テレビ東京HD、先行投資費用増加で減益 営業利益47億円 平成31年3月期第3四半期決算

テレビ東京

アニメ事業の「NARUTO」や「BORUTO」が海外で順調に推移し、売上をけん引。VTuberやeスポーツなどの新規事業も好調。

株式会社テレビ東京ホールディングス(以下、テレビ東京)は、2月6日(水)に平成31年3月期第3四半期決算を発表した。当期連結経営成績については、売上高は1104億9500万円(前年同期比2.6%増)、営業利益は47億1200万円(同23.3%減)、経常利益は45億6700万円(同30.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は26億7200万円(同36.1%減)だった。

決算 損益概況 セグメント別

経営成績に関する説明

テレビ東京グループの連結売上高については、地上波放送事業でのタイム収入や海外売上を中心としたアニメ収入などが貢献。

一方の費用面では、グループ全体の競争力強化を狙った先行投資として、4K関連や配信関連の費用が増加し、今期減益の大きな要因となった。

以上の結果、当第3四半期連結家さん累計期間の経営成績は、売上高1104億9500万円(前年同期比2.6%増)、営業利益47億1200万円(同23.3%減)、経常利益45億6700万円(同30.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益26億7200万円(同36.1%減)だった。

セグメント毎の業績は以下。

地上波放送事業
放送収入のうちタイム収入は、レギュラー部門での「日曜ビッグバラエティ」などのベースアップに加え、大型特番セールスが好調に推移し、377億9600万円(前年同期比3.3%増)となった。スポット収入については、東京地区全体が引き続き低調に推移したことで、224億2700万円(同3.2%減)となった。タイム・スポット合計では、602億2400万円(同0.8%増)の増収となった。BSなどの収入は、16億4600万円(同6%減)だった。

番組販売収入は、10月以降各局の編成事情によりレギュラーの番組販売が減少したが、年末の単発セールスで追い上げたことで、34億6300万円(同16.9%増)だった。

ソフトライツ収入は、番組では「TVチャンピオン極~KIWAMI~」の海外配信販売やドラマ作品のほか、「孤独のグルメ」シリーズなどの過去作品の国内配信販売、ビジネスオンデマンドやParavi向けの経済コンテンツ収入などが好調に推移。映画は「アウトレイジ最終章」の追加配収やビデオグラム収入が好調だった。

アニメ事業では、中国をはじめとした海外にて、「NARUTO」の配信やゲームが引き続き堅調に推移し、新しく「BORUTO」や「ブラッククローバー」も順調に売上を伸長した。それにより、国内の商品化の取り扱いが減少したが、ソフトライツ収入全体としては190億8200万円(同9.4%増)となった。

イベント収入では、フィギュアスケート「ジャパンオープン2018」「カーニバル オン アイス2018」と「オペラ座の怪人 ケン・ヒル版」のチケット販売が好調で、イベント収入全体では9億9800万円(同26.2%増)になった。

一方、営業費用全体では813億2200万円(同5.2%増)となった。これに関しては、4K関連や配信関連で、将来の収益化を見込んだ先行投資的な費用が増加や、新しくスタートした配信連動型のバラエティ番組「青春高校3年C組」や、月曜22時の経済ドラマなどに戦略的に制作費を投下したことによるもの。また、「サッカーロシアワールドカップ」などの放映権料も制作費増の要因となった。

上記の結果、売上高は859億1500万円(同3.4%増)、営業利益は45億9200万円(同20.8%減)となった。

放送周辺事業
音楽出版関連では、海外からの印税収入や出資アーティスト関連収入は堅調だったものの、代表権を持つ管理楽曲印税収入が伸び悩んだ。これにより、株式会社テレビ東京ミュージックの売上高は20億5200万円(前年同期比11.4%減)となった。

CS放送関連では、9月末からのHD放送開始、加入促進キャンペーンの効果もあり、アニメ専門チャンネル「AT-X」の加入者数は、想定より小幅な減少にとどまった。しかし、広告関連売上やライツ売上の減少に加え、イベントの計上が第4四半期にずれたことで、株式会社エー・ティー・エックスの売上高は38億8800万円(同14.6%減)の減収となった。

上記の結果、売上高は310億7900万円(同10.9%増)、営業利益は21億5000万円(同5.3%増)となった。

BS放送事業
放送収入は、株式会社BSテレビ東京が10月1日に社名変更したことにあわせた特番や、4K放送を盛り上げるため、民放4局合同企画「大いなる鉄路16,000km走破 東京発→パリ行き」を放送。新規の大型案件「卓球・Tリーグ中継」も放送するなど特番のセールスが好調。しかし、レギュラーの落ちを埋め切れず、タイム収入は前年実績を下回った。

一方その他収入部門では、BSオリジナルドラマを引き続き製作するなど、製作投資事業を伸ばし、ソフトライツ部門を中心に前年実績を上回った。

上記の結果、売上高は120億9500万円(前年同期比1.9%増)、営業利益は9億円(同63.5%増)となった。

コミュニケーション事業
バーチャルYouTuber、IP獲得などの新規事業に加えて、eスポーツ関連の事業をスタート。また、キャラクター関連事業では、海外ライセンス売上が順調に推移し、「おかいものスヌーピー」の年末販売も好調だった。

一方、「虎ノ門市場」と「厳選いい宿」を株式会社テレビ東京ダイレクトに事業移管したことで、売上が大きく減少した。

上記の結果、売上高は31億8700万円(同36.3%減)、営業利益は3億1400万円(同10.7%減)となった。

関連サイト

株式会社テレビ東京ホールディングス公式サイト
平成31年3月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
2019年3月期第3四半期決算補足資料

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