カプコン、「モンハン」や『バイオRE:2』が業績をけん引し増収増益 営業利益181億円 2019年3月期決算

海外をターゲットにした『DMC5』の安定や「モンハン」シリーズの好調で業績向上。アミューズメント機器事業は市況軟化で大きく減収減益。

株式会社カプコン(以下、カプコン)は、2019年3月期決算を5月7日(火)に発表した。当期連結経営成績は、売上高は1000億3100万円(前期比5.8%増)、営業利益181億4400万円(同13.1%増)、経常利益181億9400万円(同19.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益125億5100万円(同14.8%増)となった。

カプコン決算

経営成績に関する説明

2018年に市場を席巻した『モンスターハンター:ワールド(以下、モンハン:ワールド)』が伸長したことで、出荷本数が1200万本を突破。それにより、カプコンの単一タイトルとして、過去最高記録を更新した。

『デビル メイ クライ5(以下、DMC5)』に関しても、海外で定着した人気により200万本を出荷するなど、訴求力を発揮したことで好調に推移した。

また、2018年から注目されているeスポーツに関しては、「東京ゲームショウ2018」で開催した「CAPCOM Pro Tour(カプコンプロツアー)ジャパンプレミア」が盛り上がった他、2019年2月に人気格闘ゲームを活用した「ストリートファイターリーグ powered by RAGE」を実施するなど、新事業領域を開拓するための布石を打ってきた。

以上の結果、売上高は1000億3100万円(前期比5.8%増)、営業利益181億4400万円(同13.1%増)、経常利益181億9400万円(同19.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益125億5100万円(同14.8%増)となり、過去最高益の記録を更新した。

セグメント毎の業績は以下。

デジタルコンテンツ事業
大型タイトル『バイオハザード RE:2』の予想を上回る人気により、業績向上をけん引。海外をターゲットにした『DMC5』も安定したニーズに支えられた。

カプコンの看板タイトル『モンハン:ワールド』がユーザー層の拡大により、人気が持続し、パソコン向けSteam版も堅調に推移したことで、利益を押し上げた。同じく海外向けに投入した『モンスターハンターダブルクロス』も順調に伸長したことで、「モンスターハンター」シリーズが収益向上に大きく貢献した。

そのほか、『ロックマン11 運命の歯車!!』や『ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクション』など、高利益率のリピートタイトルも根強い人気となった。

上記の結果、売上高は829億8200万円(前期比11.9%増)、営業利益は233億1500万円(同22%増)だった。

アミューズメント施設事業
多様な顧客に対応したゲーム機の設置やサービスデーの実施、各種イベントの開催等により、リピーターや中高年齢者、女性、親子連れ、訪日外国人(インバウンド)など、幅広い客層の取り込みに努めてきた。

新機軸として2018年11月から、スマートフォンやパソコンの遠隔操作によるオンラインクレーンゲーム『カプコンネットキャッチャー カプとれ』をスタート。

店舗数については、2店舗をオープンするとともに、1店舗を閉鎖したことで、施設数は37店舗となった。

上記の結果、売上高は110億5000万円(前期比8%増)、営業利益10億9600万円(前年同期比24.6%増)となった。

アミューズメント機器事業
パチスロ機部門は、市況軟化のもと『ストリートファイターV』や『バイオハザード イントゥザパニック』などを発売したが、消費マインドの低下やホールオペレーターの投資抑制などにより、伸び悩む結果となった。

また、業務用機器部門に関しても、商材不足により終始苦戦を強いられ、今後の戦略転換を余儀なくされるなど、事業全体としても軟調に推移した。

上記の結果、売上高は34億2200万円(前期比56.1%減)、営業損失26億6800万円(前期は営業損失7億6400万円)だった。

その他事業
主にライセンス許諾によるロイヤリティ収入やキャラクターグッズなどの物品販売を行なった。

上記の結果、売上高は25億7500万円(前期比10.2%増)、営業利益8億1100万円(同28%減)だった。

関連サイト

株式会社カプコン公式サイト
2019年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)