家庭用ゲームソフトの開発に集中するため、開発陣やマネジメント環境を強化。IPによるライセンス収入が売上に貢献。
株式会社カプコンは、平成30年3月期第3四半期決算を2018年1月31日(水)に発表。当期連結経営成績は、売上高477億4000万円(前年同期比10.8%減)、営業利益70億900万円(同36.9%増)、経常利益70億9900万円(同71.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益44億3900万円(同60.7%増)となった。
経営成績に関する説明
競争力の源泉である家庭用ゲームソフトの開発等に傾注するため、マネジメント体制の強化や開発陣の拡充、開発環境を整備した。また、売切り型のパッケージ販売に加え、持続的な利益が見込まれるダウンロード版の拡大にも注力。足踏み状態が続いているモバイルコンテンツに関しては、テコ入れをはかるため、組織改革や訴求タイトルの開発、提携ソフトの供給など、顧客満足度の向上につとめた。
パチスロ機部門では、近年の型式試験方法の変更が大きく響き、苦戦を余儀なくされた。
収益の多角化をはかるため、自社の人気タイトルで映画、アニメ、文房具、玩具、飲食品などに活用したワンコンテンツ・マルチユース戦略を推進。
上記の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は477億4000万円(前年同期比10.8%減)。利益面については、自社IP(知的財産)によるライセンス収入の貢献もあり、営業利益70億900万円(同36.9%増)、経常利益70億9900万円(同71.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益44億3900万円(同60.7%増)となった。
セグメント毎の業績は、以下。
デジタルコンテンツ事業
『バイオハザード7 レジデント イービル(プレイステーション4(以下、PS4)、Xbox One、パソコン(以下、PC)用)』や『モンスターハンターダブルクロス(Nintendo Switch用)』が堅調に推移。『ウルトラストリートファイターII(Nintendo Switch用)』もスマッシュヒットとなった。
2017年9月発売した欧米をターゲットにした『マーベル VS. カプコン:インフィニット(PS4、Xbox One、PC用)』は軟調に展開となった。
オンラインゲームに関しては、配信10周年を記念して大型アップデートを行った『モンスターハンター フロンティア Z』が根強い人気に支えられ、底堅く売上を伸長。
現状の局面打開に向けて提携戦略等の事業改革を推進中のモバイルコンテンツは、『モンスターハンター エクスプロア』が安定した人気を持続するとともに、IPを用いたライセンス収入が利益向上に寄与した。
以上の結果、売上高は308億4400万円(前年同期比8.5%増)、営業利益62億5700万円(同328.2%増)となった。
第4四半期に関しては、当期の旗艦タイトルである『モンスターハンター:ワールド(PS4、Xbox One用)』の発売により本格的な攻勢をかけると発表。
アミューズメント施設事業
女性や訪日客など、新規ユーザーの増加により市場が活性化傾向にある状況のもと、顧客ニーズに対応したゲーム機の設置や各種イベントの開催、サービスデーの実施等の集客展開によって、親子連れなど新規顧客の取り込みやリピーターの確保に取り組んだ。あわせて店舗運営コストの削減に努めた。
出店については2店舗をオープン、1店舗を閉鎖し、総施設数は37店舗となった。
以上の結果、売上高は76億3200万円(前年同期比8.0%増)、営業利益8億1500万円(同33.4%増)となった。
アミューズメント機器事業
『バイオハザード リベレーションズ』が原価率の低減により一定の利益を確保でき、受託ビジネスの拡大に努めた。しかし、型式試験方法の変更等に伴う市場環境の影響は避けられず、弱含みに展開した。
業務用機器部門については、メダルゲーム『モンスターハンター メダルハンティングG』が安定した人気に支えられ、底堅い売行きになったが、同事業は総じて軟調に推移。
以上の結果、売上高は77億1100万円(前年同期比53.5%減)、営業利益21億2800万円(同60.7%減)となった。
その他事業
主にライセンス許諾によるロイヤリティ収入や、キャラクターグッズなどの物品販売を行なった。
以上の結果、売上高は15億5200万円(前年同期比9.5%増)、営業利益7億5800万円(同34.8%増)となった。
連結業績予想に関しては、平成29年4月27日に発表した内容から変更はないとのこと。