「FAガール」や「メガミデバイス」などの自社IPが業績をけん引。中国本土での認知度向上のため大手企業のECサイトに進出。
株式会社壽屋は、2019年6月期決算を8月13日(火)に発表した。当期の経営成績は、売上高82億9400万円(前期比5.9%減)、営業利益2億7200万円(同60.0%減)、経常利益2億4400万円(同60.3%減)、当期純利益1億3700万円(同期比67.2%減)だった。
経営成績に関する説明
卸売販売は、国内において2019年6月に劇場公開された『フレームアームズ・ガール~きゃっきゃうふふなワンダーランド』にあわせ、「フレームアームズ・ガール」製品とその関連製品「フレームアームズ」や「モデリング・サポート・グッズ」などが引き続き好調に推移した。その他、自社IP製品の「メガミデバイス」「ヘキサギア」も堅調に推移したことで、業績をけん引した。
国内物流にかかるコストの上昇、生産委託先である中国の人件費上昇に伴う製品原価の高騰など、利益率を圧迫する要因があるものの、生産工程の見直しや製品仕様の変更を行なうことで、品質を維持しつつコストの削減や不良率の低減をはかるなど、業務の効率化を推進。また、製品化にかかわる組織やプロセス、意思決定の仕組み等の見直しを実施し、利益率安定化へ向けての施策を推進した。
海外では、北米地域にて2018年7月に北米最大級のアニメ・コンベンションイベント「アニメエキスポ2018」、世界最大級のコミック、アニメ、映画等のポップカルチャーに関するコンベンション「サンディエゴ・コミックコンベンション」に出展。2019年2月には、ニューヨークで開催された「ニューヨーク・トイフェア」に出展し、最新製品のサンプルを含めた製品展示等、世界各国へ向けた製品やブランドアピール、プロモーションを行なった。
アジア地域では、国内と同様に「フレームアームズ・ガール」シリーズを中心に「メガミデバイス」などの自社IPによるプラモデル製品が好調だった。特にアジア地域でのSNS活動において、中国では「微博(ウェイボー)」へ簡体字で投稿をするなど、地域ごとのローカライズ活動に注力した。
また、今後の重要戦略地域のひとつとして、2018年11月に東南アジア最大規模のイベント「C3 AFA SINGAPORE」に出展し、プロモーション活動を行なうと共に販売チャンネルを拡大した。
直営店舗による小売販売については、各種催事やイベントを開催するなど、店舗集客を目的とした施策にも取り組んできた。ECサイトによる通信販売については、他社との差別化として直営店舗限定商品やノベルティーアイテムの開発を継続して積極的に推進。
小売販売事業における海外への本格的な展開として、1月には中国の最大手企業のひとつ阿里巴巴集団(アリババグループ)のECサイト「天猫国際(TMALL GLOBAL)」に「KOTOBUKIYA海外旗艦店」を出店、中国本土への認知度の向上をはかった。
その他、「フレームアームズ・ガール」の他企業へのライセンスアウトによる版権収入の増加など、コンテンツとして着実に成長を続けてきた。今後の事業領域の拡大を目指した活動としては、異業種とのアライアンスによるデジタルデータを活用したサービス開発を推進した。
以上の結果、当事業年度の売上高は82億9462万円(前期比5.9%減)、営業利益は2億7217万円(同60.0%減)、経常利益は2億4457万円(同60.3%減)、当期純利益は1億3755万円(同期比67.2%減)となった。