モブキャストHD、積極的な事業拡大も収益力改善が間にあわず赤字拡大 営業損失は約10億円 2019年12月期第3四半期決算

モブキャスト

ゲーム開発会社ゲームゲートや、全国の百貨店にカフェを展開する株式会社ゆとりの空間を子会社化。幅広い事業展開で事業効率化と収益改善をはかることで企業の黒字体質化を目指す。

株式会社モブキャストホールディングス(以下、モブキャストHD)は、2019年12月期第3四半期決算を11月13日(水)に発表した。当期連結累計経営成績は、売上高は44億5155万3千円(前年同四半期比18.1%減)、営業損失は9億857万6千円(前年同四半期は営業損失3億1167万4千円)、経常損失は10億516万4千円(前年同四半期は経常損失3億7839万4千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は9億6481万3千円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失4億9753万7千円)となった。

モブキャスト決算

モブキャストHDは、当第3四半期連結累計期間において、各社ごとにおける戦略に沿って、売上、利益の拡大をはかるとともに、エンターテインメント分野における新たな事業領域への拡大を目指し、2019年9月27日に株式会社ゆとりの空間の株式50.5%を取得し子会社化した。なお、2019年12月20日に追加で同社株式を取得予定でおり、合計60.2%の株式を保有する予定となっている。

セグメントごとの経営成績は以下の通り。

モバイルゲーム事業
モバイルゲーム事業については、前連結会計年度に引き続き、国内外の有力デベロッパーとの共同開発プロジェクトの推進とそれに伴う新規タイトルの共同開発及び配信中タイトルの運営強化に取り組んだ。

新規タイトルの開発については、5月14日に「劇的采配!プロ野球リバーサル」を、また、同28日に韓国ネプチューン社との共同開発タイトルである「ナナカゲ~7つの王国と月影の傭兵団~」を新たに配信した。また、配信中タイトルの運営強化につきましては、「モバサカCHAMPIOSMANAGER」において、GoogleのPlaySotreでのフィーチャー獲得により新規ユーザー数が増え、DAUが約1200増加する等、ユーザーの維持に努めた。

これらの取り組みにより、当第3四半期連結累計期間の売上高は26億4841万3千円となった。なお、当第3四半期連結累計期間において上記記載の新規タイトルの配信開始に伴う広告宣伝費1億6239万3千円投下したことにより、営業損失は3億2043万8千円となった。

モバイルゲーム事業については、上記グローバルアライアンス戦略による自社運営タイトルの譲渡及び移管等によりコスト構造の改革は進んでいるものの、引き続き営業損失を計上している。当第3四半期連結累計期間につきましては、新作タイトルの配信開始に伴う売上が寄与した一方で、配信開始前後の広告宣伝費の投下によりコストが増加した。一方で、コスト削減については引き続き進めており、売上に連動したコスト構造への転換をはかっている。

なお、かねてより検討していたモバイルゲーム事業にプラスとなる相手先との資本業務提携については、2019年11月13日に株式会社ゲームゲートの株式をモバイルゲーム事業を行うモブキャストゲームスが取得し子会社化する決議を行い、また、同時に2020年1月1日を効力発生日としてモブキャストゲームスがゲームゲートを吸収合併する決議を行なった。

ゲームゲートが持つニッチ領域におけるIP発掘能力と、モブキャストゲームスが持つ海外ネットワークにより、合併後の新会社においてはアニメIPを主体とした多領域展開を行ない売上の増加及び利益の拡大をはかっていく。

モータースポーツ事業
モータースポーツ事業につきましては、広告収益および事業収益を目的とした年間スポンサー契約の獲得、およびレース参戦車両の技術開発により自動車用品への技術転用や商品開発に必要なデータやノウハウの蓄積のため、国内の主要な自動車レースカテゴリーに参戦している。

当第3四半期連結累計期間は、2019年シーズンにおいてSuperGTでドライバーズランキング2位、SUPERFORMULAでドライバーズチャンピオンを獲得し、自動車レースでの上位入賞がもたらす常勝チーム「トムス」のプレゼンスの維持向上をはかりつつ、トムスブランド製品の品質をアピールし、商品開発車種の増加と海外販売及びネット販売等による販路拡大の基盤づくりを行なっている。

売上については、成長余地のある自動車用品販売の拡大に注力しており、TOM’Sパーツを装着したコンプリートカーの販売車種を増やしつつ、取り扱い店舗数の拡大と稼働率の向上に努めることで投資フェーズの国内ディーラー事業が4Q中に損益分岐ラインへ到達見込みとなった。

一方で、売上の伸長による粗利の増加により成長投資を徐々に吸収しているものの、商品開発用車両の新規購入、人員の採用を積極的に行なったことで、これらの新商品や人員の稼働が本格化する前であるがゆえに費用を売上でカバーできず当第3四半期連結累計期間において、売上高は17億3044万円、営業損失は2億2458万8千円となった。

また、モータースポーツ事業についても、自動車用品販売における商品数及び販売ルートの拡大に加え、引き続きシナジーの見込める相手先との資本業務提携をはかることによって売上の拡大を目指していく。

なお、モータースポーツ事業につきましては、2018年12月期第2四半期連結会計期間から連結対象としたため、前年同四半期の数値については2018年4月から9月までの6ヶ月間の実績となっている。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の当社グループの売上高は、44億5155万3千円(前年同四半期比18.1%減)となりました。また、営業損失につきましては、9億857万6千円(前年同四半期は営業損失3億1167万4千円)となった。また、営業外収益として「受取保険金」114万円等、営業外費用として「支払利息」2363万3千円、「支払手数料」2000万円、「持分法による投資損失」3377万2千円等を計上したことにより、経常損失は10億516万4千円(前年同四半期は経常損失3億7839万4千円)となった。

さらに、特別利益として「固定資産処分益」388万8千円を計上した結果、税金等調整前四半期純損失は10億127万6千円、親会社株主に帰属する四半期純損失は9億6481万3千円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失4億9753万7千円)となった。

なお、2019年9月27日に子会社化した株式会社ゆとりの空間の業績については、2019年12月期第4四半期連結会計期間より四半期連結損益計算書に含める予定。また、当社の子会社である株式会社モブキャストゲームスにおいて、2019年11月13日に株式会社ゲームゲートの株式を取得していて、株式会社ゲームゲートについては2019年12月より連結損益計算書に含める準備を進めており、新しい事業領域への進出による収益及び既存事業の効率化と収益改善により、グループ全体の収益力の改善、強化をはかる。

関連リンク

株式会社モブキャストホールディングス
株式会社モブキャストホールディングス 2019年12月期第3四半期決算短信

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