吉本興業、アジアの大手動画配信サービス「iflix」に出資 日本の動画コンテンツをアジア市場に提供

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アジア版「Netflix」といわれる「iflix」への出資を通じて、今後のアジア展開に向けた地盤づくりとメディア市場へのPR効果を狙う。

吉本興業株式会社(以下、吉本興業)は、アジアを中心に映像ストリーミングサービスを展開しているマレーシアの大手動画配信サービス「iflix(アイフリックス)」に出資することを発表した。

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「iflix」は、アジアや中東、北アフリカの22カ国サービスを展開している映像ストリーミングサービス。アジア圏最大級の動画配信事業者であり、アメリカの「Netflix(ネットフリックス)」のアジア版ともいえる存在だ。同サービスは、2015年にマレーシアで創業し、アジアを拠点に新興市場に向けて事業を展開している。

近年は、各国にあわせてローカライズしたドラマやリアリティーショウなどの現地オリジナル作品に注力しており、アクティブ会員は1000万人以上(2019年4月現在)だ。これまでにも大型の資金調達を成功させていることから、世界から注目されてる成長企業のひとつだ。

本出資により、両社は互いが50%ずつ出資する合弁会社を、5月ごろまでにシンガポールに設立する予定。

合弁会社では、よしもとグループなどが制作する日本動画コンテンツを調達し、「iflix」のテリトリーであるアジアや中東、北アフリカの地域に提供する総合窓口としての機能を果たすほか、今後、両社がアジア市場向けのオリジナルコンテンツを共同制作する際のプラットフォームになる。

さらに、提供コンテンツの視聴行動データをもとに、今後のアジア市場向けのオリジナルコンテンツ制作に役立ていく。

今回の発表に関して、「iflix」に向けた日本企業からの出資は初めての事であり、吉本興業としも初の海外メディアへの出資で、今後のアジア展開に向けた地盤づくりの加速と、メディア市場へのPR効果を狙っている。

今後の意気込みとして、吉本興業の清水副社長は「今回、アジアの大手メディアに出資することは、吉本興業のアジア戦略にとって大きな一歩となります。こうした動きが、いずれオールジャパンのアジア展開につながることを期待します」と述べた。

また、iflix CEOのブリット氏も「ここ3年で韓国のコンテンツがグローバルに評価されるようになりましたが、今回の吉本興業とのパートナーシップを機に、2年で日本のコンテンツがそれを超えるような状況を目指します。いろいろなコンテンツを共同制作し、6億人の視聴者に新しい驚きを届けたいと思います」と語った。

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関連サイト

吉本興業株式会社公式サイト
「iflix」公式サイト(海外サイト:英語)

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