FacebookやTwiter、mixiなど、現代人の生活にはソーシャルネットワークサービス(SNS)はもはや欠かせません。友達とのおしゃべりや近況報告、情報収集など、利用する目的はそれぞれでしょうが、どのSNSもまったくやっていないという人は少ないのではないでしょうか。
さて本作『卒業式からの脱出 – FSN -』はタイトルに「FSN」と入っておりますが。これは「Fake Social Network」の略。本当は存在しない架空のSNS内で展開する、謎解きアドベンチャーゲームとなっております。同じ開発元の前作『13人の謎 – Fake Social Network -』に続く、Facebook風謎解き脱出ゲームの第2弾ですが、前作をプレイしてなくても特に支障なくプレイできます。
◆SNSだけど会話は選択式で楽々!?
ゲームを開始すると管理システムがさらっと操作の説明をしてくれますが、このゲーム、謎解きアドベンチャーであるにもかかわらず地の文やキャラクター同士の直接の会話というものがありません。すべてSNS上のコメント、会話だけで進行していきます。
FNSでは基本的には自分で文章を考えてコメントをする必要はなく、オープンスレッドの「Feed」や個人間での会話になる「Message」は、コメント欄をタップすると表示される三択のコメントを選べば会話が進行します。
ただし、主人公のフレンドたちは謎解き好きの人が多く、ことあるごとに問題が出されます。その問題への解答は選択式ではなく、自分で数字や文字を打ち込む形になるのです。
何人ものフレンドと同時進行的に会話することになりますが、現在、誰宛てにどこでコメントを打てばストーリーが先に進むかは「Notice」の欄を見れば一目瞭然。基本的には誰かが出した謎を解くと、ほかのフレンドとの会話フラグが立つような感じでしょうか。
フレンドはメインストーリーに絡んでくる謎を出す人と、物語とは関係なく普通に謎かけしてくるフレンドとに分かれているようです。リアルのSNSへのシェアや課金でさらにフレンドが増えますが、こちらはメインストーリーには絡んではこないので、課金しなければ物語の最後まで行き着けないということはありません。
◆卒業式当日、SNS上での他愛のない会話から事件が始まる……!
さて気になるストーリー内容にもネタバレにならない程度に軽く触れておきましょう。SNS上でのみんなのコメントを読んでいくと、ゲーム内の時間はどうやら卒業式の朝であるらしいことがわかります。卒業したら上京する、なんてコメントしているフレンドもいるので、場所はどこかの地方都市でしょうか。どうも特定できる要素はないみたいですが。
フレンドたちのコメントを読むに、主人公は学年でトップの成績を誇っていたようです。この辺、主人公に自己投影できるかどうかはプレイヤーそれぞれがリアルでどういう学生生活を送ったかにかかってますね。筆者がこの主人公に自己投影できたかどうかは……まぁ訊かないでやってください。
しかしよく読んでみると、すぐにちょっと様子がおかしいことに気づくでしょう。卒業式の朝で、みんなもう学校に集まっているのに、主人公はまだ学校には着いていないようです。そしてフレンドたちからぽんぽんとジャブのように繰り出されてくる謎を解いているうちに、本格的に事件が始まっていくのです。
当然せっぱ詰まった謎を解かなければいけないときにはそれなりに緊張感がありますが、このSNS上で交わされる会話は基本的にはのんびりしていて、そしてやはり卒業式というイベント前で、時おり少し寂しげなものもあります。他愛のない会話も多いんですけどね。こういう空気、ちょっとリアルです。
◆画像で出題される謎をずばっと解いて卒業しよう!
フレンドたちから出題される謎は、すべて画像を見て解く形になっています。画像といっても文字だけのものもありますが。暗号系の出題が多い感じで、ひとひねり加えられた問題もありますが、だいたいはちょっと頑張れば解けるものが多いんじゃないでしょうか。若干英語知識が必要となる問題もありますが……ちなみにどうしても難しいという場合には、広告を見ればヒントをもらうことができます。
SNSという慣れ親しんだ人の多いシステムを模して作られた謎解きゲームは、いかにも現代の世相とマッチしています。文字の多いアドベンチャー系のゲームは苦手だという人も、このシステムならすんなり入っていけるのではないでしょうか。
架空のSNSを使ったFSNシリーズ、これから第3弾、第4弾と配信されていくのでしょうか? また新しいシリーズ作を遊んでみたい気にさせられるゲームだと思います。