結子会社のイグニス・イメージワークス株式会社において、昨年より遊技機器業界の射幸性を抑制することを目的とした規制強化が続いており、新規に獲得する予定であった遊戯機器向けグラフィックスの開発受託案件の人員配置換え等を実施し、案件獲得を目指したが、減収をカバーすることができなかった。

以上の結果、売上高は30億8271万円(前期比6.1%増)、セグメント損失は3億7634万円となった。

コンテンツ事業
コンテンツ事業の早期黒字化のためには抜本的な構造改革が必要との判断により、『逆襲のファンタジカ』と『刻のイシュタリア』の2作品の譲渡を実施。未発表の1タイトルに関しても、期内にリリースできなかったと発表。

以上の結果、売上高は15億6046万円(前期比47.6%減)、セグメント損失は6億2762万円となった。

人材事業
当連結会計年度における派遣先企業で稼働中の一般派遣労働者数は延べ2709名、有料職業紹介の成約実績数は165名と発表。

以上の結果、売上高は14億7369万円(前期比30.1%増)、セグメント利益は3億149万円(同55.0%増)となった。

平成30年11月期の連結業績見通しに関しては、売上高73億8200万円(前期比20.7%増)、営業利益は1億400万円、経常利益は1億2100万円、親会社株主に帰属する当期純利益は1億1100万円を見込んでいると発表した。

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関連サイト

シリコンスタジオ株式会社公式サイト
平成29年11月期 決算短信〔日本基準〕(連結)