東映、新型コロナウイルス感染症の影響で利益半減 営業利益25億円 2021年3月期第1四半期決算

東映

新型コロナウイルス感染症の影響による、劇場用映画の公開延期や、映画館の営業休止で営業損失を計上。

東映株式会社は、2021年3月期第1四半期決算短信(連結)を8月12日(水)に発表した。当第1四半期連結累計期間は、売上高210億1900万円(前年同期比36.0%減)、営業利益21億1600万円(同57.8%減)、経常利益33億1100万円(同52.5%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益6億200万円(同80.2%減)だった。

東映 決算

経営成績に関する説明

第1四半期連結累計期間の東映グループは、自治体からの各種要請や政府による緊急事態宣言を受けて、劇場用映画の公開延期やシネコンなどの営業休止、イベントの中止などの対応を行ないながら、映像関連事業を中心に、より一層のコンテンツ事業の強化及び効率的な活用につとめ、堅実な営業施策を行なった。

また、各種要請により営業を休止したシネコンなどで発生した、休業期間中の人件費、地代家賃、減価償却費等を、臨時休業による損失として特別損失に計上した。

セグメント毎の業績は以下。

映像関連事業
映画事業では、提携製作作品である「死神遣いの事件帖 -傀儡夜曲-」を公開したが、「魔女見習いをさがして」「シン・エヴァンゲリオン劇場版」など、当第1四半期連結累計期間に配給を予定していたそれ以外の劇場用映画は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で公開延期となり、前期における公開作品の続映や旧作の配給といった対応をせざるを得なかったとのこと。

ビデオ事業では、主力の劇場用映画のDVDやブルーレイ作品に加え、テレビ映画のDVDやブルーレイ作品を販売した。

テレビ事業では「特捜9」「警視庁・捜査一課長」「仮面ライダーゼロワン」などを制作し、作品内容の充実と受注本数の確保につとめたが、緊急事態宣言下での制作中断の影響で受注本数が減少した。また、キャラクターの商品化権営業は、国内消費需要が縮小したことで版権料収入が減少した。

コンテンツ事業では、劇場用映画等の地上波、BS、CS放映権及びビデオ化権の販売に加え、VOD(ビデオ・オン・デマンド)事業者向けのコンテンツ販売などを行なった。アニメ関連については、「ドラゴンボール」シリーズのゲーム化権販売が好調だった前年同期の勢いには至らなかったが、『ドラゴンボール超 ブロリー』の劇場上映権販売が北米で好稼働した。

上記の結果、売上高は183億7700万円(前年同期比16.9%減)、営業利益は42億5700万円(同11.0%減)となった。

興行関連事業
映画興行業では、休業要請や緊急事態宣言を受け、4月から5月にかけ東映直営館及び株式会社ティ・ジョイ(以下、ティ・ジョイ)運営のシネコンの営業を、全国的に休止した。営業を再開した6月以降も、新型コロナウイルス感染症の広がりや配給各社の公開延期等により、興行収入が低調だったとのこと。

なお、2020年6月24日にティ・ジョイ運営のシネコン「T・ジョイ横浜」(9スクリーン)が開業したことで、当第1四半期連結会計期間末において、214スクリーン体制(東映直営館4スクリーン含む)で展開している。

上記の結果、売上高は3億300万円(前年同期比94.3%減)、営業損失は10億3300万円(前年同期は営業利益6億900万円)だった。

催事関連事業
催事事業では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響でキャラクターショーや文化催事、舞台演劇等が相次いで中止になるなど、大変厳しい状況だったとのこと。また、緊急事態宣言の対象が全国に拡大された4月中旬以降は、劇場が全国的に臨時休業したことで、劇場映画関連商品の販売についても大幅な減少となった。

東映太秦映画村は、前期の3月から引き続き、6月中旬にかけて新型コロナウイルス感染症拡大防止のため臨時休業した。

上記の結果、売上高は2億3700万円(前年同期比89.4%減)、営業損失は3億7600万円(前年同期は営業利益5億1800万円)だった。

観光不動産事業
不動産賃貸業では、「プラッツ大泉」「オズ スタジオ シティ」「渋谷東映プラザ」「新宿三丁目イーストビル」「広島東映プラザ」などの賃貸施設が稼働した。

ホテル業では、新型コロナウイルス感染症の影響でインバウンド需要が低迷し、国内においても緊急事態宣言による移動自粛要請などで宿泊や飲食需要が急減し、非常に厳しい経営環境にあったとのこと。

国内外において感染収束の見通しが立たないなか、各種政策の効果は不透明であり、今後も一定期間にわたって影響を受ける見込み。

上記の結果、売上高は11億8000円(前年同期比25.3%減)、営業利益は3億7100万円(同45.4%減)だった。

建築内装事業
建築内装事業では、公共投資は底堅さを維持しているものの、企業収益の減少や先行き不透明感の高まりで設備投資は弱含み、当面慎重な動きが続く見込み。

当第1四半期連結累計期間については、厳しさを増す受注環境にありながらも、従来の顧客の確保及び新規顧客の獲得につとめ、シネコンや商業施設の内装工事等を手掛けるなど、積極的な営業活動を行なった。

上記の結果、売上高は8億9200万円(前年同期比19.1%減)、営業損失は100万円以下(前年同期は営業利益6100万円)だった。

関連サイト

東映株式会社公式サイト
2021年3月期第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

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