イグニス、恋愛・婚活マッチングサービスの売上増で赤字幅大幅縮小 営業損失7億円 2019年9月期決算

恋愛・婚活マッチングサービス「with」のユーザー数が230万人を突破。VRアイドル『えのぐ』がライブアプリ『INSPIX LIVE』で無料ライブを実施。

株式会社イグニス(以下、イグニス)は、2019年9月期決算を11月13日(水)に発表した。当期連結経営成績は、売上高55億7100万円(前期比14.3%増)、営業損失7億4400万円、経常損失8億6700万円、親会社に帰属する当期純損失6億3100万円だった。

イグニス 決算 サマリー ハイライト

経営成績に関する説明

当連結会計年度においては、前連結会計年度に引き続き高成長を続けているコミュニティジャンルが連結売上高に大きく貢献した。一方で、新規事業の中でもVR分野においては、商業化に向けた開発投資も積極的に行なった。

コミュニティ
恋愛・婚活マッチングサービス「with」において、他社類似サービスとの差別化をはかるため、心理学やAIを活用した最適な男女のマッチングを目指して、各種診断イベントの開催やレコメンド機能の「For You」を新規追加するなど、各種施策を講じてきた。国内でオンラインマッチングサービスが急速に浸透してきていることから、「with」についてはプロモーションによる新規流入のほか、クチコミによる新規流入も増加傾向にあり、2019年9月末時点でユーザー数230万人を突破するなど、サービスは引き続き順調に成長している。

上記の結果、売上高は29億8342万円(前期比72.2%増)となった。

恋愛・婚活マッチングサービス with

ゲーム
当連結会計年度は、主力タイトル『ぼくとドラゴン』が配信開始から5年目に突入し、既存ユーザーの満足度向上と収益の安定化を目指すため、季節イベントの強化や、他社人気IPとのコラボレーションを多数実施するなど、ユーザーとのエンゲージメントを高めるサービス運用を行なってきた。

2019年4月には、イグニスグループ初のブラウザゲーム『猫とドラゴン』を配信した。

一方で、2018年12月にリリースした、女性をターゲットにした新作スマホRPG『でみめん』については、ユーザー課金率及び新規ユーザー獲得数が伸び悩んだこと、新キャラクターや各種イベントの実施などの施策を行なったが、大幅な改善に至らなかったことから、2019年12月12日をもってサービスを終了することを決定した。

当連結会計年度については、プロモーションを中心とした的確なコストコントロールを続けたものの、既存タイトルと新規タイトルの売上寄与が限定的であったことで、ゲーム事業全体の売上高は減少した。

上記の結果、売上高は23億8301万円(前期比15.4%減)となった。

イグニス ゲーム

その他
バーチャルライブアプリ『INSPIX LIVE』を中心とした「バーチャルライブプラットフォーム事業」、VRアイドル『えのぐ』や、芸能プロダクション『VOYZ ENTERTAINMENT』による「エンターテインメント事業」、VR医療分野を含む「その他新規事業」を展開している。

「VR」分野では、バーチャルライブとバーチャル握手会が楽しめるバーチャルライブアプリ『INSPIX LIVE』を、2019年8月13日にリリースし、8月23日にはVRアイドル『えのぐ』がリリース記念ライブを、9月26日には無料ライブを実施し、ユーザーにバーチャルライブの体験を提供した。

その他にも、今後、複数の他社IPが『INSPIX LIVE』上でバーチャルライブを開催予定であるなど、他社IPの誘致も順調に進行している。

さらに、9月18日には第32回東京国際映画祭VR特設ステージへの『INSPIX LIVE』の技術提供を発表し、新時代のバーチャルライブ体験を創造するため、新しい活動を推進している。

イグニスVR

VRアイドル分野においては、業務提携先であるVRタレントのマネジメントを専門とする株式会社岩本町芸能社所属のVRアイドル『えのぐ』が、精力的に活動中だ。

芸能プロダクションを運営する連結子会社の株式会社VOYZ ENTERTAINMENTでは、所属タレントの「VOYZ BOY」が活動しているほか、2019年9月2日には「二次元と三次元を行き来する」5人組ボーイズグループ「学芸大青春(ガクゲイダイジュネス)」が活動を開始した。

上記の結果、売上高は2億458万円(前期比36.9%減)となった。

バーチャルライブ

以上の結果、当連結会計年度における売上高は55億7102万円(前期比14.3%増)、営業損失は7億4469万円(前期は25億3290万円の営業損失)、経常損失は8億6765万円(前期は25億7175万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は6億3117万円(前期は26億5108万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となった。

関連サイト

株式会社イグニス公式サイト
2019年9月期決算短信〔日本基準〕(連結)
2019年9月期決算説明資料