新型コロナウイルス感染症は音楽映像事業に大きく影響。舞台公演の中止などで特別損失を計上。
株式会社マーベラスは、2020年3月期決算(連結)を5月12日(火)に発表した。当期(2019年4月1日~2020年3月31日)の業績は、売上高253億6500万円(前期比5.3%減)、営業利益24億4900万円(同48.0%減)、経常利益25億200万円(同47.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益17億9700万円(同46.4%減)となった。
経営成績に関する説明
オンライン事業
ゲームアプリ『シノビマスター 閃乱カグラ NEW LINK』が好調だったが、2019年12月で6周年を迎えた『剣と魔法のログレス いにしえの女神』をはじめとする長期運営タイトルの売上が減少した。
また、スマートフォン向けの新作タイトルとして、ログレスシリーズの最新作『ログレス物語(ストーリーズ)』と、中国発の弾幕シューティングRPG『ガール・カフェ・ガン』を2019年9月にリリースしたが、期待通りの収益が上がらなかった。
「ログレス」シリーズ最新作『ログレス物語』に関しては、2020年3月1日付で配信及び運営を株式会社Aimingに移管した。
当期中のリリースを予定していたふたつの新規アプリのうち、ひとつは次期以降へリリースを延期し、もうひとつのノベルアプリについては発売を中止することを決定した。
そのほか、一部タイトルにおいては、将来収益の見直しによる開発資産の評価減や、開発中止による開発費用の一括計上が発生したとのこと。
上記の結果、売上高は81億200万円(前期比16.5%減)、セグメント利益は2億7200万円(同78.0%減)だった。
コンシューマ事業
ゲームソフト販売部門においては、2019年7月にNintendo Switch向けタイトル『ルーンファクトリー4 スペシャル』を、同年9月に完全新作アクションゲーム『DAEMON X MACHINA(デモンエクスマキナ)』を、同年10月に『牧場物語 再会のミネラルタウン』を発売したところ、それぞれ好調なセールスを記録した。
また、2019年10月にPlayStation4向けタイトルとして「ノーモア★ヒーローズ」シリーズ最新作『Travis Strikes Again: No More Heroes Complete Edition』を、12月には海外アクイジションタイトル『CONTROL(コントロール)』を、2020年1月には新作アクションレースゲーム『神田川JET GIRLS』を発売した。
さらに、海外では2020年2月に『ルーンファクトリー4スペシャル』北米・欧州版、『DAEMON X MACHINA』Windows PC版、『Granblue Fantasy: Versus』の北米・欧州版とWindows PC版を発売し、ユーザーから高評価を獲得した。
アミューズメント部門では、キッズアミューズメントマシン『ポケモンガオーレ』が、新型コロナウイルスの影響でインカムが減少したが、通期では好調な結果をおさめた。
一方で、前期の第2四半期に行なったソフトウェア資産などの売却による一時収入からの反動が、利益面に大きく影響した。
上記の結果、売上高は113億9600万円(前期比11.5%増)、セグメント利益は20億2600万円(同28.8%減)となった。
音楽映像事業
音楽映像制作部門においては、プリキュアシリーズのTVアニメ『スター☆トゥインクルプリキュア』『映画プリキュアミラクルユニバース』『映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて』をパッケージ商品化した。2019年1月に公開し、大ヒットとなった『映画刀剣乱舞-継承-』も同年6月に発売したところ、好調なセールスを記録した。
ステージ制作部門では、「舞台『刀剣乱舞』」「ミュージカル『テニスの王子様』」『あんさんぶるスターズ!エクストラ・ステージ』「ミュージカル『薄桜鬼』」「舞台『弱虫ペダル』」「ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』」「『家庭教師ヒットマンREBORN!』the STAGE」などのシリーズを公演した。
今期の完全新作としては、「ミュージカル『憂国のモリアーティ』」や「舞台『血界戦線』」「PERSONA5 the Stage」を公演し、好評となった。
しかしながら、前期と比べてステージ公演のパッケージや関連商品の販売が減少した。
当事業における新型コロナウイルス感染症の拡大による影響については、2020年4月以降の一部テレビアニメで放送延期が決定しているほか、舞台公演でも2020年4月~5月の公演中止が決定している。それにより、公演中止損を特別損失として当期に計上したとのこと。
上記の結果、売上高は58億8800万円(前期比14.4%減)、セグメント利益は15億7300万円(同25.1%減)となった。