チャイナジョイはおおきく一般ユーザー対象のB2Cエリアと業界関係者向けのB2Bエリアに分かれている。通常B2Bエリアはテーブル・椅子・モニタのみという殺風景な場合が多いが、チャイナジョイではB2Cエリアと見間違うかのような派手なブースが並び、開発中の最新タイトルがプレイアブルで出展されることもある。パブリッシャーや海外ライセンシー探しのためだ。ここでは、そうした完成を目前に控えた注目タイトルを紹介しよう。
◆MU EMPIRE（上海塔人网络科技）
今回一番驚いたのがオンラインアクションRPG『MU EMPIRE』だ。名前からピンと来る人がいるかもしれないが、2003年にリリースされて日本でもヒットした『MU -奇蹟の大地-』のスマホアプリ版リメイクという位置づけ。モバイルといえども最新のCG技術を使用しており、オリジナル版とは段違いのグラフィックを実現していた。
ゲームはクォータービュー視点のハック&スラッシュスタイルで、攻撃とレベルアップを繰り返していく。デモ版では街中と荒野から構成されたフィールドマップと、ボス戦も楽しめる宮殿マップが楽しめた。
操作はバーチャルパッドと画面クリックが切り替えられ、ノーマル攻撃に加えて4種類の特殊攻撃が繰り出せる。キャラクターは炎属性と氷属性の2種類のアーマーが切り替えられ、特殊攻撃もそれぞれ異なるものになっていた。おおきく周囲の敵にダメージを与えるものと（回転切りなど）、前方の敵にダメージを加えるもの（ダッシュ＋払い切りなど）があり、操作性も良好だ。
敵キャラクターはスケルトン・魔道士・騎士・ミノタウロスなどが確認でき、ボスキャラクターは冥府の王といった出で立ちで、さまざまな攻撃を繰り出してくる。MMOかMOなのかは不明だが、マルチプレイにも対応しており、仲間にメッセージを送ることも可能だ。クオリティも高く日本での配信を期待したい。
◆新世紀福音戦士：適格者（7659遊戯）
同じく目を疑ったのがエヴァのスマホゲーム『新世紀福音戦士：適格者』だ。ゲームのクオリティもさることながら、キャラ絵のカットインが使用されており（コピーライトには庵野秀明氏の会社で映画版エヴァ版権元のカラー社も明記）、少なくとも「勝手ゲーム」ではなさそうだ。
内容は原作のストーリーを追いながら、エヴァを出撃させて使徒を撃退していくというもので、基本的なバトルは自動で行ってくれる。プレイヤーが判断するのはキャラクターごとの特殊攻撃の発動が中心で、カットインと共に固有の攻撃が繰り出されるというものだ。デモ版では新劇場版に準じて零号機・壱号機・2号機・仮設5号機の4体が出撃でき、各々の役割分担（近接・中間・遠距離）も再現されていた。
ストーリーシーンや部隊編成、武装などに加えて、パイロットも乗せ換えることができた。シンジ・レイ・アスカ・マリに加えて、冬月とミサトも登場し、エヴァに登場させられる。シンクロ率らしきパラメータが存在するが、特に低下する兆候も見られず（開発版だからか？）、さまざまな遊び方が可能になるかもしれない。日本への逆輸入があるのか、期待したいところだ。
◆进击的兔子（境界遊戯）
日本と同じく可愛らしいキャラクターやデザインが好まれる中国。敵キャラクターがすべて野菜という「かわいい系」グラフィックだが、実際にプレーすると骨太のタワーディフェンスになっており、驚かされたのが『进击的兔子』（日本語になおすと『進撃のウサギ』か？）だ。
ゲームは本陣にいるウサギめがけて、コース上を次々と進撃してくる野菜たちを、ヒーローを操作したり、ステージ上に砲台などを配置して撃退していくというものだ。ヒーロー＝ウルトラマン、砲台＝防衛隊、ウサギ＝基地におきかえれば、各々の役割がつかみやすいだろう。
ヒーローは画面タップで自由に移動でき、特殊スキルも発動できる。タップした場所に落雷を浴びせたり、画面をこすって野菜たちを消したりも可能だ。ただし攻撃を受けすぎて体力がゼロになると、一定時間使用できなくなる。体力は自動回復するので、うまく休息をとらせるのがコツだ。
一方、砲台は野菜だけでなくステージ上の岩や宝箱などの邪魔物も破壊できる。野菜を破壊するとゴールドが得られ、新たな砲台を作ったり、レベルアップさせられるが、ステージ上の邪魔物を破壊しても何も得られない。そのかわり邪魔物を破壊しないと、往々にして砲台を作る場所が不足してしまう。野菜と邪魔物の攻撃をバランス良く進めながら、ヒーローを援護しよう。
