KADOKAWA、映像・ゲーム事業の好調とドワンゴ黒字回復で増益 営業利益84億円 2020年3月期第3四半期決算

KADOKAWA

映像でも北米や中国を中心に海外への権利許諾が好調に推移。GoTY受賞ゲーム『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』も収益に貢献。

株式会社KADOKAWA(以下、KADOKAWA)は、2020年3月期第3四半期決算(連結)を2月13日(木)に発表した。当第3四半期連結累計期間における業績は、売上高1501億7700万円(前年同期比1.3%減)、営業利益84億6000万円(同165.7%増)、経常利益91億9100万円(同110.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益78億8200万円(前年同期は、親会社株主に帰属する四半期純損失21億6900万円)だった。

KADOKAWA 決算 決算ポイント

経営成績に関する説明

出版事業
書籍、雑誌及び電子書籍・電子雑誌の販売、雑誌広告・Web広告の販売、権利販売等の事業を展開している。当事業においては、メディアミックス展開の重要な源泉として年間5000タイトルもの新作を発行しており、蓄積された作品アーカイブは、グループ成長の原動力になっている。

当期は、主な作品として「ファイブスター物語」や「ソードアート・オンライン キス・アンド・フライ」「騙し絵の牙」「はじめてのやせ筋トレ」「角川まんが学習シリーズ」「角川まんが科学シリーズ」などの販売が好調だった。

電子書籍や電子雑誌に関しては、市場動向を徹底注視した電子ならではの機動的なマーケティング施策により、好調に推移している。

上記の結果、売上高は859億6300万円(前年同期比1.3%増)、セグメント利益は50億6200万円(同9.3%減)となった。

KADOKAWA 出版事業 出版事業 収益

映像・ゲーム事業
映画の企画や製作、配給、映像配信権等の権利許諾、パッケージソフトの販売、ゲームソフトウエア及びネットワークゲームの企画から販売、権利許諾等を行なっている。

映像は、北米と中国を中心にアニメ「慎重勇者~この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる~」「オーバーロード3」「盾の勇者の成り上がり」などの海外権利許諾による収入が引き続き好調に推移している。また、IPを活用し、他社が配信するオンラインゲームとのコラボレーションによる権利許諾等が、収益に貢献した。

ゲームは、『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』が、国内外共に引き続き好調に推移し、収益に大きく貢献した。本タイトルは、アメリカで毎年開催される「The Game Awards 2019(2019年12月12日開催)」において、年間最優秀作品賞である「Game of The Year(GoTY)」を受賞した。

上記の結果、売上高は349億2200万円(前年同期比2.9%増)、セグメント利益は38億9400万円(同54.6%増)となった。

KADOKAWA 映像事業 映像・ゲーム事業 収益

Webサービス事業
動画コミュニティサービスの運営、各種イベントの企画や運営、イベント会場の賃貸、モバイルコンテンツの配信などを展開している。

動画配信サービス「ニコニコ動画」の月額有料会員(プレミアム会員)は、12月末に167万人(9月末は171万人)となった。動画・生放送・ブログなどを配信できるプラットフォーム「ニコニコチャンネル」の有料会員数は、12月末に114万人(9月末は108万人)に増加し、順調に伸長している。4月に開催したグループ最大のイベント「ニコニコ超会議2019」では、会場来場者数16万8248人と過去最高を記録した。

アニソンライブに関しては、世界最大規模の「Animelo Summer Live 2019 -STORY-」においては、3日間で前年を上回る8万4000人が来場した。

11月1日には、池袋にサテライトスタジオ「ハレスタ」をオープン。ネットとリアル、そしてバーチャルの融合を実現するため、スタジオ技術や制作ノウハウを集約し、最新鋭の技術とインターネットを駆使したバーチャルキャラクターによるライブパフォーマンスや、アニメ・ゲーム関連のステージイベントなど、幅広いコンテンツを発信していく。

また、前期から株式会社ドワンゴ(以下、ドワンゴ)において事業構造改革を推進していることから、外注費や通信費などを中心に費用が減少した。

上記の結果、売上高は191億3600万円(前年同期比4.1%減)、セグメント利益は24億3900万円(前年同期は営業損失7億円)となった。

映像・ゲーム事業 収益

その他事業
教育事業やインバウンド関連事業の企画・運営、キャラクターグッズの企画、販売、アイドルCDの販売等のMD事業を行なっている。

教育事業では、スクール運営を行なう株式会社バンタンとドワンゴの収益貢献により、引き続き好調に推移した。

インバウンド事業においては、将来の成長事業育成に向けて積極的に投資を行なっている。

MD事業では、主に前年第1四半期に販売されたアイドルCDの反動により、減収となった。

上記の結果、売上高は137億6300万円(前年同期比14.3%減)、セグメント損失は17億2800万円(前年同期は営業損失18億200万円)となった。

KADOKAWA その他事業 KADOKAWA その他事業 収益

関連サイト

株式会社KADOKAWA公式サイト
2020年3月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
2020年3月期第3四半期決算説明資料

KADOKAWA