KADOKAWA、Webサービス事業の利益増で大幅な増益を達成 営業利益63億円 2020年3月期第2四半期決算

KADOKAWA

Webサービス事業が「ニコニコチャンネル」の有料会員数増やイベントのコストコントロールで大きく黒字回復。出版や映像・ゲームも増収増益。

株式会社KADOKAWA(以下、KADOKAWA)は、2020年3月期第2四半期決算を11月14日(木)に発表した。当期連結累計経営成績は、売上高1004億3900万円(前年同期比1.7%減)、営業利益63億8900万円(同123.1%増)、経常利益68億500万円(同72.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益62億200万円(同192.7%増)だった。

決算 セグメント比較

経営成績に関する説明

出版事業
書籍、雑誌及び電子書籍・電子雑誌の販売、雑誌広告・Web広告の販売、権利販売等行なっている。

出版物はメディアミックス展開の重要な源泉のひとつであり、ヒット作創出のため年間5000タイトルもの新作を継続的に発行している。電子書籍や電子雑誌に関しては、市場動向を徹底注視した施策が奏功し、好調に推移している。

注目作品

書籍については、『ダンジョン飯(8)』(コミックス)、『魔法科高校の劣等生(30)』(ライトノベル)、『天気の子』(一般文庫)、『世界一美味しい手抜きごはん 最速! やる気のいらない100レシピ』(一般書)などが好調に推移した。

また、「Fate」や「文豪ストレイドッグス」等のシリーズ作品や、「角川まんが学習シリーズ」「角川まんが科学シリーズ」も好調に推移した。

現在、埼玉県所沢市で建築中の書籍製造・物流工場については、2020年7月から順次稼働する予定だ。

上記の結果、売上高は562億400万円(前年同期比2.0%増)、セグメント利益は33億800万円(同10.1%増)となった。

出版

映像・ゲーム事業
映画の企画や製作、配給、映像配信権等の権利許諾、パッケージソフトの販売、ゲームソフトウエア及びネットワークゲームの企画から販売、権利許諾等を行なっている。

北米や中国を中心にアニメ「オーバーロード3」「盾の勇者の成り上がり」「異世界チート魔術師」等の海外権利許諾による収入が引き続き好調に推移している。

また、IPを活用し、他社が配信するオンラインゲームとのコラボレーションによる権利許諾等が収益貢献した。

それに加えて、ゲーム『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』が国内外共に好調に推移したことで、大きく収益に貢献した。

上記の結果、売上高は236億2000万円(前年同期比0.8%減)、セグメント利益は36億4800万円(同44.1%増)となった。

映像・ゲーム

Webサービス事業
動画コミュニティサービスの運営、各種イベントの企画や運営、イベント会場の賃貸、モバイルコンテンツの配信などを展開している。

「ニコニコプレミアム会員」は、9月末には171万人(6月末は175万人)になったが、減少傾向はやや緩やかとなった。一方で、「ニコニコチャンネル」の有料会員数は108万人(6月末は101万人)と増加した。

4月に開催した「ニコニコ超会議2019」では、会場来場者数16万8248人と過去最高を記録するとともに、コストコントロールにより赤字幅は縮小した。

niconico

また、8月から9月にかけて行なった世界最大のアニソンライブ「Animelo Summer Live 2019 -STORY-」は3日間で8万4000人を集めたことで収益に貢献した。

前期より株式会社ドワンゴにおいて事業構造改革を推進し、コスト削減効果等の成果が引き続き現れていることから、外注費や通信費等を中心に費用が減少した。

六本木の「nicofarre(ニコファーレ)」、池袋の「ニコニコ本社」は7月末に営業を終了した。これら施設のコンセプトは、11月1日に池袋にオープンした「ハレスタ」へ継承され、ネットとリアル、バーチャルの融合を実現するコンテンツ発信拠点として、様々な文化を世界へ発信していく。

上記の結果、売上高は131億5900万円(前年同期比4.8%減)、セグメント利益は15億9100万円(前年同期は営業損失1億円)となった。

Webサービス

その他事業
教育事業やインバウンド関連事業の企画、運営、キャラクターグッズの企画、販売、アイドルCDの販売等のMD事業を行なっている。

スクール運営を展開する株式会社バンタンの収益貢献により、教育事業が好調に推移した。

インバウンド事業に関しては、将来の成長事業育成に向けて積極的に投資を行なっている。

MD事業においては、主に前年第1四半期に販売されたアイドルCDの反動により減収となった。

上記の結果、売上高は94億8900万円(前年同期比15.8%減)、セグメント損失は11億6700万円(前年同期は営業損失9億9900万円)となった。

以上の結果、当第2四半期連結累計期間における業績は、売上高1004億3900万円(前年同期比1.7%減)、営業利益63億8900万円(同123.1%増)、経常利益68億500万円(同72.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益62億200万円(同192.7%増)となった。

関連サイト

株式会社KADOKAWA公式IRサイト
2020年3月期第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
2020年3月期第2四半期決算説明資料

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