カプコンのアドベンチャーゲーム『逆転裁判』と、コメディアニメ『秘密結社鷹の爪』がまさかのコラボ、タイトルもズバリ『逆転吉田』! 島根県が誇る“脱力系”アイドルの吉田くん(本名:吉田“ジャスティス”カツヲ)が、弁護人として裁判に出廷し、ここぞとばかりに「異議あり!」を乱用まくる、かなりシュールなゲームです。
そもそも、世界征服をめざしている(身長90cmの)吉田くんが、(あの表情で)法廷に立っているだけでも面白すぎて、ゲームとしては若干の“出オチ感”すら漂っているわけですが、ともかく、吉田くんがどんな法廷バトルをくり広げるのか、さっそくレビューを進めていきます!
さてこのゲーム、公式のジャンルは「法廷バトル風吉田くん育成シミュレーション」となっています。どうやら法廷バトルを通して、吉田くんを人間的に成長させていくのが目的みたいですね。
雑用のアルバイトのつもりで「成歩堂法律事務所」にやってきた吉田くん。ところが、所長の成歩堂龍一(『逆転裁判』シリーズの主人公)の出張中に依頼人が来てしまい、急遽、アルバイトの彼が弁護人として裁判所に出廷することになります……!!
◆まずは「IQ」集めからスタート!
ゲームの流れとしては、「探偵パート」で情報を集めて「法廷パート」で審理を行なうという感じです。ただし、探偵パートで吉田くんが集めるのは証言ではなくて知能指数の「IQ」。たくさん人と会話をすることで、ちょっとずつ吉田くんの頭が良くなっていくぜ――みたいなことだと思います。おそらく。
そんなわけで、探偵パートでは“手当たりしだいに”周辺の人に話しかけて、吉田くんの「IQ」をどんどんアップさせましょう。画面上に出現した人物をタッチするだけの簡単操作ですし、出現した人物が時間経過で消えることもないので、頬杖をついてのんびりプレイしても順調に進んでいきます。
◆人生も裁判もやったもん勝ち!
IQゲージが一定まで貯まったら、いよいよ公判がスタートします。現在のところ、合計20話の公判ストーリーが用意されていて、話数が増えるほど、吉田くんのIQもたくさん必要になります。
公判のレビューは大きなネタばれになってしまうので自重しますが、とりあえず『逆転吉田』の冤罪はダイナミックすぎますね(笑)。事件のほとんどが原告側の妄想なので、被告人も大体、自分がなんで法廷に立っているのかを理解していません。まあ、妄想には妄想で対抗ということで、弁護人、吉田くんの出番というわけです。
法廷を取り仕切る裁判長は、予想どおり「鷹の爪団」の総統、小泉鈍一郎でした。この裁判長がメチャメチャ人の意見に流されやすいうえに、やたらと飽きっぽいので、もはや言ったもん勝ちみたいな法廷バトルがくり広げられます。
とりあえず吉田くんが勝訴しないと次のお話に進めないのですが、敗訴パターンもかなり笑えるので、最初は負けてみるのもアリだと思います。とはいえ、原告側の検事もポンコツなので、簡単には負けさせてくれませんが!
◆失敗もコンプリートすれば達成感に変わる!
裁判に勝つと吉田くんのコスチュームが増えたり、新しいアドバイザーが追加されたりします。逆に裁判に負けてしまうと吉田くんのレベルが1に戻ってしまいますが、実は小まめに敗訴したほうが、ゲームとしてはサクサク進んでいきます。
このゲームには「YP(吉田ポイント)」という、ゲーム内通貨のようなものがあります。このYPは吉田くんのレベルがアップしたときにもらえるので、吉田くんのレベルを1に戻せば、その都度ガッツリYPを稼ぐことができるわけです。また、一度敗訴した裁判には「再チャレンジボーナス」が付くので、次回は少し勝ちやすくなります。
敗訴や失敗の記録も、どんどん「図鑑」に登録されていくので、コンプリートを目指していろいろな失敗をしましょう。
『逆転吉田』は、『鷹の爪団』や『逆転裁判』シリーズ双方のファンはもちろんのこと、一方しか知らない人にも十分におすすめできる作品です。意外な組み合わせながら、どちらの魅力も引き立てていると言いますか。何はともあれ、まずは本作で、脱力系ギャグコメディのシュールな笑いや、法廷バトルの流れを気楽に味わってみませんか?