名古屋市内を中心に愛知県や岐阜県などに20店舗以上の書店を展開。出版不況や文具の不振などで業績改善が見込めず破産手続きを申請。
大和書店株式会社(以下、大和書店)が、11月29日に名古屋地裁から破産手続き開始決定を受けたことが、帝国データバングの倒産速報記事で明らかになった。負債に関しては、申請時には約30億円だが流動的とのこと。
大和書店は1962年に創業し、1994年10月法人改組した書店経営社。当初はパンの小売りを行なっていたが、1964年頃から書店経営に進出し、「ザ・リブレット」などの店舗名で大型ショッピングセンターや商業施設にテナント出店していた。名古屋市内を中心に愛知県や岐阜県、静岡県、神奈川県、大阪府、岡山県に20店舗以上を展開し、老舗書店として地元では相応の知名度を有していた。書籍のほか文具や日用雑貨も取り扱い、ピークの2017年8月期には年売上高約32億8200万円を計上した。
積極的な出店を行なっていたが、出版不況の影響などで売上は伸び悩み、2018年8月期の年売上高は約30億1400万円にとどまっていた。文具や日用雑貨の不振もあり不良在庫が重荷となっていたうえ、出店時の借入金も負担となり、資金繰りが悪化していた。
同社は今期に入ってからも業績の改善が見込めず、金融機関の支援も限界に達し、先行きの見通しが難しくなったことから今回の措置になった。