【レビュー】『ダイスの神』スキルカードを駆使して相手を破産に追い込むモノポリー型ボードゲームが登場!


 ダイス――日本語で言えばサイコロのことだが、これは世界中で親しまれてきた遊戯道具だ。古くは秦の始皇帝の時代から、人々はランダムに現れる数字に一喜一憂してきたという。本作『ダイスの神』は、そんなダイスとテーブルゲームが融合した遊びのなかで最もメジャーなもののひとつ、モノポリーをモチーフにしたゲームである。


◆モノポリーから交渉を排除し親しみやすくスピーディに!

 基本的なルールはいたって単純だ。ふたつのダイスを転がし、出目にしたがって盤面を移動する。止まったマスが空き地だった場合、自動的に自分の土地となり、そのマスに止まったほかのプレイヤーから集金し、所持金を奪っていく。特定のエリアをすべて自分の土地にすると「独占」状態となり集金額が上がるほか、盤面を周回するごとに集金額が上がるため、終盤は所持金を激しく奪い合う展開になる。

▲おおよその出目はダイスを転がす=画面から指を離すタイミングで狙うことができる。ただし大きく外れることもあるので、あくまで「確率を上げる」程度と認識しておこう。


 マス目には土地マスのほか、所持金を払うかゾロ目を出すかしなければ3ターン動けなくなる刑務所、お金が取られる税務署などがあり、ゲームの緊張感を高めてくれる。最終的にほかのプレイヤーすべての所持金を0にしたプレイヤーの勝利となる。

 1プレイに要する時間はおおよそ10分程度。隙間時間に遊ぶことの多いスマートフォンゲームにはちょうどよいプレイ時間ではないだろうか。また、モノポリーを初心者から遠ざける原因の一つともなっている「交渉」の要素を排除したことが、プレイ時間の高速化と、ゲームへの入りやすさに大きく貢献している。

◆スキルカードやダイスのカスタマイズによって深まる戦略

 ここまでの説明だとモノポリーの簡易版といった印象を受けるかもしれない。ただし『ダイスの神』はキャラクターの育成や、デッキ構成、スキルカードの使用などが勝負を決める側面もあり、モノポリーとは違うゲーム性を味わわせてくれる。

 スキルカードはゲームスタート時の手札3枚のほか、4ターン経過ごとに山札から1枚を手札に加える。最初の手札はあらかじめ設定可能なので、序盤に使いやすいカードを揃えておきたい。

▲このスキルカードは必ずゾロ目を出す効果があり、刑務所からの脱出に最適だ。


 ダイスにはさまざまな種類があり、よりコストの高いダイスを制作することで、大きな効果を発揮する。たとえば「ダイスコントロール」と呼ばれる能力値があるが、これを高めるほど狙った出目が出しやすくなる。あくまで確率が上がるだけだが、ゲームが有利に運ぶのは間違いない。

▲一定確率で所持金が多い状態で始まる「ラブリーダイス」。効果はさまざまだが、見た目で選ぶのもよいだろう。


 キャラクターの育成要素もあり、強化することで刑務所から出る費用が安くなったり、ゲームスタート時の所持金が増えたりする。モノポリーと違い、プレイヤーごとにスタートラインが違うのだ。やりこんだプレイヤーほどゲームが有利な仕組みであり、続けがいがあってうれしい。


▲初期キャラのマリー。「スタートマネーボーナス」値の半分が初期マネーに加算される。10なら+5%であり、レベルを上げる事でこの値も上昇する。


◆オンライン対戦ならではの熱い駆け引きが楽しい!

『ダイスの神』は最大4人のプレイヤーとオンライン対戦できる。日本だけでなく英語、中国語などにも対応しており、絵文字と合わせて使用すれば海外のプレイヤーともコミュニケーションを取りやすい。オートプレイの設定もできるため、一時的にゲームを離れたいときもほかのプレイヤーに迷惑を掛けず進められる。

 課金要素はキャラクター入手のほか、ダイスのパーツ、スキルカードを入手するガチャである。ただし、これらはゲーム中に入手するポイント「JOY」でも購入できるため、時間はかかるが無課金でも最高ランクのカードを入手するのは不可能ではない。

▲JOYは対人戦で大会に参加するのにも使用する。最低ランクのルーキーは入場料が2億JOY。ここから成り上がれ!


◆熱中間違いなし! 奥深い戦略性と手軽さを兼ね備えたボードゲーム

 当初は「モノポリーの亜種か?」との感覚でプレイを始めた『ダイスの神』だったが、『モノポリー』の基本を踏襲しつつも、スキルカードやダイスのカスタマイズなどによって、奥深い戦略性とやりこみ要素が加わった良作であった。そして、リアルタイムで対人戦ができるのはやはりうれしい。短時間でプレイできるゲームではあるが、ついついやり過ぎてしまう中毒性がある『ダイスの神』。ぜひプレイしていただきたい。
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