コナミHD、先行投資と減損損失62億円の計上で減益も営業利益239億円 2020年3月期第3四半期決算

コナミ

モバイルゲームは世界各地で人気がある『遊戯王 デュエルリンクス』が業績をけん引。eスポーツ競技に複数のコナミタイトルが正式採用。

コナミホールディングス株式会社(以下、コナミHD)は、2020年3月期第3四半期決算を1月30日(木)に発表した。当第3四半期連結累計期間の売上高は1931億600万円(前年同期比0.2%増)、営業利益は239億7600万円(同39.2%減)、税引前四半期利益は234億9400万円(同40.0%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は163億900万円(同40.1%減)だった。

コナミ 決算

経営成績に関する説明

2020年3月期第3四半期の経営成績については、スポーツ事業において固定資産の減損損失を計上したこと、新技術対応のための先行投資などにより減益となった。

また、自社物件の新拠点「コナミクリエイティブセンター銀座」への移転に伴い、現賃借物件の2021年3月期までの退去後家賃等の一時費用として計上した。

セグメント毎の業績は以下の通り。

デジタルエンタテインメント事業
モバイルゲームでは、グローバル市場において『遊戯王 デュエルリンクス』がけん引したほか、大型アップデートを行なった『eFootball ウイニングイレブン 2020(海外名:eFootball PES2020)』が好評となっている。

国内市場では『プロ野球スピリッツA』が好調を維持しているほか、他の継続配信タイトルの多くで、アニバーサリーイベントやプロモーション施策などを行ない盛り上がりをみせている。

新規タイトルとしては「ラブプラス」シリーズ最新作の『ラブプラス EVERY』と『beatmania IIDX ULTIMATE MOBILE』をリリースした。

カードゲームでは「遊戯王オフィシャルカードゲーム」の大型デュエルトーナメント大会「Yu-Gi-Oh! CHAMPIONSHIP SERIES JAPAN」と「デュエリストフェスティバル」を東京で同時開催し多くのユーザーを集めた。新商品としては、2020年4月から「遊戯王」アニメ新シリーズで登場する「遊戯王ラッシュデュエル」を発売する。

家庭用ゲームでは、9月に発売した「ウイニングイレブン」シリーズ最新作の基本プレイ無料版『eFootball ウイニングイレブン 2020 LITE』の配信を開始した。前作で好評だった「myClub」モードに加え、新オンラインモード「Matchday」の追加などが支持され、前作以上に多くのユーザーにプレイされている。

eスポーツへの取り組みとしては、一般社団法人日本野球機構(NPB)と共催する「eBASEBALL プロリーグ」の2019シーズンが開幕。今年度から新しくレジェンドOBの参戦や、セ・パe交流戦が実施されるなど、昨年以上の盛り上がりをみせている。

また、第74回国民体育大会「いきいき茨城ゆめ国体」の文化プログラムとして行なわれた大会に「ウイニングイレブン」シリーズが採用されたほか、「実況パワフルプロ野球」及び「ウイニングイレブン」シリーズが、「燃ゆる感動かごしま国体(第75回国民体育大会)」と「燃ゆる感動かごしま大会(第20回全国障害者スポーツ大会)」の文化プログラム「全国都道府県対抗eスポーツ選手権2020 KAGOSHIMA」の採用タイトルに正式決定した。

業績については、新作タイトルの制作費や将来に向けての研究開発費が増加したことで減益となった。

上記の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は1086億6700万円(前年同期比2.7%増)、セグメント利益は290億5100万円(同10.0%減)となった。

アミューズメント事業
当期は事業環境の変化から、複数タイトルの発売を次期に移行するなど、投入時期の見直しを行なったことで減収減益となった。

アミューズメント事業のビデオゲームでは、オンライン対戦麻雀ゲーム「麻雀格闘俱楽部」シリーズの最新作『麻雀格闘俱楽部 GRAND MASTER』や『ボンバーガール』が好調に稼働しているほか、eスポーツ大会における「beatmania IIDX」シリーズ競技の世界標準となる最新筐体『beatmania IIDX LIGHTNING MODEL』や、KONAMIの様々なゲームとつながり、カードを通して新たな体験を提供するカードベンダー機「カードコネクト」の稼働を開始した。

メダルゲームにおいては「FEATURE PREMIUM」シリーズ最新作『GI優駿倶楽部』や、ダンジョンメダルRPG「エルドラクラウン」シリーズ最新作『エルドラクラウン 紅蓮の覇者』が好評となっている。

プライズゲームでは、ベルトコンベアを使用した遊びが新しい『トレジャーロード』の稼働がスタートし、「マジカルハロウィン」シリーズ最新機種『マジカルハロウィン7』を発売した。

上記の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は164億8700万円(前年同期比9.3%減)、セグメント利益は37億6600万円(同27.4%減)となった。

ゲーミング&システム事業
スロットマシンでは、新規のアップライト筐体『KX 43』の販売が堅調に推移した。また「Concerto」シリーズでは、『Concerto Opus』をはじめ『Concerto Crescent』や『Concerto Stack』を北米市場中心に販売したほか、オセアニアや中南米、欧州市場にも展開した。なかでもオセアニア市場においては、昨年度に市場投入した『All Aboard』や『Money Trails』などのゲームが高稼働を維持したことで、好調に推移している。

パーティシペーションでは、『Concerto Opus』を主力に、各種ベースゲームに付け加えられるミステリートリガーリンクドプログレッシブの『Treasure Ball』や、『Triple Sparkle』などのゲームラインナップを拡充させることで収益が安定した。

カジノマネジメントシステムでは、世界各地を就航する大型クルーズ船内のカジノ施設や、北米・オセアニア市場の大手オペレーターへの「SYNKROS」導入が引き続き順調に推移した。

業績については、システムの販売好調で増収となったが、商品ラインアップの拡充に伴う先行投資により営業費用が増加した。

上記の結果、売上高は229億8000万円(前年同期比4.7%増)、セグメント利益は24億2300万円(同20.6%減)となった。

スポーツ事業
フィットネスでは、インストラクターのマンツーマン指導でトレーニングを行なうパーソナルプログラムの刷新や、コナミスポーツクラブの人気スタジオプログラムを暗闇スタジオで体感できる「Club Style」をはじめるなど、フィットネスライフを提供するためのサービス向上に取り組んだ。

スクールでは、元競泳日本代表のコナミ社員がコーチとして直接指導する「少人数制スイミングスクール」を都内2施設で開講。

また、内閣官房東京オリンピック・パラリンピック推進本部が推進する認証制度「beyond2020マイベストプログラム」の認証を、「コナミスポーツクラブ・マイベストチャレンジ応援プログラム」に加え、協業先との共同プログラム「コナミスポーツクラブ×FiNCマイベスト宣言応援プロジェクト」にて追加取得したところ、この取り組みが評価され、スポーツ庁が推進する「令和元年度スポーツエールカンパニー」と「Sport in Lifeプロジェクト」参画団体の認定を取得した。

業績については、直営施設の退店や自然災害の影響、市場ニーズの多様化などの要因により減収減益となった。

上記の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は461億9200万円(前年同期比3.6%減)、セグメント利益は22億300万円(同13.4%減)となった。

関連サイト

コナミホールディングス株式会社公式サイト
2020年3月期第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結)

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