イグニス、マッチング事業の増収増益で黒字回復 営業利益6500万円 2020年9月期第1四半期決算

イグニス

バーチャルライブアプリ「INSPIX LIVE」の大型アップデートに向けて投資。ゲーム事業では新規開発を凍結し、『ぼくドラ』『猫とドラゴン』をドリコムに譲渡予定。

株式会社イグニス(以下、イグニス)は、2020年9月期第1四半期決算(連結)を2月13日(木)に発表した。当第1四半期連結累計期間においては、売上高14億9625万円(前年同期比11.4%増)、営業利益6507万円(前年同期は営業損失3億4025万円)、経常利益は1902万円(前年同期は経常損失3億6176万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は7104万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失4億1607万円)となった。

イグニス決算 決算サマリー ハイライト

経営成績に関する説明

当第1四半期連結累計期間は、前期に引き続き高成長を続けているマッチング事業が、売上高と営業利益に大きく貢献した。エンターテック事業については、バーチャルライブアプリ「INSPIX LIVE」の大型アップデートに向けた開発投資を積極的に実施した。

一方、事業の選択と集中の観点から、ゲーム事業にて、新規開発の凍結、『でみめん』のサービスを終了した。また、2020年3月2日付で『ぼくとドラゴン』と『猫とドラゴン』の2タイトルに係る事業などを、株式会社ドリコムに譲渡する予定だ。

セグメント毎の業績は以下。

マッチング事業
当第1四半期連結累計期間は、恋愛・婚活マッチングサービス『with』において、他社類似サービスとの差別化をはかるため、心理学やAIを活用して最適な男女のマッチングを目指して、季節イベントや各種診断イベントの実施などといった施策を行なってきた。

イグニス マッチング

また、国内でオンラインマッチングサービスが急速に浸透してきていることから、プロモーションによる新規流入だけでなく、クチコミによる新規流入も増加傾向にあり、2019年12月末時点でユーザー数250万人を突破するなど、サービスは引き続き、順調に成長している。

上記の結果、売上高は8億9799万円(前年同期比39.2%増)、セグメント利益は2億8501万円(同111.8%)となった。

エンターテック事業
「音楽体験の、次のあたりまえを創る」を目標に、主にパルス株式会社(以下、パルス)によるバーチャルライブアプリ「INSPIX LIVE」の開発、提供とともに、芸能プロダクションの運営を行なう株式会社VOYZ ENTERTAINMENT(以下、VOYZ ENTERTAINMENT)の3次元のボーイズグループ「VOYZ BOY」など、IPの創出に取り組んでいる。

パルスでは、VR技術による音楽ライブを生配信するシステムの企画や開発、運営を行なっている。当該システムは様々な環境にあわせて配信できる仕組みを構築することで、既存の動画配信サイトへの生配信だけでなく、VRやAR動画の生配信も行なえるようにしている。

2019年8月にリリースした「INSPIXLIVE」では、より理想的な顧客体験を実現するため、ライブ特化型仮想空間SNS「INSPIX WORLD」への大型アップデートを行なっている。これについては、6組のパートナー参画が決定しているほか、今後、複数の他社IPが「INSPIX WORLD」でバーチャルライブを開催する予定であるなど、他社IPの誘致も順調に進行している。

イグニス PF バーチャルライブ

IPの創出では、業務提携先である株式会社岩本町芸能社所属のVRアイドル「えのぐ」が、バーチャルライブプラットフォームの技術を活用し、精力的に活動を行なっている。

VOYZ ENTERTAINMENTは、所属タレントである「VOYZ BOY」と「学芸大青春(ガクゲイダイジュネス)」が活動を行なっている。「VOYZ BOY」は2019年5月より本格的に活動をスタートし、定期イベントやファンミーティング、一部メンバーはテレビや舞台への出演などを行なっている。「学芸大青春」は、2019年9月に活動を開始し、音楽配信(販売)などを展開している。

上記の結果、売上高は6869万円(前年同期比431.8%増)、セグメント損失は3億2133万円(前年同期はセグメント損失3億5025万円)となった。

ゲーム事業
主要ゲームとして、スマートフォン向けゲームアプリでは『ぼくとドラゴン』『でみめん』を、ブラウザゲームでは『猫とドラゴン』を提供している。

当第1四半期連結累計期間では、リリースから5年目の主力タイトル『ぼくとドラゴン』と、2019年4月に配信した『猫とドラゴン』が、既存ユーザーの満足度向上と収益の安定化を目指すため、季節イベントの強化や、他社有名IPとのコラボレーションを実施するなど、ユーザーとのエンゲージメントを高めるサービス運用を行なってきた。

一方で、2018年12月にリリースした『でみめん』は、ユーザー課金率及び新規ユーザー獲得数が伸び悩み、新キャラクターや各種イベントの実施など施策を行なったが、大幅な改善に至らなかったことから、2019年12月12日をもってサービスを終了した。

イグニス ゲーム事業

スマートフォン向けゲームアプリマーケットの競争は一層激化していることから、プロモーションを中心とした的確なコストコントロールを続けたものの、既存タイトルと新規タイトルの売上寄与は共に限定的となった。

ゲーム事業においては、事業の選択と集中の観点から、新規開発を凍結するとともに、2020年3月2日付で『ぼくとドラゴン』と『猫とドラゴン』に係る事業を株式会社ドリコムに譲渡する予定だ。

ゲーム譲渡

上記の結果、売上高は5億1316万円(前年同期比21.2%減)、セグメント利益は1億6327万円(同3,100.4%増)なった。

その他
その他は、報告セグメントに含まれない事業セグメントとして、求人サービス及び転職エージェントサービス、医療機関向けSaaS、VR医療等の事業セグメントで構成されている。

当第1四半期累計期間において、主にグラム株式会社の求人サービスを展開。医療機関向けSaaSとVR医療に関しては、現時点では投資フェーズであるものの、サービス改善に努めてきた。

上記の結果、売上高は1640万円(前年同期比51.4%減)、セグメント損失は6189万円(前年同期はセグメント損失1億2966万円)だった。

関連サイト

株式会社イグニス公式サイト
2020年9月期第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
2020年9月期第1四半期決算説明資料

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